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四国お遍路 24日目(11月21日)

民宿くもも 7:20 ~ 農家民宿森本まる 14:45
移動距離 : 23.7キロ
参拝札所 : 無し
宿泊 : 農家民宿森本まる 1泊2食付き6500円 (1日1組だけ、自家製どぶろく付き、食事がとても美味しい)お勧め!
この日の写真へ(Googleフォト)


森本まると同じく、どぶろく特区の三原村にある農家民宿です

太平洋に別れを告げ雨の山道を黙々と歩く

とうとう今日から、太平洋を離れて山の中へと入っていく。
太平洋から昇る朝日を眺める最後のチャンスだったのに、生憎の曇り空で朝日の気配すら感じられなかった。


2階の窓からY口さんが見送ってくれた

宿で用意してくれたお弁当を持って、午前7時20分Y口さんに見送られて宿を出る。

下ノ加江までやってきて、最後にもう一度太平洋を見ておこうと考えて海へ出られそうな道へと入っていく。
海の眺めはパッとしなかったけれど、そこにはシャワー設備まで備えた立派なトイレがあり、野宿するには最高の場所だった。
夏場は海水浴場として利用されるのだろう。

元の道へと戻って先に進もうとすると、ロッジカメリアの前で呼び止められ、コーヒーのお接待を受ける。
そこには私たちの後から宿を出たY口さんも休んでいた。

ロッジカメリアは宿泊施設でもあり、実はここが満室だったため昨日から民宿くももに泊まっていたのである。
ここは2食付3000円で泊まれるリーズナブルな宿なので、直ぐに満室になってしまうようだ。


雨が降ってきた

宿のご主人と話していて、先ほど見てきたトイレの話しが出てきた。
去年まではシャワールームの中で野宿もできたのに、周辺の人の反対が出て今年からトイレの中で寝るのが禁止されたのだとか。
利用者のマナーの問題があったようで、野宿の際は周辺の人に迷惑がかからないようにするのが鉄則なのである。

最後にお菓子までもらってカメリアを出る。
その後直ぐに雨が降り始め、次第に降り方も強くなってくる。

今日は三原村の農家民宿に泊まる予定で、そこまでの遍路道には県21号と県道46号の二つのルートがある。
私たちは、県道21号が下ノ加江川に沿って続いていて、川の眺めを楽しめそうな気がしたので、このルートを選択した。
しかし実際は、県道が川よりかなり高い場所を通っていたので、所々でしか川を眺められなかったのである。


橋の上から下ノ加江川を眺める



雨の中を黙々と歩き続ける

次第に雨脚が強くなり、途中で雨具も着込む。
カメリアのご主人から8キロ先に休憩所があると聞いていたので、そこを目標に歩いていく。
しかし、8キロならば2時間も歩けば着きそうなものなのに、一向に休憩所が現れない。
ひたすら山道が続いていて休めそうな場所さえ無いのである。
おまけにかみさんがトイレ危機に陥る。

3時間以上歩いてやっと休憩所にたどり着いたが、かみさんにとって今必要なのは休憩所よりもトイレである。
残念ながら、そこの休憩所にはトイレらしき場所は見当たらない。
近くの民家からおじさんが出てきたので、トイレを貸してもらえるようにお願いする。
了解は得られたのだけれど、かみさんは何処かへ消えてしまっていた。


至れり尽くせりのご接待だ

そのおじさんはこの休憩所を作って管理されている方だった。
カップめんや果物、お菓子、コーヒー、ポットに入ったお湯が備え付けられ、冷蔵庫には冷たい飲み物まで入っている。
温かいコーヒーをご馳走になっていると、何処かで危機を回避したかみさんが戻ってきた。

おじさんはここに移住してきて、こうしてお遍路さんの接待をしているそうで、本当に頭が下がる。
民宿で作ってくれたお弁当をようやく食べることができて、休憩所を後にする。

相変わらず雨は降り続けている。
途中に三原キャンプ場の看板があったけれど、寄り道しないで通り過ぎる。

神社があったのでそこの軒先で雨宿りさせてもらう。
そこのトイレの横には、場違いなメリーゴーランドの遊具が置かれていた。
とてもシュールな光景である。


トイレの横に置かれたメリーゴーランドが不思議すぎる



雨の中、この日のゴールまで後少し

そこからもう一頑張りして、午後2時45分、今日の宿である農家民宿森本まるに到着した。
靴の中までずぶ濡れで、納屋の中で濡れたものを全て脱がせてもらう。
お遍路中に降られた雨の中では、この日の雨が一番酷かった気がする。

ここの民宿は、人数に関わらず1日1組しか受け入れていない。
2部屋のスペースを贅沢に使わせてもらう。

夕食は離れに場所を変えていただく。
三原村はどぶろく特区に指定されていて、何軒かある農家民宿ではそれぞれのところで造っているどぶろくを飲ませてくれる。
森本まるで作っているのは辛口の「桂」。

夕食の時にそれを試飲することができて、奥さんの心のこもった手料理が一品一品出てくる。
自分のところで採れた野菜が中心のメニューだけれど、どれもとても美味しい。
それに土鍋で炊いたご飯がこれまた絶品。
お遍路中に泊まった宿のかなでは、ここでの食事が一番美味しかった気がする。


夕食に出されたものの一部です

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