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四国お遍路 23日目(11月20日)

民宿田村 7:20 ~ 民宿くもも 15:05
移動距離 : 22.7キロ
参拝札所 : 無し
宿泊 : 民宿くもも 1泊2食付き6500円 (目の前に海が広がる民宿)
この日の写真へ(Googleフォト)


足摺岬から打ち戻り

三日ぶりに朝から青空が広がっていた。
残念ながら宿の周りが建物に囲まれているので、今朝の朝日は建物の屋根越しにしか見られなかった。


青空の下では景色も美しく見える

宿を出て2キロくらい歩いたところに足摺遍路小屋があり、早速そこで最初の休憩。
休めるところでは確実に休むのである。

その先で遍路道は県道を離れて集落の中の道へと入っていくのだが、入り口を見逃してしまい、そのまま県道を歩いていく。
しかし、県道からの眺めもなかなかなか素晴らしい。

今年になって完成したばかりの松尾トンネルを抜ける。
当初の計画では、打ち戻りの際は距離が短い足摺岬の東側道路を往復するつもりでいた。
しかし、このトンネルができたおかげで西側の道路を通ってもそんなに距離が変わらないとペンションひらののオーナーさんから聞いていたので、復路はこちら側を通ることにしたのである。


トンビが何でもを片付けてくれる

トンネルを抜けた先の大浜の海岸で休憩する。
かみさんは早速お土産用の貝殻を拾い集める。

近所のおばさんが魚のあらを捨てにきた。
そうすると何処からとも無くトンビが集まってきて、あっという間にそれを持ち去る。
おばさんもそれを知っていて捨てに来ているだろう。

その先の中浜の集落にはジョン万次郎の生家があったので見学していく。

一旦県道まで戻った後、遍路道は山越えの道となるが、私たちはそのまま県道を歩いていく。
少し遠回りになるが、多分時間的にも体力的にも県道を歩いた方が楽そうなのだ。

しかし、土佐清水の足摺黒潮市場に寄るつもりでいたが、県道を歩いていくと深い入り江を大きく回りこむことになり、直ぐ近くの対岸に見えていた黒潮市場までは結構な時間かかかることになる。

黒潮市場でかみさんは、数種類のカツオダシを購入。
歩いて来る途中で見た鰹節工場に影響を受けたようだ。


お弁当を食べていると猫が寄ってくる

隣の公園で、宿で持たせてくれたお弁当を食べることにする。
すると野良猫が2匹、馴れ馴れしく近寄ってきた。
かみさんが市場に戻って生さば節を買ってきて猫に食べさせる。

それを食べ終わると、今度は隣でお弁当を食べている人達の方へねだりに行く。
今度は何処からともなく子猫たちが姿を現した。
市場も隣で、この猫たちは食べ物には不自由していないようだ。

薬局でサロンパスでも買おうと思って、土佐清水市内に寄り道するが、日曜日で何処も閉まっていた。
薬局を探しながら立ち寄ったスーパーの店内で、5日前に見かけた侍風お遍路さんの男性が所在無げにベンチに座っている姿を目撃。
またしても声をかけづらく、そのままスーパーを出てきてしまった。
どこか気になる謎のお遍路さんである。


雨の後ではこの川は渡れないだろう

その先では、適当な休憩所がなかなか見つからず、屋根付きのバス停の中で休憩する。
野宿メインのお遍路さんはこんな場所でも野宿するみたいだが、私はこんなところでは寝られそうに無い。

大岐の浜の手前で昨日歩いてきた道に合流。
昨日は歩けなかった大岐の浜の遍路道を歩いてみることにする。
浜に向かって降りていくとそこを川が流れていた。
石の上を伝って何とかその川を渡れたけれど、昨日ならば増水していたので、この川は渡れなかっただろう。

砂浜は足を取られるけれど、波打ち際の砂は締まっているので歩きやすい。
海ではサーファーが波と戯れている。
そんな海岸を昔ながらの遍路装束で歩くのは何だか変な気持ちだ。


遍路道になっている大岐の浜


途中で海を眺めながら一休み。
かみさんがサーファーが波乗りするのを期待しながらずーっと待っているが、全然ボードの上に立とうとしない。


駐車場近くは上手なサーファーが集まるみたいだ

それが砂浜を横断して駐車場近くまでやってくると、気持ち良さそうに波に乗っているサーファーが沢山いた。
そこで初めて、そこから遠くはなれた場所は初心者が集まるところなのだろうと理解した。

今日の宿は民宿くもも。
一昨日に泊まった民宿大岐の浜を通り過ぎたところにある。
大岐の浜にもう一度泊まらなかったのは特に理由があるわけではなく、次の日のためにもう少し遠くまで進んでおこうと思っただけである。
しかし、二つの宿は2キロくらいしか離れていないので、何となく大岐の浜の女将さんに申し訳ない気がしていた。
そーっと通り過ぎようと思ったら、直ぐに女将さんに見つかってしまった。
遠くから呼び止められたが、急いでいるような振りをしてそこを通り過ぎる。

そうして午後3時過ぎに民宿くももに到着。
宿帳にY口さんの名前があったのにはびっくりした。


団体お遍路さんが宿の前を通り過ぎる

部屋の窓から外を眺めていると団体ツアーらしきお遍路さんの一団が次々と通り過ぎていった。
早い人もいれば、後ろのほうの人はかなり遅いペースでトボトボと歩いている人もいる。
これで同じ団体なのかと思えるほどに、歩く早さに差がありすぎる。
しばらく行った先で先頭集団が立ち止まって待っているようだ。

既に時間は午後5時近くで、この団体はいったい何処まで歩くのだろうと不思議に思う。
夕食時にその話題を出すと、団体ツアーでは部分的に少しだけ歩いて、その後はバスで移動するパターンもあるのだとか。
それに何の意味があるのかは理解できないが、人それぞれのお遍路のやり方があるのだろう。


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