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四国お遍路 18日目(11月15日)

民宿ひかり 6:20 ~ 岩本寺宿坊 16:30
移動距離 : 30.5キロ
参拝札所 : 37岩本寺
宿泊 : 岩本寺宿坊 1泊2食付き6800円 (豪華な食事と朝のお勤め)お勧め!
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蒸し暑さが堪える峠越え

朝6時20分、おばあちゃんからミカン2個を貰って宿を出る。
歩き遍路と言うことで宿泊代も500円安くしてもらって、本当にありがたい。

国道に出てきたところで、縮れ毛を頭の上で結び、和服にサンダル履きの、まるで侍のようなお遍路さんに会う。
何となく声をかけづらい雰囲気で、挨拶だけして通り過ぎた。

海から昇る朝日がとても美しい。


朝日と一緒に記念撮影


隣町の安和のコンビニで朝食を仕入れる。
コンビニの外では、先ほどのお侍がアスファルトの上に座り込んでカップヌードルを食べていた。
再び軽く会釈をする。

仕入れた朝食をどこかで食べようと考えていたら、朝早くから開いている喫茶店があったので、そこのモーニングサービスを食べることにした。


野良鶏に餌やり

安和から先の遍路道は国道から離れた山道で、標高228mの焼坂峠を越えることになる。
民宿のご主人から、その遍路道は荒れているので国道を歩いた方が良いと言われていたので、素直にそのアドバイスに従う。

国道沿いの休憩所に寄ろうとしたら、その近くにニワトリのような鳥が見えていた。
「まさかニワトリじゃないよね」と言いながら近づいていくと、やっぱりニワトリだった。
「何でこんなところにニワトリが?」
野良犬ならぬ野良ニワトリである。

東屋で休んでいたら「コッコッコッ」と鳴きながら近づいてきた。
餌をねだりに来たらしい。
かみさんが持っていたお菓子を砕いてやると、美味しそうにそれをついばんでいた。

気温が高くて蒸し暑いので半そでTシャツで歩くことにした。
お遍路で歩き始めて長袖を脱ぐのは今日が初めてである。

中土佐の久礼の町は古い町並みが残っていて良い感じだ。


久礼の街並み


久礼から先、遍路道は土佐往還そえみみず遍路道と大坂遍路道の二つのルートがある。
どちらを歩こうか迷っていたが、民宿のご主人は大坂遍路道のことしか話していなかったので、ここも素直に大坂遍路道を選択。
そえみみずの方が歴史のある遍路道らしいが、標高400mの峠越えが待ち受けているので、今日の歩く距離を考えれば正しい選択である。


この大坂谷川沿いに暫く歩いていく

大坂谷川沿いの休憩所で一休み。
太陽に照らされた屋根から湯気が立ち上っている。
いかにも湿度が高そうだ。

川沿いの道を緩やかに登っていく。
緩やかなのは良いけれど、その分、最後の登りがきつくなると言うことでもある。
その登りが始まる手前に休憩所があったので、そこでバナナを1本食べてエネルギー補給。

しかし、そのバナナエネルギーも役に立たないような200mの一気の急登にヨレヨレになり、やっとの思いで七子峠の頂上に辿りついた。
その場で座り込みたかったけれど、峠には休憩所が無く、疲れた体に鞭打って5キロ先の休憩所を目指す。


七子峠からの展望



色々と教えてくれた接待処のご夫婦

そうして辿りつた休憩所でおにぎりの昼食。
再び歩き始めるが足が痛くてたまらない。
5キロ先にお遍路さん接待所があるらしいので、そこを目標に頑張ることにする。

その接待所ではコーヒーとお菓子を出していただき、その他にも役に立つ情報を色々と教えてもらった。
その中でも特に「絶対に泊まってはいけない宿」は役に立った。
話を聞くと本当に酷い宿で、何も知らずにそこに泊まったら悲惨な目に遭うところだった。

今度は5キロ先の道の駅「あぐり窪川」を目標にして歩いていく。
ちょうど良い距離のところに休憩できる場所があるのは本当に助かる。
しかし、休んだ後に歩き始める時がとても辛いのである。
しばらくすると痛みも忘れるのだが、時間がたつと再び痛くなってくる。
そんなことの繰り返しだ。

軽トラが私たちの前に止まった。
荷台にはびっしりとコンテナに入ったミカンが積まれていた。
運転席から降りてきたおじさんから、「広島で採れたミカンですが、好きなだけ持っていってください」と言われた。
とても嬉しかった。


岩本寺の山門前

今日の宿は岩本寺の宿坊。
ここでは境内でテント泊も可能と聞いていたが、30キロ以上歩く日だったので、無理をせずに宿坊に泊まることにしておいたのだ。

途中の酒屋でビールを買って午後4時に37番岩本寺に到着。
お参りを済ませて宿坊へと入る。
遍路ツアーの団体さんが同宿だった。
お風呂から裸のまま洗濯機を見に行くおばさんがいたり、我が家の使っていた洗濯機の中にはいつの間にかおばさんの下着が紛れ込んでいたりと、団体客は大変である。

宿に入って最初にすることは足のケアである。
小指のマメの状態は相変わらずだけれど、足が痛いのはどうしようもない。
部屋の中を移動するときは、座ったままでお尻を引きずりながら移動するような有様である。
このまま最後まで歩き続けられるのか心配になってくる。


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