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四国お遍路 22日目(11月19日)

お遍路ハウス大岐の浜 7:00 ~ 民宿田村 15:35
移動距離 : 21.6キロ
参拝札所 : 38金剛福寺
宿泊 : 民宿田村 1泊2食付き6500円 (喫煙ルームがとても快適な普通の民宿)
この日の写真へ(Googleフォト)


足摺岬に立つ

この日の朝食は、前日のカフェダイニングルーチェでお接待で貰った食パン。
中に何か挟んであるのかと思っていたが、何も無いただの食パン。
ジャムもおかずもなしで食パンだけを食べるのは、意外と難しいことを知った。


遍路道にもなっている大岐の浜

同宿の若者は午前6時頃に宿を出て行ったが、私たちはゆっくりと7時に宿を出る。
女将さんがすぐに追いかけてきて、おにぎりのお弁当を持たせてくれた。

その先の大岐の浜は、砂浜が遍路道になっているらしい。
入り口にあった喫茶店でそのことを確かめると、波打ち際が砂が固いのでそこを歩けば良いが今日は天気が悪くて波もあるので国道を歩いた方が良いと言われ、そのアドバイスに従う。

以布利港のじんべえ広場で一休み。
テント泊もできると聞いていたが、屋根付きの休憩所はその下にテントを張るのに十分なスペースがあった。


港では魚の水揚げ中

港では魚が水揚げされているところだったので見に行く。
サメとかタチウオとか、北海道では見られない魚ばかりで面白い。

北海道では港に漁船が入ってくるとカモメが群がってくるが、こちらではカモメではなくてトンビが集まってくる。
そういえば他の港でもカモメの姿は殆ど見かけなかった。

ここにはジンベエザメが飼育されている巨大な水槽がある。
その建物の掃除をしていた女性が中を見ても良いですよと言ってくれたので、ジンベエザメを見せてもらう。
巨大な水槽の中を悠々と泳ぐジンベエザメは、なかなかの迫力だった。


水槽の中を悠々と泳ぐジンベイザメ


雲水姿のお遍路さんがやってきて、ジンベエ広場のゴミを拾っている。
多分、何処かのお寺のお坊さんなのだろう。
お年寄りや若者、会社員からお坊さん、色々な人達が歩き遍路をしているのだ。


標識がなければ不安になりそうな遍路道

その先、遍路道は港の横から海岸へ降りるように矢印がついていた。
流木の落ち寄せられた海岸にも遍路道の看板があったが、台風の大波が打ち寄せてきたら流されてしまいそうな看板だった。
そこから今度は、海岸の岩場の上に遍路道が続いていた。

昔のお遍路さんは殆どこんな道ばかり歩いていたのだろう。
その苦労を少しだけ感じることができた気がする。

荒れた竹林の中を歩いていく。
遍路道を歩いていて時々現れる竹林は、北海道育ちの私たちのテンションを上げる存在だ。


荒れた竹林

ただ、管理の手の入っていない竹林はあまり良いものではない事が少しずつ分かってきた。
黒く変色した竹がそこら中に転がっている様子は、ちょっと残念である。

山道を出てきたところに「休憩処てまり」の看板がかかった小屋があった。
うどんやコーヒーがあるみたいだが、無人だったので、その軒先で一休みさせてもらう。

窪津漁港を過ぎたところのベンチで休憩、その次は津呂の遍路小屋で休憩。
休めそうな場所があれば確実に休みながら歩いていく。

津呂の遍路小屋はできれば泊まってみたかった施設である。
使わなくなったものを寄せ集めて作ったような掘っ立て小屋。
そんな雰囲気の建物だけれど、そこには歩き遍路に対する心遣いが方々に感じられる。
ここの管理をされている方も直ぐ近くに住んでいるようで、一晩をここで過ごせば楽しい思い出ができそうな遍路小屋だった。


ここの遍路小屋には泊まってみたかった



金剛福寺の境内

途中から足摺岬の遊歩道へと入っていく。
雨で濡れた坂道で滑り、思いっきり尻餅をついてしまった。
かみさんから「ここは滑るわよ」と言われていたのに、全くの不注意だった。

幸い、大したダメージは負わなかったけれど、山登りも含めて歩く旅の途中で転んで怪我をすることだけは絶対に避けなければならないのである。

天狗の鼻や展望台、足摺岬灯台など、遊歩道に沿って観光地を一回りし、最後に38番金剛福寺に午後2時に到着。
ここでまたY口さんに再会。
彼も近くの宿に泊まるみたいだ。


足摺岬に立つ


金剛福寺を出て宿に入る前に、海岸に下りて白山洞門を見に行く。
途中は足摺亜熱帯植物園にもなっている。
高知も南国の雰囲気が強かったけれど、ここ足摺岬はさらに暖かくて、まさに亜熱帯である。
これも近くを流れる黒潮の影響なのだろうか。


白山洞門

中華系観光客らしい女性が私を見て異常に興奮していた。
お遍路姿に感動したのだろうか?
手をバタバタさせて、連れの女性に向かって何か叫んでいる。
私と一緒に写真を撮りたがっている様子だったが、お遍路は見世物ではない。
「ノー」と冷たく言い放って通り過ぎた。

急な階段を一気に50mほど、海に向かって下っていく。
途中に白山神社本宮の鳥居があったが、その本宮は急な岩場をよじ登った岩峰の上にあるみたいだ。
危険なため、ここの鳥居から参拝するようにと書かれた看板が立っていたが、それが無かったとしても、そこを登る気にはなれない様な岩場が目の前に立ちはだかっていた。

白山洞門は岩が波によって削られた海蝕洞である。
ここにも中華系観光客が群がっていたので、そこを通り過ぎてその先の玉石の海岸で一休みする。
パラパラと雨さえ降ってこなければ、暫くはここで佇んでいたくなるような良い眺めの場所だった。


白山洞門のある海岸も良い眺めだ


団体客がいなくなってからゆっくりと白山洞門を楽しんでから今日の宿である民宿田村へと向かう。
4日ぶりの食事付きの宿で、明日からの行程も既に決まっているし、ゆっくりと過ごすことができる。
それに、今日の宿も客室は禁煙だけれど、喫煙ルームは何故か客室よりも立派なソファー付きの部屋だったので、ここでもまったりと過ごせたのである。


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