北海道キャンプ場見聞録
四国お遍路 21日目(11月18日)
ペンションひらの 7:00 ~ お遍路ハウス大岐の浜 14:35
移動距離 : 22.5キロ
参拝札所 : 無し
宿泊 : お遍路ハウス大岐の浜 素泊まり2800円 (民宿に併設されたゲストハウス、リーズナブルな料金)
この日の写真へ(Googleフォト)
暗い四万十川、排気ガスのトンネル、そして雨
一昨日痛めた左足の甲が腫れていたので、テーピングで保護して靴下を履く。
午前7時、曇り空の下、オーナーに見送られペンションを後にする。
ここから四万十川を渡るには河口部の下田の渡しを利用するか、四万十大橋を渡るかの二つである。
私たちは、憧れの四万十川の少しでも上流部を見たかったので四万十大橋を選択。
暗いイメージしか残らなかった憧れの四万十川
しかし、少しくらい上流部に行ったくらいでは何の役にも立たず、清流のイメージは全くなし。
空も暗く、石狩川の下流部と大して変わりは無かった。
これならば、渡し舟に乗ったほうが面白かったかもしれない。
喫茶店でコーヒータイム
ペンションのオーナーから、その先に朝食を食べられる店が3軒あるからと言われていたが、営業していたのはレストラン大文字1軒だけ。
朝食は済ませていたけれど、せっかくなのでそこでコーヒーを飲んでいく。
足を痛めて一日に歩く距離を20キロ程度に短くしているので、時間的な余裕は十分にあるのだ。
この日の難所の伊豆田トンネルまでやってきた。
延長1620mのトンネルは交通量が多くてトンネル内の空気が悪いとのこと。
その対策としてペンションひらののオーナーさんがマスクを持たせてくれた。
このトンネルを通らなくても昔ながらの遍路道を歩くこともできる。
有志の方々が整備してくれて、最新版の遍路地図からこのルートが載るようになったばかり。
1時間くらいは余計にかかりそうな道なので、ここでは何も迷わずにトンネル道を選択したのである。
トンネルを抜けてホッとした
15分かけてトンネルを通り抜けたが、マスクがあってありがたかった。
トンネルを出ると雨が降り始めたので、その先の東屋で休憩する。
違う宿に泊まっていたY口さんが追いついていた。
私たちと同じくレストラン大文字で一休みしてきたとのこと。
そしてここの東屋の直ぐ近くにあるカフェダイニングルーチェにも入ってコーヒーを飲んでいたらしい。
そこで食事もできると聞いて、私達もそこで昼を食べることにした。
最近オープンしたばかりのガラス張りの洒落たカフェで、隣には昔ながらのドライブインといった雰囲気のドライブイン水車がある。
これではどう見てもドライブイン水車は分が悪そうだ。
かなり年季の入ったドライブイン水車
うどんを食べながら外を見ていると、次々とお遍路さんが歩いてくるのが見えた。
こんなに沢山、歩きお遍路さんを見るのは初めてかもしれない。
店を出るときに食パンとヤクルトをお接待で貰う。
土砂降りの雨に見舞われる
歩いていると突然雨が激しく降り始めた。
慌てて屋根付きのバス停に飛び込んで雨具を着ていると、Y口さんもびしょ濡れになってやってきた。
雨の中を歩いていると、ちょっとした拍子に傘の柄が折れてしまった。
今回のお遍路のために購入した軽量の傘。
値段は高かったのだけれど、軽量化のために強度が犠牲になっていたのだろう。
雨も小降りになってきたので、次のローソンまで歩いて折り畳み傘を新たに買う。
途中で見かけたお遍路さんがそのローソンに次々にやってくる。
Y口さん、若者、若い女性、中年のご夫婦。
若者は、私たちと同じ宿に泊まる予定で、Y口さんはその手前の民宿いさりび、ご夫婦は既にチェックインを済ませたのことで、ここの近くのロッジカメリアなのだろう。
若い女性はいつの間にかいなくなってしまった。
少し小降りになってきたが
再び歩き始めると、ローソンにいた若者が、反対側から歩いてきたお遍路さんと親しそうに話をしていた。
そのお遍路さんは何と、4日前に最後にあった眉毛の若者だったのである。
遍路道は金剛福寺を打った後、同じ道を途中まで打ち戻って次の札所に向かうようになっている。
眉毛の若者は、この打ち戻りの途中に私たちに会うかもしれないと考えていたとのこと。
次の札所への分かれ道まで後数百メートル。
ぎりぎりのタイミングで合えたことになる。
これが本当の最後になると思われるので、眉毛の若者は手作りの遍路カードを渡してくれた。
遍路同士の挨拶は名前を書いた納め札を交換するのが普通だけれど、この遍路カードもなかなか面白い。
ここで初めて、眉毛の若者の名前がK藤さんであることを知ったのである。
その時、車で通りかかったおばさんから「高橋さんですか?」と声をかけられた。
「何でこんなところで名前を呼ばれるのだろう?」と思ったら、今日泊まる民宿「大岐の浜」の女将さんだった。
夫婦で泊まることを告げていたので、お遍路姿で歩いている夫婦を見れば、直ぐに私たちだと分かったのだろう。
再び雨足が強くなる
荷物だけでも車に積みますよと言われたが、後4キロ程度なのでこのまま歩くことにする。
そうして、途中の無人販売所で1袋100円のミカンを買って、午後2時半に宿に到着。
大岐の浜では素泊りで予約していたのだが、素泊りだと「お遍路ハウス大岐の浜」での宿泊となる。
事前に調べておいた情報では、布団を使わずに寝袋で寝れば安く泊まれるとのことだったので、それで予約をしたら「今はそれは無くなってベッドで寝れます」との返事。
その時は意味が良く分からなかったのだが、民宿の隣に新たにゲストハウスを作っていたのである。
NPOが中心になって四国各県に11軒のゲストハウスを展開していて、その名称が「お遍路ハウス四国88」、ここ「お遍路ハウス大岐の浜」もその一つなのだ。
部屋は新しくて快適だけれど、一般的なゲストハウスと同じく部屋にテレビは無く室内は禁煙。
私は普段はタバコは吸わないのだけれど、歩き疲れた後の一服がとても美味しいので、お遍路中は普通にタバコを吸っていた。
禁煙と言われれば我慢はできるのだけれど、何となく窮屈に感じてしまう。
宿に着く頃になって雨が上がる
今日は予想外の大雨だったので、油断していたかみさんはザックの中のものまでびしょ濡れにしてしまった。
シュラフまで濡れてしまって、部屋の中にロープを張って濡れたものを乾かす。
ゲストハウスの方の宿泊者は、私達以外はコンビニで一緒になった若者だけだった。
彼はここにもう1泊し、明日はここに荷物を置いて足摺岬まで往復するとのこと。
この打ち戻り区間では、そうする人が多いみたいだ。
私たちは、当初の計画時からそんな方法は全く考えていなかった。
37番の岩本寺を打った後、足摺岬を回って打ち戻り、次の39番延光寺までどうやって回るかが、全行程中で一番迷っていた部分かもしれない。
それが、足を痛めたことにより、しばらくは歩く距離を1日20キロ程度にとどめようと考え、それでようやくその先の日程の見当が付いてきたのである。
ここで一気に3日後までの宿をまとめて予約することにした。
これで、宿に着いてから翌日の宿の手配をする煩わしさから少しだけ開放されそうだ。
22日目へ >