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四国お遍路 39日目(12月6日)

湯の里小町温泉しこくや 7:15 ~ ビジネス旅館小松 15:45
移動距離 : 23.6キロ
参拝札所 : 60横峰寺、61香園寺、62宝寿寺
宿泊 : ビジネス旅館小松 1泊2食付き5940円 (夕食は鍋、リーズナブルな宿)お勧め!
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歩く身体に変わってきた


出発しようと思ったら雨が降り始める

朝食に出てきた鯛茶漬けに感激する。

準備を整えて部屋を出ようとしていると、窓の外では雨が降り始めていた。
出鼻を挫かれたが、今日の天気は晴れのはずである。
雨が止むのを待って、7時15分に宿を出る。

今日は難所の60番横峰寺が待ち構えている。
標高750mに位置する横峰寺は、遍路3日目にしてチャレンジした最大の遍路ころがしである12番焼山寺に次ぐ難所と言えるだろう。

焼山寺の時は、まだ歩き始めたばかりで体力もあり、力任せに登った感じだった。
しかし現在は、ここまで歩き続けた疲労が確実に身体の中に蓄積されていた。


前方に迫ってくる山に気を引き締める

それでも、両足の親指にできたマメはそのまま固まり、歩く生活に身体も慣れてきている気がする。

妙谷川沿いに山に向かって歩いていく。
それがこれから自分達が登る山かどうかは分からないが、目の前に迫ってくる山塊に気持ちが引き締められる。

妙谷川の清らかな流れ、所々で色付くモミジを眺めながら、車道を軽快に登っていく。
その途中で、今回は私がトイレ危機に襲われた。
危機と言っても小の方なので、道路際で簡単に済ませる。

それに影響された訳じゃないだろうが、続けてかみさんを危機が襲う。
かみさんの方は、一人で山の中に入っていくしかなかった。


この山道でトイレ危機に襲われる


ところが、そんな苦労をしなくても、そこから200m程歩いたところに立派なトイレがあったのである。
最新版の遍路地図を持ってきたのに、ここのトイレは乗っていなかったのだ。


渓流沿いに登っていく

標高は300m。
いよいよここから車道を離れて山道へと入っていく。
ここに車を停めて登っている人もいるようだ。

妙谷川は既に細い沢に姿を変えていた。
時々橋を渡ったりしながら、その沢沿いに登っていく。

このルートは、雨が降って妙谷川の水量が増えると通行不能となることもある様だ。
確かに、この沢が増水した時の様子を想像するとちょっと恐ろしい。

しかし、今はとても美しい渓流と言った様相である。
そこを気持ち良く登っていく。

標高450m付近で沢は消え、傾斜は更に急になり修行の登りとなる。
かみさんはそこを猛スピードで登っていく。


横峰寺山門

まるで天狗が山を駆け上っていくようだ。
途中で追い抜かれた女性二人も、その早さに驚いていた。

そうして10時10分に横峰寺山門をくぐる。
ここで同宿だったK田さんに会う。
今朝はかなり早くに宿を出てきたようだ。

納経所では、歩き遍路だと分かるとお菓子をお接待してくれた。
ここまで苦労して登ってきたご褒美を貰えた気がして嬉しかった。

K田さんと一緒に、横峰寺の奥の院でもある星が森まで更に50m登る。
そこから見える石鎚山が素晴らしいと聞いていたのだが、残念ながら雲に隠れてその姿は見られなかった。

下りは途中で登り返しがあった。
50m程度の登り返しだけれど、体力を消耗している時の登り返しほど辛いものはない。
途中の休憩所を目指して歩いていたけれど、そこまで辿り着く前に途中のベンチで休憩して、そこで昼食にする。

その先で伐採跡に出てきた。
山の連なりが絶景である。


絶景を楽しむ



光園寺は全く寺らしくない

ひたすら山を下り、光園寺奥の院近くの東屋で休憩。
しかし、寒くてゆっくりと休んでもいられず、直ぐにまた歩き始める。

61番光園寺は、コンクリートのビルのような建物でビックリした。
お寺の建物が寺社建築である必要はないのだろうけれど、これではやっぱり風情を感じない。

次の62番宝寿寺は色々と問題のあるお寺らしい。
納経時間も他の札所が7時から17時までと統一されているのに、ここだけが朝8時からで、昼の12時から13時は昼休みにしているなど、独自路線を貫いている。

団体ツアーでは納経してもらえないこともあるらしい。
でも、これについては、参拝する前からツアー添乗員が納経所にどっさりと納経帳を持ち込む様子に違和感を感じていたので、正しい対応だと思う。
ただ、お寺そのものは小さくてパッとせず、88ヶ所の一つに含めている意味も無いような気がした。


宝寿寺へ向かう途中の風景

この後、郵便局で野宿装備を札幌に送り返す。
これから先にテント泊の予定は無かったし、四国といえども12月に入ると夏用シュラフでの野宿は厳しいのである。
テントにマット、一度しか使っていないタブレットなど、必要無さそうなものを箱に入るだけ詰め込む。
これだけでザックが一気に軽くなった。

午後3時45分、今日の宿であるビジネス旅館小松にチェックイン。
大した特徴のない古い宿だけれど、夕食が鍋で腹一杯肉を食べられたのが良かった。

明日のお昼をどうするか聞かれ、これまでの経験から昼のお弁当はお接待だと思ってお願いしたら、しっかりと500円を徴収されたのである。


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