北海道キャンプ場見聞録
四国お遍路 36日目(12月3日)
ビジネスホテルさくら 6:40 ~ 海のホテルマリーナシーガル 16:15
移動距離 : 34.1キロ
参拝札所 : 52太山寺、53円明寺
宿泊 : 海のホテルマリーナシーガル 素泊まり4320円 (建物の下がマリーナ、海の眺めが素晴らしく部屋も広い)お勧め!
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黙々と歩いて瀬戸内海へ
6時40分に宿を出発。
昨日は楽をしたので、今日はその埋め合わせとして30キロ以上歩かなければならない。
まずは10キロ先の52番太山寺を目指して一気に歩く。
散歩中のロバと犬
そのためには松山市内を通り抜けることになるのだが、これが川沿いの道で歩きやすいのが良かった。
川の水も結構綺麗で、その中で魚を狙うサギの姿などを楽しみながら、気持ち良く歩いていく。
途中でロバと犬を連れて散歩している女性に会う。
「ロ、ロバか!」
さすがに驚かされた。
ロバは人間には見向きもしないが、犬の方は私にとても懐いてくれる。
好きに戯れさせていたら、お遍路の白衣を泥だらけにされてしまった。
太山寺は、最初の山門を抜けてから本堂までがやたらに長い。
本堂は国宝に指定されているだけあって、さすがに立派である。
国宝に指定されている太山寺の本堂
その後、53番円明寺まで一気に歩く。
こちらの方は何の特徴もない札所だった。
栗井川の堤防にへたり込む
そうして8日ぶりに海に出てきた。
とうとう瀬戸内海まで歩いてきたのだ。
久しぶりの海を見て心も高ぶるが、太山寺を出てからもう2時間近く殆ど休まないで歩き続けているので、さすがに疲れてきていた。
休憩できそうな場所も全然見つからず、とうとう栗井川の堤防の上に座り込んで昼食を食べることにした。
でも、こんなことも歩き遍路らしくて、本人は結構楽しんでいるのである。
しかし、この後も辛い歩きが続く。
伊予北条を過ぎるまで見るものも無く、交通量が多く狭い歩道を延々と歩かされる。
歩道と言っても、道路側溝のコンクリート蓋の上を歩くようなものなのだ。
ようやく交通量の多い道から離れることができた。
団地の中に小さな公園を見つけ、そこのベンチに倒れ込むように腰掛ける。
ここまでで既に25キロ近く歩いてきている。
何時もならば、既に宿に着いていても良い距離なのに、今日はまだまだ歩かなければならない。
ミカン畑の中を歩く
そこから1キロほど歩いたところに鎌大師の休憩所があって、そこでもう一度休みをとる。
ここのことが分かっていれば無駄な休憩をしなくて済んだのだ。
その先の山越えでは途中にミカン畑が広がり、ようやく愛媛らしい風景に出会えた。
ただ、愛媛らしい風景とは私が勝手にイメージしているものなので、それが本当に愛媛らしいのかどうかは分からない。
山を降りて再び海沿いの道へと出てきた。
天気も良いので海を眺めながら一休みしたいところだ。
ただ、海側は垂直の道路擁壁なので休む場所がない。
その先に海に下りるコンクリートの階段があり、座って休むのにはちょうど良さそうだった。
岩の上のお堂に手を合わせる
しかしそこは、一人のお遍路さんに占領されていた。
そのお遍路さんは、昨日石手寺で見かけた格好良い若者だった。
彼と少し話をしてみたかったが、そのまま通り過ぎる。
私たちはもう少し先に岩場を見つけてそこで休憩する。
岩の上には小さなお堂が建てられていた。
今日の宿はそこから3キロ弱。
最後の力を振り絞って歩いていく。
菊間の街に入ってくると、瓦の製作所が軒を連ねていた。
厄除け大師遍照院の山門も、仁王像の代わりに巨大な鬼瓦が安置されていた。
ホテルの下はマリーナになっている
サークルKで買出ししてから海辺のホテルマリーナシーガルにチェックイン。
下がマリーナになっている変わった建物で、最初は何処から入れば良いのかも分からずウロウロしてしまう。
部屋はその建物の5階。
海の眺めが素晴らしかった。
夕方になるとヨットが帰ってきて、クレーンで吊り上げられ、この建物の下に収納される。
初めて見るものでなかなか面白い。
部屋は広く、ベッドも大きく、なかなか良い宿である。
窓から見える美しい夕日を楽しんでいると、私の姉から電話がかかってきた。
一人暮らしの母親が、部屋の中で転んで胸椎を圧迫骨折し病院へ入院したとの話だった。
少し経過を見てもらい、最悪の場合はお遍路を途中で切り上げて、北海道へ戻ることも考えなければならなくなるかもしれない。
部屋の窓から夕焼けを楽しむ
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