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四国お遍路 26日目(11月23日)

宿毛フレックスホテル 7:25 ~ 観自在寺宿坊 16:10
移動距離 : 23.0キロ
参拝札所 : 40観自在寺
宿泊 : 観自在寺宿坊 素泊まり4000円 (ビジネスホテルに泊まるよりも快適な素泊まり宿坊)お勧め!
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松尾峠を越えて伊予の国入り

7時25分に宿を出発。
今日は難所の松尾峠越えが待ち受けている。


坂道を登っていく

宿毛市内を抜けて山道へと入っていく。
「さあ、これから峠越えだぞ」と気合いを入れるが、暫く歩くと山道を降りて小さな集落に出てきてしまった。

「その先からが峠道なのか」と思って登っていくと、また次の集落へと出てしまう。
そんな風に三つくらいの集落を越えてから、ようやく松尾峠への本物の登りとなる。

無駄に汗をかかないようにゆっくりと登っていく。
汗をかかないペースが、そのまま疲れないペースになると思うのだ。

それでも標高差300mの急な登りはなかなかハードだ。
所々に石畳も現れ、ここが昔からの遍路道で有ることを感じさせる。

ちょうど良いところにベンチがあったので、そこで一休みする。
宿を出てからちょうど2時間経っていた。


ここに泊まるのは勇気が必要かも

そこから間もなくして松尾峠の頂上に到着。
そこには小さなお堂があって、中で宿泊も出来るらしい。
かんぬきのかかった古い扉を恐る恐る開けてみると、中には御大師さんの座像や地蔵が祀られ、床には薄汚れたゴザが敷かれていた。
ここに泊まるのは勇気がいりそうだが、壁と屋根があるので、必要に迫られれば泊まることは厭わないだろう。

峠からの展望を楽しみにしていたけれど、樹木に囲まれ何も見えない。
純友城址350mと書かれた看板が立っていたので、寄り道してみることにした。
するとそこには素晴らしい眺めの展望台が有った。

宿毛の市街地と宿毛湾が一望できる。
こんなに眺めの良い場所ならば、もっと分かりやすい看板を立てれば良いのにと思ってしまう。


展望台からは宿毛湾が一望できた


峠まで戻ってくると、中年のおじさんと若い女性の2人連れが登ってきた。
「この先に眺めの良い場所がありますよ」と教えてあげたが、疲れるからこのまま峠を下るという。
そのおじさんが、何故だか知らないが、やたらに高知人の悪口ばかり言うのである。


峠を越えて伊予の国へと入った

初対面の人間にいきなり人の悪口を言うなんて、性格の悪そうな人間である。
「それは高知人が悪いんじゃなくて、あんたがそうさせてるんじゃないの?」と言ってやりたかったが、無視して先に歩き始める。

峠を越えた先はもう愛媛県。
長かった土佐の国ともお別れして、いよいよ伊予の国へと入っていく。

峠を下りたトイレの横の休憩所で昼食にする。

その先の一本松町から40番札所の観自在寺までの遍路道は二つのルートがある。
国道を歩いた方が距離は短いが、県道の方が楽しそうなので私達はそちらに向かうことにした。

ローソンで買い物して出てくると、性格の悪い親父と若い女性の2人連れは国道の方へ向かって歩いていた。
多分親子なのだろう。
親父の方は無愛想なのに、娘さんの方はニコニコしながら挨拶してくれた。


愛媛県に入ると家の作りも変わってくる

愛媛県に入って、何となく風景が変わった気がする。
何が違っているのかは良く分からないが、家並みだけは明らかに違っていた。
板塀や板壁の家が多いのだ。
これは、台風常襲地である高知との違いなのだろうか。

上大道の休憩所で一休み。
ここの休憩所は宿泊も出来るらしく、寒い時は障がい者トイレの中で寝ても良いと書かれていた。

この様な休憩所には雑記帳も置かれているが、一つ一つの書き込みに対して管理している方が返事を書いているのは初めて見た。
歩き遍路に対する優しさが伝わってくるようだ。

そこにY口さんがやって来た。
私達が三原村に泊まっている間にもっと先まで行っていたはずなのでビックリした。


清潔に管理されている上大道の休憩所

ほぼ同時に女性のお遍路さんもやって来た。
先程の性格の違う親子連れを含めて、前日は皆同じ宿に泊まっていたらしい。

女性は11月3日から歩き始めたとのこと。
私達よりかなりペースが速い。
足摺岬まで私達が4日かけて歩いたところを2日で歩いたというので、相当健脚な女性なのだろう。

今日の宿泊は観自在寺の通夜堂を予定していたので、早く着きすぎても具合が悪い。
そこの休憩所で暫く休んでから歩き始めた。

美味しそうなミカンを売っている店の前を通り過ぎると、店のおばちゃんが声をかけてくれて、ミカン4個をお接待してくれた。
もしかしたら、余程食べたそうな顔でミカンを見ていたので、気の毒に思って分けてくれたのかもしれない。

僧都川沿いにも休憩所があったので、そこでまた一休みする。
ローソンで買い物してから、観自在寺へ向かうとちょうど良い時間になっていた。


観自在寺の山門に到着

参拝を済ませてから納経所で通夜堂での宿泊を申し込むと、先に男性が一人いるとのこと。
ここの通夜堂は、その日の宿泊者によって男性か女性の専用となるのである。
今日は先に男性がいるので男性専用と言うことだ。
多分、私達が先に申し込めば夫婦専用にしてくれたはずである。
ちょっとゆっくりし過ぎたみたいだ。

しかし、ここには素泊まりの宿坊があるので、こんな事態にも慌てなかった。
直ぐに宿坊泊に変更する。

1泊4000円で、共同で入る風呂は銭湯並に大きく、洗濯乾燥も無料。
共同で使える冷蔵庫や電子レンジもあるのが、私達にとっては大助かり。
下手なビジネスホテルに泊まるよりもずーっと快適である。

Y口さんは近くのビジネスホテル、女性と親子連れは同じ旅館に泊まっているはずである。
それがまた翌日に一緒になるのだから、旅は面白い。


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