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四国お遍路 29日目(11月26日)

へんろ宿もやい 6:55 ~ まつちや旅館 15:30
移動距離 : 24.0キロ
参拝札所 : 41龍光寺、42仏木寺、43明石寺
宿泊 : まつちや旅館 1泊2食付き6000円 (お遍路に優しい女将さん、料金も安く翌日のお弁当も作ってくれる)お勧め!
この日の写真へ(Googleフォト)


秋色深まる遍路道


山間で陽が当たらないので余計に寒く感じる

6時55分に宿を出る。
気温が低くて寒い。
暫くの間、山間の道を歩くので陽が当たらない。

風も吹いていて、雨具を来ていても寒いくらいだ。
空は晴れているけれど、雨具以外に上に着るものが無いのである。

三輪の街までやって来てようやく陽が当たってくる。
それでも気温は低く、ローソンに入って暖かいカフェラテで身体を温める。

今日は3日ぶりに札所がある。
高知県でも札所間の距離が長かったけれど、愛媛県に入ってもそれは変わらない。

宿毛市に泊まった後、ここまで3日で来る予定でいたが、実際は4日かかっていた。
これで当初の計画より3日遅れることとなったのである。


龍光寺は眺めの良い寺だ

まずは三輪の町外れにある41番龍光寺に参拝。
山門もないこぢんまりとした札所だが、小高い場所に有るので眺めは良い。

次の42番仏木寺までは、最初だけ山道を越えて1時間もかからない。
途中にコスモス畑が広がっていたが、既に茶色く枯れてしまっていた。
季節が確実に進んでいることを感じさせられる。

仏木寺ではモミジが真っ赤に色付き、更に秋の深まりを感じる。
仏木寺を出たところの東屋で休憩。
この先には標高480mの歯長峠越えが待ち構えている。


仏木寺の紅葉


それでも今日の行程はずーっと緩やかに登ってきているので、仏木寺で既に標高は200mくらいになっていた。
それに、最後の峠越え部分の遍路道は斜面崩落のため通行止めになっていたので、標高400m付近の歯長隧道を抜けることになり、それ程大変な登りでもない。


何故かこんな所に週間プレイボーイが

峠の休憩所で昼食にする。
東屋の中には週刊プレイボーイが1冊置かれていた。
「グラビア50年総まくり号」の特集で、表紙には懐かしいアグネスラムの写真が。

疲れている時に、しかも山の中で見るこの様な写真は、本当に心身ともに癒されることを知った。
サラリーマン転覆隊の川下りでも、常に悪書が持ち歩かれる理由が良く分かるのである。

ここで突然かみさんを襲うトイレ危機。
1日に1度は襲ってくる危機なので、もう慣れっこになっていた。
しかし、今回は大の方らしい。

ここで、通行止めになっている山道がかみさんを救った。
通行止めならば人も通らない。
通行止めの看板を超えて、その先へ入っていったかみさんは、暫くしてスッキリした顔で戻って来た。


山の中に人の暮らしの跡が残っていた

イノシシが掘り返した穴があったのでちょうど良かったとのこと。
長く遍路を続けていると逞しくなるものだと感心する。

峠を下りていくと、山の中に石垣が現れた。
そこに生えている杉の木の大きさから想像すると、多分昭和30年代くらいまでここで人が暮らしていたのだろう。

峠を下りた先の歯長地蔵の休憩所で一休み。

43番明石寺までは坂道を登っていく。
ここの紅葉も美しかった。
境内も落ち着いて良い雰囲気である。

そこから100mほど山道を下っていくと、宇和町卯之町の市街地に出てくる。
古い街並みが残っているのに驚いた。
宿に入る前に遠回りしてドラッグストアでビールを購入。


落ち着いた雰囲気の明石寺


午後3時半に今日の宿であるまつちや旅館に到着。
親切な女将さんだけれど、やれ風呂だ洗濯だと急かされてかみさんはご機嫌斜めだ。
お遍路さんを相手にしている宿では、風呂や洗濯は次に来る人のために早く済ませた方が良いと思うのだが、かみさんは納得できないようだ。
あげくは、乾燥機に入っていた洗濯物を勝手にたたまれたと怒っていた。


宇和町卯之町の古い街並み

夕食の時に女将さんがこの街の四つの自慢を教えてくれた。
日本初の女医となったシーボルトの娘、旧宇和町小学校の109mの廊下を利用したぞうきん掛けレース、四国最古の小学校である開明学校、名水百選にも選ばれている観音水、だそうである。
それでここが歴史のある街であることを初めて知る。
旅に出る前に訪れる土地の歴史などを調べる余裕がもう少しあれば、もっと充実した旅を楽しめたかもしれない。

食事を済ませた後、遅れて到着した先達さんが午後7時過ぎくらいに突然部屋にやってきて、マッサージのお接待をさせて下さいと言うのでビックリした。
断ることも出来ないのでお願いしたら、私の足を30分くらいかけて念入りにマッサージしてくれた。
それにしても色々なお接待の形があるものだと感心してしまう。


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