トップページ > その他 > 四国お遍路 > 伊予の国(愛媛県) 

四国お遍路 33日目(11月30日)

ガーデンタイム 7:05 ~ ガーデンタイム 15:50
移動距離 : 25.6キロ
参拝札所 : 45岩屋寺
宿泊 : ガーデンタイム 素泊まり4000円 
この日の写真へ(Googleフォト)


パワースポット岩屋寺

伊予の国に入ってから毎日のように峠越えを繰り返し、いよいよ今日は45番岩屋寺である。
ここへの登りもかなり険しい道らしい。
ただ、今日も同じ宿にもう1泊する予定なので、背負う荷物も最小限で済むのが嬉しかった。


これから山道へと入っていく

7時5分に宿を出て、まずはサンクスで買い物を済ませる。
舗装道路から離れて最初の山道に入ったところで、健脚おばさんに再会した。
5日前の11月25日、宇和島市へ向かう途中に別れて以来である。
昨日岩本寺に参拝して、今日は次の札所へ向かう途中らしい。

再会を喜び合ったが、1日に私達の倍の距離を歩けるような方なので、この5日間で1日分の行程しか離されていないのは意外だった。
でも、泊まれる場所も限られているので、体力通りに進めないこともあるのが歩き遍路なのだろう。

久万高原へんろ小屋で一休みしてから、峠御堂トンネルを抜ける。
ここは歩道のないトンネルなので、安全のために蛍光たすきとペンライトのようなものがが用意されている。
数が少ないなと思っていたら、出口の方には沢山溜まっていた。
一応は左右に置かれているのだけれど、大体は皆右側通行するのでこうなるのである。


里へと下りてくる、ここでお侍遍路さんと再会

トンネルを抜けた先は70m程下っていく。
今日は岩屋寺まで登りが続くイメージだったので、ここでの下りはあまり嬉しくはなかった。
下った分はその分登り返さなければならないのだ。

下ってきたところの河合休憩所で侍風のお遍路さんに再会した。
彼と会うのはこれが3回目。
前回会った、と言うか目撃したのは11月20日、土佐清水市内のスーパーで所在なげに座っていたのである。
その不思議な姿と風貌に、何となく声をかけづらくて、話しをするのが今日が初めてだった。

彼は12回目の遍路で、今回は野宿場所の調査をしながら歩いているとのこと。
前に見た時はサンダル履きだったが、途中で靴を貰ったとかで、今日は靴履きである。
話しをしても、やっぱり不思議な人であることに変わりは無かった。

彼の話では岩屋寺の遍路道はかなり険しいらしい。
杖は2本有った方が良いから、自分の持っている竹の杖をあげると言ってくれたが、それは丁重にお断りして先へと進んだ。


意外とあっさりと八丁坂を登りきってしまった

私達の前の方を歩いているお遍路さんの姿が見えるが、なかなか追い付けない。
重たい荷物を背負っていないので、私達は何時もよりかなり速いペースで歩いているのに、それでも追い付けないのだ。

少し下った後に、いよいよ八丁坂と呼ばれる最大の難所が始まる。
急な坂道も、重たい荷物を背負っていなければ、軽やかに登る事ができる。
途中でようやく、前を登るお遍路さんに追い付いたが、同宿の男性だった。

150mほど登ったところの休憩所で再び一緒になる。
お遍路さん同士の名刺交換のようなもので、納め札を交換する。
色々と話しをしていて、これが初対面ではなさそうな気がしてきた。


小さな童子の石仏が山道沿いにひっそりと立っている

ガンを克服して遍路をしているとの話しを聞いて、お遍路中に同じ話を聞いたことを思いだしたのだ。
しかし、私もかみさんも、それが何時の話しで何処で合った時のことかまでは思い出せなかった。

先に私達が歩き始める。
その先も急な登りがあるのかと思っていたが、多少のアップダウンがあった後、道は下り坂となる。
厳しい登りを想像していたので、これは完全に拍子抜けだった。

坂を下っていくと、小さな童子の石仏、巨大な杉、見上げるような岩壁、その岩壁に張り付くように造られた祠の中の真っ赤な不動明王、二つに分かれた岩壁の逼割行場が次々に現れる。
一体ここは何なんだろう?
その霊気が漂うな神秘的雰囲気に圧倒される。


岩壁に張り付くように建てられた祠の中に不動明王が祀られていた



岩壁に穿たれた洞窟

そこから更に下ったところで岩屋寺の仁王門が出迎えてくれた。
私達が降りてきたところは岩屋寺の奥の院でもある三十六童子行場と白山行場であったらしい。
私達は岩屋寺の裏側からやって来たことになるのだが、仁王門があることから、昔はこの道が岩屋寺への表参道だったのかもしれない。

本堂や大師堂を取り囲むように聳える岩壁に圧倒される。
その岩壁の途中にある洞窟まで梯子で登ってみる。
足がすくんでしまうが、更にその上にも洞窟があり、そこまでどうやって登っていたのか想像も付かない。

岩屋寺から降りていくのにも急な坂道と階段が続く。
そこを登ってくる中国人の団体客とすれ違った。
一緒にならずに良かったとホッとする。


川原で昼食

美しい渓流沿いに国民宿舎古岩屋荘まで歩く。
そこの休憩所で昼食にしようと思っていたが、トイレの隣であまり良い場所ではなかったので、川原に降りてそこで昼食にする。
自然の中で食べるおにぎりがとても美味しく感じる。

その先の山道も凄い所だった。
この辺り一帯が古岩屋と呼ばれている場所らしい。
見上げるような岩峰が連なり、その岩壁の中に不動明王の像が立っていたりする。

せり出すような岩壁の下にテントが一つ張られていた。
テントの上に目印のように菅笠が置かれていたので、多分歩きお遍路さんなのだろう。
もしかしたら、例のお侍お遍路さんが張ったテントなのかもしれない。


岩壁の洞窟には不動明王の姿が


そこから更に100m程登って、八丁坂への分岐まで戻って来た。
霧雨が降り始める。


かかしの里に寄り道するが空振りに終わる

河合の集落で見た「かかしの里」の看板が気になっていたので、ちょっと寄り道することにした。
遍路道とは違う方向に歩いていたので、車で通りかかったおばさんが「この道は遍路道じゃないですよ」とわざわざ教えてくれた。
久万農業公園まで歩いてみたけれど、かかしの姿はあまり見られなくて期待外れだった。

峠御堂トンネルを抜けた先の休憩所で、同宿のおじさんと会う。
古岩屋荘の食堂で中国人の団体と一緒になったとのこと。
そこで話しを聞いたところ、中国で密教を広げようと考えている真面目な団体らしい。

久万町まで戻って来て、道の駅に寄り道。
昨日と同じ生協のスーパーで夕食などの買い出しをし、宿に戻る頃には既に午後4時近くになっていた。
今日も結局、歩き疲れた一日だった。


34日目へ >  

ページトップへ