北海道キャンプ場見聞録
釧路川
カヌーで下ってみたい北海道の川は何処ですか?と聞くと、釧路川と答える人が一番多いのは間違いないだろう。 カナディアンカヌーの商業ツアーも多く、付近の道路を走っていてもカナディアンを乗せて走っている車を常に見かけるし、その人気の高さを実感できる。 素晴らしい清流を楽しめる上流部、釧路湿原の中を蕩々と流れる下流部、カナディアンカヌーが一番似合う川である。 |
上流部(屈斜路湖~摩周大橋) (難易度:3 清流度:5)
釧路川は屈斜路湖から直接流れ出すのが特徴の一つでもある。
そこにかかる眺湖橋のたもとには駐車スペースも有り、ちょうど良いスタート場所になっている。ここから600mほど離れたコタン温泉も、トイレもあってスタート地点にするのに適している。
湖から流れ出してしばらくは、天気が良ければ川底の小石がキラキラと光り、まるでその上にに浮かんでいるような感覚を楽しめる。
途中、川が大きく左へ曲がるところの右岸には鏡の間と呼ばれる、湧き水が流れ出しているところがある。商業ツアーでは、ここの湧き水でコーヒーを入れていくれるサービスもあるようだ。
その先の美登里橋上流右岸には小さな川原があり、上陸して休憩可能だ。この先、摩周大橋までは上陸できそうな川原はほとんど無い。
川は蛇行を繰り返し、倒木も多く、まるでジャングルクルーズの様である。川の流れはそれほど速くないけれど、流水初心者では避けきれないような倒木も沢山待ち構えている。川下り経験が少ない人が単独でチャレンジできるような区間ではないことを、知っておいて欲しい。
美留和橋に近づくと川が改修された直線区間があり、その一部が瀬になっている。真っ直ぐに下れば問題のない瀬だが、端に寄りすぎると川底のブロックに引っ掛かるので注意したい。
美留和橋の下流左岸に上陸できるが、流れがあるので初心者は岸に付けるのにちょっと苦労するかもしれない。
この先摩周大橋まで、河畔林に囲まれて見通しの利かない中をひたすら蛇行を繰り返しながら川は流れている。景色も単調で、時間もかかるため、一般的なツアーは美留和橋でゴールとなるものが多い。
ただ、釧路川らしさを味わえるのがここから先の区間なので、時間があれば是非下ったみたいところである。
川幅も広がって上流部よりは下りやすくなるけれど、難所の通称土壁が待ち構えているのが問題である。
流れの速い瀬と急カーブ、倒木などが絡まって、ある程度の経験者でもドキッとさせられる。できれば上級者のサポートが欲しいところだ。
摩周大橋は、その下流右岸左岸、どちらでも上陸可能である。
屈斜路湖から摩周大橋まで約4時間半、美留和橋までならゆっくり下って2時間半程度だろうか。
川の水位情報:弟子屈観測所
川下り日記:2000/8(屈斜路湖~美留和橋) 2003/6(屈斜路湖~美留和橋) 2005/9(屈斜路湖~摩周大橋) 2008/8(屈斜路湖~美留和橋) 2009/9(屈斜路湖~美留和橋) 2012/10(屈斜路湖から美留和橋) 2014/10(屈斜路湖~カフェCOVO裏) 2015/6(屈斜路湖~美留和橋) 2017/8(屈斜路湖~美留和橋) 2018/4(屈斜路湖~岩保木水門) 2020/10(屈斜路湖~美留和橋) 2021/07(屈斜路湖~摩周大橋)
川下り動画:2017/08(上流部の様子)、2018/04(100キロマラソンスタート)、2020/10(倒木の様子)、2021/07(源流部3箇所の瀬)
緑色に染まりそうな夏の源流部
眺湖橋の下を抜けて釧路川に漕ぎ出す
釧路川にはこんな姿が良く似合う
こんな風景の中をずーっと漕ぎ続けたくなる
鏡の間で一休み
手鏡の間とも呼ばれる場所
水位が下がるとここまで歩くことになる
こんな障害物も頻繁に現れる
透明な水を通して川底の様子がはっきりわかる
こちらは川の水がブルーに染まって見える
のんびりとした川下りが続く
ショートカットの瀬を下る
下流部(南弟子屈~岩保木) (難易度:2 清流度:3)
摩周大橋からそのまま下り続けることも可能だが、弟子屈市街地部分は川も荒れているようなので、ここでは釧路川100キロカヌーマラソンの再スタート地点となった南弟子屈から下流を紹介している。
南弟子屈からは、初心者だと沈する恐れのある瀬も時々現れるが、標茶の街を過ぎるとそんな瀬は無くなる。
そして国道の五十石橋を過ぎると、釧路川はいよいよ湿原の中へと入ってく。
川幅が広くて障害物も少なく、流れもゆったりとしているので川下り初心者でも下ることが可能だ。
商業ツアーでは、細岡カヌーポートからスタートして旧岩保木水門まで下るのも人気コースとなっているが、塘路湖から細岡まではJRを利用できるので、単独での川下りが楽しめる。
そして、塘路湖の元村キャンプ場から直接漕ぎ出すことができるのも嬉しいところだ。
塘路湖をスタートし、国道とJRの橋の下をくぐって、アレキナイ川へと入る。この川は幅数メートルで、流れもほとんど無く、下るのに全く問題は無い。
ただ、そこから釧路川本流へと合流する時は、緊張を強いられるだろう。流れは緩くても、大河の水の流れには圧倒的な迫力を感じてしまう。
一度、本流に乗ってしまえば、後は流れにまかせて漕ぎ下るだけである。距離にして10キロ弱、2時間程度の川下りを楽しんで細岡のカヌーポートに到着する。
岩保木水門より下流は、人工的な改修区間となってしまうので、一般的な川下りは岩保木水門までとなる。
釧路川では真冬の川下りもお勧めである。
スガワラか二本松辺りからスタートして細岡まで下るのが良いが、細岡付近が全面結氷していることもあるので、そんな時は途中からアレキナイ川を遡って塘路橋の下で上陸することもできる。
川の水位情報:弟子屈観測所、標茶観測所
川下り日記:1992/7(塘路湖~細岡) 2000/8(塘路湖~細岡) 2011/1(二本松橋上流~細岡) 2012/2(すがわら~アレキナイ川) 2021/07(塘路湖~岩保木水門)
冬の冷え込んだ朝の風景が素晴らしい
防寒対策は万全に
樹氷に包まれる木々
比較的暖かかった時の冬の釧路川
川の上から眺めるSLも良いものだ
二本松付近
五十石付近
細岡付近は大河の様相だ
親子3人と犬一匹で下っていた頃の懐かしい写真