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釧路川源流

(屈斜路湖〜美留和橋)

 カヌークラブのサダ吉さん夫婦が釧路川源流部を下ると言うので、夏休みで滞在中の実家から日帰りで駆けつけることにした。
 実家のある清水町から屈斜路湖まで片道約200km、道路も走りやすいので日帰りするのもそれほど苦にはならない。
 朝6時に実家を出て快調に車を走らせ、○時間半ほどで現地に到着。一緒に下るのはサダ吉&きらerさん夫婦のほかに、本州から北海道に遊びに来ているKevipa&ミエさんご夫婦とS藤さんご夫婦。
 弟子屈からサダ吉さんに電話を入れると、現在釧路川の「鏡の間」で朝食を食べているところだと言う。
 そのままスタート予定地点のコタンへと向かうと、程無くしてKevipa&ミエさんが到着。Kevipaさん達も既に1本漕ぎ終えたところだと言う。
 朝飯前の一漕ぎは、湖では何時もやっているけれど、さすがに川では未経験である。それができるのもここ釧路川源流部ならではなのだろう。
 サダ吉さん、S藤さんたちも戻ってきたので、出艇準備を始める。
 その間もツアーの人達が次々と釧路川を下っていく。道路を走っていてもカナディアンカヌーを2艇積みしたような車を普通に見かける。
 カナディアンカヌーは湖で乗るものと考えている人がまだまだ多いけれど、釧路川のこんな様子を見るとちょっと嬉しくなってしまった。

青空が美しい屈斜路湖 まずは屈斜路湖にカヌーを浮かべる。
 真っ青な空が気持ち良い。
 付近一帯は浅瀬になっていて、透明な水を通して湖底の小石がくっきりと見えている。
 この澄んだ水がそのまま釧路川の源流となるのだ。
 屈斜路湖の水が一箇所に集まって眺湖橋の下をくぐり、釧路川となって流れ始める。
 その水の流れにカヌーを任せる。
 橋をくぐると直ぐに、両岸から張り出した沢山の倒木が待ち受けている。
 初めてここを下った時はその倒木が悪魔の触手のように見えたものだけれど、今はそれも釧路川源流部の風景として楽しめるようになった。

眺湖橋   川下りスタート
まずは眺湖橋をくぐって   釧路川下りの始まり

川底がくっきりと見える 太陽の光が川の中まで射し込み、川底の小石を照らし出す。
 以前に何処かで、釧路川源流部を下った感想として「まるで空中を飛んでいるような」と書かれているものを読んだことがあった。
 それ以来、私の頭の中にはそんな釧路川源流部のイメージが出来上がっていたのだけれど、これまでにここを3回下った中では、一度もそのイメージを実感することができずにいた。
 倒木を避けるのに忙しかったり、川の水が濁っていたり、クラブの例会で大人数で下ったりと、その理由は様々だ。
 でも、今回初めて空中に漂うような浮遊感を味わうことができたのである。
 キラキラと輝く小石が敷き詰められたような川底、そこに影を写して滑るように流れていくカヌー。
 これこそが私の憧れていたとおりの釧路川源流部の姿だった。
 かみさんも感激して、川底の風景を眺めている。
 サダ吉艇のバウを漕ぐきらerさんは、結局最後まで殆ど漕ぐこと無く、川の中を覗き込んだまま川を下っていたようである。

美しい釧路川

 

美しい釧路川

川底に魅せられるかみさん   きらerさんはずーっとこの体勢

鏡の間 間もなく「鏡の間」と呼ばれる場所に到着。
 あちらこちらから湧き水が流れ出していて、付近一帯はひんやりとした空気に包まれている。
 私もここの湧き水でコーヒーを入れて朝食を食べるような贅沢な時間を過ごしてみたいものだ。
 S藤さんの話では、以前はクレソンがびっしりと茂っていたのが、現在はかなり減ってきているとのことである。
 むしゃむしゃと大量に食べるようなものではないけれど、ここへ立ち寄った人が少しずつ採取しているうちに次第に数を減らしているのかもしれない。
 他のメンバーは、今日2回目の釧路川である。
 最初は「同じ場所を2回も下って面白いの?」なんて余計な心配をしていたけれど、これならば3回、4回と下ったとしても飽きることは無いだろう。
 のんびりと流されながらみどり橋に到着。
 ここの川原に上陸して昼食にする。
 屈斜路湖からみどり橋までは約2km弱、単独で下ったとしても楽に歩いて戻れる距離なので、今度屈斜路湖でキャンプをする機会があれば我が家でも朝飯前の川下りをやってみたいものだ。

緑に包まれる川   みどり橋
緑色に染まる川面   みどり橋を出発

枝をくぐって 腹ごしらえを終えて再び川にカヌーを浮かべる。
 相変わらず流れに任せて下るだけで、パドルを操作するのは倒木を避ける時くらいだ。
 それにしても、以前にも増して倒木が増えているような気がする。
 倒木と言うよりも、岸辺の樹木が川を覆うように枝を張り出してきているのだ。
 そんな木々を避けたり潜ったり、まるでジャングルクルーズみたいで楽しくなってくる。
 流れもそれほど急ではないので、慌てさえしなければそれほど危険でもない。
 そんな倒木地帯を抜け出すと、川岸が葦原に変わってきた。
 周りの見通しも効くようになり、上空に広がる青空が心地よい。
 何だか千歳市近郊を流れる美々川の風景にとても良く似ている気がする。
 しかし、美々川と大きく違っているのは流れる水の透明度である。
 湿原の中を流れる川は茶褐色に濁ってしまうものだけれど、釧路川もまだこの辺りでは屈斜路湖から流れ出たままの透明度を保っているのだ。

美々川のような風景
まるで美々川のような風景だ

川の中央を塞ぐ倒木   水中の倒木
川の中央を塞ぐ倒木   水中の倒木も透けて見える

 途中、先頭で下っているとアブの集中攻撃を受けた。
 それまでは風が少し強めに吹いていたせいか、ほとんど虫はいなかったのに、風が止むと突然のように湧いてきた感じである。
 そのアブが先頭でやって来た人間に集中して襲いかかってくるのだ。たまらずに先頭を、虫除けネットを被っていたS藤さん艇に変わってもらう。
 かみさんも虫除けネットを貸してもらって頭から被った。今時期に釧路川を下るのなら、虫除けネットは準備しておいた方が良さそうである。
立ったまま瀬を下る 今日のゴール地点である美留和橋に近づくと、この区間唯一の瀬が現れる。
 地形図でみると、それまで蛇行していた川が、この付近だけ不自然に真っ直ぐになっているのが分かる。
 本来の釧路川には瀬は無かったはずなのに、こうして人工的に流れを変えると高低差ができて瀬になってしまうのだ。
 自然が壊され両岸をコンクリートブロックに固められた場所だけれど、そんなことは気にしないで瀬の流れを楽しむ。
 S藤さん艇は二人とも立ったままで瀬を下っている。そんな姿にカメラを向けていたら、こちらは危うくコンクリート護岸に衝突するところだった。

美留和橋下の瀬美留和橋までの最後の直線区間、パドル操作は舵取りだけ。時間を気にせず、川の流れのままに下っていく。
そして美留和橋の下のちょっとした瀬を越えて、釧路川の川下りは終了。
最初から最後まで川の流れに合わせての今回の川下り、釧路川を満喫するにはこれくらいのんびりと下るのがちょうど良いのかもしれない。
皆と別れの挨拶をして、再び200kmの道のりを清水町へと向かった。
清水町からなら日帰りで遊びに来られるけれど、札幌からでは遥か彼方の釧路川である。

2008年8月11日晴れ



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