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釧路川

(屈斜路湖〜カフェCOVO裏)

別海でフルマラソンを走った翌日に釧路川源流部のダウンリバー。
kenjiさん家に誘われた時は「そんな体力残っているのか?」と心配していたけれど、一晩寝ると身体も何とか回復していた。
前の晩は歩くのもままならなかった膝の痛みも、朝にはほとんど感じなくなっていた。
まあ、足が動かなくてもカヌーに乗るのに支障はない。
もしも身体が動かなかったとしても、流れのある川ならば何もしなくてもカヌーは流れていくのである。

屈斜路湖から釧路川へ平日なので眺湖橋のスタート地点も閑散としているだろうと思っていたが、SOMOKUYAさんのツアーと和琴のキャンプ場で隣にテントを張っていたシーカヤックの方が出艇準備中だった。
キャンプ場で隣同士だったシーカヤックのグループは、朝方に3艇が湖に漕ぎ出していき、一人だけが残っていた。
その一人が源流部の方に来ていたので、ソロで釧路川を下るのかと思ったら、先に漕ぎ出していった3艇とここで合流してから一緒に川を下るらしい。

私たちが湖にカヌーを浮かべる頃、遠くの湖面に3艇のシーカヤックの姿がポツンと見えていた。
その3艇は湖の中島まで行っていたとの事で、シーカヤックの足の速さに感心してしまう。

澄み切った屈斜路湖の水が眺湖橋の下を通り過ぎると、釧路川と名前が変わる。
kenjiさんの話によると、大雨が降って川の様子もかなり変わったとの事である。
一番最近で私たちが源流部を下ったのは2年前。
記憶も薄れてきているので、変わったと言われてもその変化がピンとこない。
釧路川の川下りただ、カヌーが座礁するような浅瀬は無かった気がする。
今年は支笏湖でも大雨が降り、その影響で湖の色が変わったと聞いている。
本来は変わるはずのない物までが変わってしまうような今年の天気は、やっぱり異常気象としか言い様がない。

天気は曇り。
できることなら、昨日の青空は今日まで取っておいて欲しかった。
源流部の澄んだ水を満喫するためには、太陽の光は欠かせないのである。
日差しを受けてキラキラと輝く川底の小石。
カヌーは、まるでその上に浮かんでいるかのように流れていく。
私が源流部を下るときに一番楽しみにしているのが、そんなシーンなのである。

河畔の木々は色づき始めているけれど、紅葉の見ごろを迎えるのは1週間から10日後くらいといった様子だ。
それでも、一足早く色づいたヤマブドウやミズナラが時々現れ、そのたびに歓声を上げる。


釧路川の川下り   釧路川の川下り
コロちゃんを乗せて下るkenjiさん   のんびりと景色を眺めるkenjiの姫さん

あっという間に鏡の間まで下ってきた。
本流の水の透明度も素晴らしいけれど、湧き水がこんこんと湧き出るこの場所の透明度は息を呑むばかりである。
そんな水の中を、大きな魚がカヌーに驚くこともなくゆったりと泳いでる。
いつも感じることだけれど、釧路川の中でここだけが違う時間が流れているような気がする。


釧路川鏡の間
釧路川鏡の間

釧路川鏡の間   釧路川鏡の間
鏡の間の透明度は素晴らしい   鏡の間に流れる時間を楽しむ

後ろ髪を引かれながら鏡の間を後にする。
蛇行する川を曲がる度に景色が変わる。
この次にはどんな風景が現れるのだろうと、ワクワクしながらカーブを曲がっていく。


釧路川の川下り
釧路川にはカナディアンがよく似合う

釧路川の川下り   釧路川の川下り
この先にはどんな風景が広がるのか   晴れていれば川底がもっと綺麗なのだが

美登里橋で休憩その後、美登里橋の川原で小休止。
ここから下流では、河畔の木々もシラカバやヤチダモが多くなり、紅葉の風景としてはちょっと寂しくなる。
それでも所々で赤や黄色に色付いた木々が、私達を楽しませてくれる

川を塞ぐ様な倒木が次から次へと姿を現すが、カナディアンのツアーが頻繁に行われている川なので、行く手を完全に遮られることはない。
同じような風景が続く中で、そんな倒木はちょっとした刺激を与えてくれる。

後ろから人の話し声が聞こえてくると思ったら、シーカヤックのグループが遠くに見えてきていた。
私たちも途中でそんなに長く休んでいたわけでもないのに、さすがにシーカヤックのスピードは速い。
そもそも、釧路川はシーカヤックで下るような川ではない。
そこを下って来るのだから、普通の人でないことは確かである。
知床で遊ぶ予定だったのが、天気が悪くてこちらにやって来たとの話を聞いていたので、その風貌や外観から「何処かでガイドをやっている人たちだろう」とか「シーカヤックで日本一周をしている人ではないか」と勝手な想像をめぐらせていた。


釧路川の川下り   釧路川の川下り
こんな倒木もちょっとしたアクセント   美しい黄葉発見

釧路川の川下り
釧路川らしい風景だ

釧路川の川下り   釧路川の川下り

川底の状態で水の色も変わって見える

  川底に沈んでいる倒木も風景の一つ

釧路川の瀬を下る前方から瀬の音が聞こえてきたことで、美留和橋が近いことを知る。
源流部の唯一の瀬である。
ここから先2キロ近くの区間は、川が直線に河川改修されていて、その改修で生じた高低差が瀬となっているのである。
難しい瀬ではないけれど、瀬の波の下には床止めブロックが隠れていると思うと、下っていてもあまり良い気持ちはしない。

普通はこの先の美留和橋で上陸するところだが、今回はもっと下流にあるレストランCOVOで上陸することになっていた。
そこで上がってCOVOで昼食にすると言うkenjiさんの提案に、一番喜んだのはかみさんだった。
2年前にもかみさんと二人でこの店に入ったことがあった。
しかしその時は、連休中で店内も大混雑。時間も無くて、注文したスパゲティが出てくる前に店を出るしかなかったのである。

退屈な直線区間美留和橋から先も直線改修区間が続く。
その単調さにうんざりするけれど、川底のバイカモが救いだった。
源流部では見かけなかったバイカモが、何故かこの直線区間には沢山生えているのである。
天気が良くてバイカモの花が咲く頃には、ここを下るのも楽しいかもしれない。

その直線区間が終わり、最初のカーブを曲がったところがカフェCOVOの建物の裏になる。
上陸するときに泥に足が埋まるけれど、そこの水場で靴を洗えるのがありがたい。

シーカヤックグループもそこで上陸してきた。
COVOで食事をしながら話を聞いたところ、源流部に一人でいた方は塩谷でシーカヤックのツアーをしているブルーホリックの嘉藤さんだった。
そして他の3人は元従業員とのこと。やっぱりって感じである。

カフェCOVOの裏に上陸その後は、直ぐ隣にあるガイドステーションわっかへ立ち寄る。
こちらはkenjiさんの知り合いとのこと。
釧路川周辺には、ご夫婦でカヌーガイドや民宿経営をやっている人たちが沢山いる。
それだけ釧路川は魅力的なフィールドということなのだろう。

札幌からは少し遠いのが難点だけれど、年に一度は下りたい釧路川である。

2014年10月6日 曇り 
当日12:00釧路水位(弟子屈観測所) 99.99m 


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