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釧路川

(屈斜路湖〜美留和橋)

道東キャンプ旅行の中で、知床紅葉ウォークと斜里岳登山の2大イベントの間に挟まれ、取って付けたような釧路川の川下り。
旅行の計画を立てている時に、せっかく道東に行くのだから釧路川も下っておこうと安易に考えて予定に組み込んだので、ちょっと無理があったかもしれない。
眺湖橋をくぐるちょっとしたトラブルがあったりして、屈斜路湖の湖面にカヌーを浮かべた時は既に午後1時45分になっていた。
日の長い季節ならば、午後の陽射しを浴びながらの川下りが楽しめる時間帯だけれど、今の季節は午後5時前には日も沈んでしまうのだ。

天気の良い3連休の中日。
午前中に通りかかった時は、湖面を埋め尽くすくらいに沢山のカヌーが浮かんで、とても賑やかだった。
それが今は、中年夫婦を乗せたツアーらしいカナディアンが1艇、出発の準備をしているだけで、閑散としていた。
付近は既に日も陰ってしまい、余計に寒々とした雰囲気である。

透明な水眺湖橋の下をくぐって、釧路川の源流部へと漕ぎ入れる。
水の透明度は申し分なく、ただ、水量は少なめの様だ。
所々でカヌーの底を擦ってしまうようなところもある。
15分ほどで、鏡の間と呼ばれるポイントに到着。そこで、コンビニで買ってきたおにぎりで遅い昼食とする。
本来の昼食は釧路川の河畔にある「COVO」で食べる予定だったのが、混雑していて注文したスパゲティがなかなか出てこなくて、途中で店を出てきてしまった。
これもスタートが遅れた一因だったのである。


釧路川鏡の間   釧路川鏡の間
鏡の間に到着   湧き水が渾々と湧き出ている

みどり橋を通過い付いてきたカナディアンのツアーの後を追って鏡の間から漕ぎ出した。
今回は、川下りを終えた後は走ってスタート地点まで戻ってくることにしていたので、どこで上陸するかは好きなように決めることができる。
時間が遅かったので、最初はみどり橋までのショートコースにしようと考えていた。
でも、これまで下った中でも一番の様な水の透明度にすっかり魅せられてしまって、この後の予定が少しくらい遅くなっても構わないとの気持ちが大きくなり、結局は美留和橋まで下ることに決めてしまう。

そうしてみどり橋の下も一気に通り過ぎる。
水に隠れた岩の上にザリガニが居たのに気が付き、Uターンして漕ぎ上がる。
川下り中にザリガニが歩いているのを見たのは初めての経験で、水の透明度も含めて、さすがに釧路川だと感心してしまう。

倒木の横をすり抜ける前回ここを下ったのは3年前で、記憶も少し薄れているけれど、随分と倒木が多くなった気がする。
倒木とは言っても、完全に倒れている訳ではなく、川の方に倒れ込んできているだけで、葉はまだ青々と茂っている。
倒木が多くなったわけではなく、そんな木々が更に茂ってきているだけなのかもしれない。

いずれにせよ、カヌーが1艇かろうじて通り過ぎることができるだけの様なところもある。
今回は水が少ない分、流れも遅くなっているので、そんなところも大して気にならないが、もう少し水が増えれば初心者には下るのが難しい川に変わりそうだ。


釧路川の倒木   釧路川の倒木
カナディアン1艇分の隙間しかないところを下っていく   流れが速ければ倒木をかわすのも大変かも

川底の倒木もくっきりと見える透明な川の水を透して底に沈んでいる倒木もはっきりと見えている。
もう何十年もそのままの状態で、完全に川底の一部と化している倒木もありそうだ。

場所によっては光の加減なのか、川底の状態によるものなのか、川の水が青く染まって見える。
摩周湖の伏流水も釧路川に流れ込んでいるらしいので、この青さも摩周ブルーと呼んでも良いのかもしれない。

昨日歩いた知床峠の木々でさえ、まだ紅葉していなかったくらいなので、10月に入っても河畔の木々は殆ど色づいていない。
一部のヤマブドウの葉が赤く染まり始めている程度である。

川の水が青く見えるもっとゆっくりと下りたいけれど、あまりのんびりし過ぎていると走って戻る頃には暗くなってしまう。
周りの風景を眺めながら黙々と漕ぎ続けるしかなかった。
毎年行われている釧路川100キロカヌーマラソンというイベントがあるけれど、それは多分こんなペースで漕がなければならないのだろう。
釧路川はあくせくと漕ぐような川ではない。
もっと時間に余裕のある時に下りたかった。


美しい釧路川の風景
川の透明度は今回が一番だったかも

川の色が変わる   少しだけ紅葉
川の色が次々に変化する   ヤマブドウの一部が紅葉しているだけ

最後の瀬を下る最後にストレートコースの瀬が現れれば、ゴールの美留和橋は近い。
ドライスーツもあまり濡らしたくないので、水しぶきを浴びないように波の高い場所を避けながら下る。

そうして午後3時45分に美留和橋の下流に上陸。
ドライスーツを脱げばその下は既にランニングウェアである。
パドリングシューズをランニングシューズに履き替えて、陽が傾いてきた国道243号を屈斜路湖目指して走り始めた。

2012年10月7日 曇り時々晴れ 
当日12:00釧路水位(弟子屈観測所) 99.94m 


美しい釧路川
美しい風景をたっぷりと堪能できた


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