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1998年我が家のキャンプ日記

朱鞠内湖
 (3/28〜3/29)

???
 (4/25)

歌才L'PIC
 (6/5〜6/6)

賀老高原
 (6/6〜6/7)

国設白金野営場
 (6/27〜6/28)

カムイコタン農村公園
 (7/26〜7/28)

オンネトー国設野営場
 (7/28〜7/29)

尾岱沼青少年旅行村
 (7/29〜7/31)

置戸鹿ノ子キャンプ場
 (7/31〜8/1)

かなやま湖畔
 (9/11〜9/13)

国設白金野営場
 (9/26〜9/27)

支笏湖オコタン
 (10/10〜10/11)

朱鞠内湖
 (10/23〜10/24)

厚真大沼野営場
 (12/14)

厚真大沼野営場(双子座流星群観測)

 今年一番楽しみにしていたしし座流星群は、ちょっとした油断のために観測することができなかった。
 我が家では、札幌から比較的近くで、雪も少なく、しかも夜空の暗さも十分ということで、厚真大沼野営場にテントを張り、一晩中流れ星を見ていよう、と計画していた。
 しかし、当日は低気圧の通過で全道的に荒れ模様の天候で、札幌でも雨が降り続けている。それでも、低気圧が通過した後冬型の気圧配置に変わるまでの間、厚真のあたりでは晴れ間が広がるはずだとかすかな希望を持っていた。
 でも、妻も息子も完全なあきらめモードに入ってしまい、インターネットで雲の動きを見てみても晴れそうな様子はまったく見られない。結局、33年後に望みを託すことにして、今回の流星観測は中止にすることにしてしまった。
 ところが翌日の北海道新聞夕刊を見て、愕然としてしまった。最悪の天気の中、札幌市青少年科学館の職員が観測に成功したとの記事が大きく出ていたのである。しかもその場所は、我が家が予定していた厚真大沼野営場なのだ。
 一部で期待されていた「流星嵐」とまではいかなかったのが、いくらかの救いだけれど、それでも非常に悔いの残る結果となった。「後に悔いを残さないためには、常にベストを尽くさなければならないのだ」なんて、まじめに考えてしまった。

 そんなわけで、しばらくモヤモヤとした気分で過ごしていたのだが、インターネットでしし座流星群の観測結果を見直していると、この時期、双子座流星群というものが観測適期であることが解った。最大出現数が1時間あたり40個ということであり、これならばしし座の時に観測された60個という数字とたいして変わりないじゃないかと、流星観測復讐戦に出かけることに決めたのだ。

 当日の札幌の天気は曇り空、それでも前回のことがあるので、現地に行って見られなかったら、それはそれでまあしょうがないやと、悟りの境地で出発することにした。札幌を離れるにしたがって雲も晴れてきて、心配していた積雪もあまりないようだ。
 気の早い妻は、走っている途中に車の窓を開けて、早くも一つ目の流れ星を見つけて歓声を上げている。こっちは久しぶりの真っ暗な道で、しかもツルツルの路面に気を使いながら運転しているというのに、「ずるいぞー、到着するまでは空を見たら反則なのだ」なんて言いながら、いやが上にも期待が高まってくる。
 キャンプ場について焚き火の準備をしているうちにも、妻が「あっ、また流れた、ワーッ、大きいー」なんて騒いでいるのでやたら焦ってしまう。やっと準備が終わって、空を見上げると最高の星空が広がっていた。さすがに地上近くは遠くの灯りで薄明るいが、天頂付近は十分な暗さだ。
 星が流れる度に、静かな森の中に我が家の歓声が響きわたる。これまでは注意力散漫のために、一度も流れ星を見たことが無かったという息子も、さすがにこの日は流れ星が目に飛び込んでくるようだ。
 その流れ方にも様々なパターンがあり、長く尾を引くもの、ゆっくりと飛ぶもの、一瞬で消えるものなど全然飽きることがない。アッという間に2時間が過ぎ、50個程の流れ星を見ることができた。
 私は一晩中でも見ていたかったのだけれど、翌日の息子の学校という現実もあるので、後ろ髪を引かれる気分で帰ることにした。帰りの車中でも、まだ窓を開けて流れ星を探そうとする妻に「ず、ずるいぞー、もう終わりだー」と一言。

 札幌に着くと、大粒の牡丹雪が降りしきり、高速道路の照明に照らされて幻想的な光景が出迎えてくれた。
家の中に閉じこもっていては、決して味わえないような感動に、アウトドアでは出会えるということを改めて感じさせられた一晩であった。


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