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1999年我が家のキャンプ日記


朱鞠内湖キャンプ場
  (3/20〜3/21)

オロマップキャンプ場
  (5/2〜5/3)

ニセコサヒナキャンプ場
  (6/5〜6/6

エルム森林公園
  (7/10〜7/11)

望洋台キャンプ場
  (7/31〜8/1)

美笛キャンプ場
  (8/6〜8/8)

然別湖北岸キャンプ場
  (8/11〜8/13)


滝之上キャンプ場
  (8/28〜8/29)


チミケップキャンプ場
  (10/9〜10/11)


厚真大沼野営場
  (10/23〜10/24)

然別湖北岸キャンプ場

 久しぶりにキャンプへ行く前にワクワクしてしまった。
 何せ5年ぶりに訪れる我が家のベスト3キャンプ場なのだ。
 今回の然別湖はどのような表情を見せてくれるのだろう。

 猛暑の札幌を後にして然別湖へ向かい、途中然別湖の近く清水町の実家へ顔を出したが、そこの気温は35度。いったい今年の北海道の暑さは何なのだろう。
 それでも然別湖へ着くと涼しい風が吹いている。気温は28度、これならば設営をしても汗まみれになることもない。
 夕方になると風もピタリと無くなり、湖はベタなぎ状態だ。
 早速カヌーを漕ぎだしてみる。
 ベタなぎの湖にカヌーを浮かべると、パドルが水をかく音しか聞こえてこない、完全な別世界へ紛れ込んだような気がしてくる。
 ヤンベツ川の流れ込み部分にカヌーを進めてみると、手がしびれるような冷たい水から蒸気が立ち上り、幻想的な風景を醸し出している。
 カヌーの下を時折30cm以上のオショロコマが通り過ぎて行き、直ぐ近くでは素晴らしいライズを見せてくれたりする。
 木々の間を飛び交う色鮮やかな鳥はカワセミだろうか。
 本当にここはなんて素晴らしい場所なのだろう。

 夜になると美しい星空が広がる。あいにく薄い雲がかかっているので、以前に見たドキッとするような美しさではなかった。
 それでも湖畔へ行ってみると、暗い水面にその星空が映し出され、静かな波に揺らいでいる。
 この風景を見るだけで、このキャンプ場まで来る価値があるのだ。
 場内は美笛並のキャンパーで賑わっているが、それでいて美笛のような喧噪が全くない。
 全てのキャンパーが大自然の息吹に包まれ、ひっそりと身をひそめていると言った雰囲気だ。
 しかし、翌朝は4時前からけたたましい犬の鳴き声で目を覚まさせられてしまった。
 おまけに小さな子供が自分のテントを見失ってしまったらしく、泣きながら場内を走り回っている。
 さすがに寝ていられなくて、起き出して迷子になった子の面倒を見てあげたが、吠えていたのはキャンプ場で飼われている犬だった。
 キャンプ場で飼っている犬がこれでは困ったものだなーと思っていると、どうやらその原因はやっぱり他の犬連れキャンパーによるものだった。
 連れてきたレトリバーを場内で放しているものだから、それを見たキャンプ場の犬が興奮して吠えていたのである。
 毎回、毎回、キャンプの度にこの様なマナー知らずの飼い主を見てしまうが、その飼い犬は決まってゴールデンレトリバーであるというのは、たまたまなのだろうか。

 その日の午後、我が家の隣に男性二人連れのキャンパーがやってきたが、やたらに話し声が大きい。
 テントの設営が終わると今度は大きな音でラジオを鳴らし始めた。
 そしてその会話が「昔、俺が来たときは他に人がいなくて本当に静かだったのに、最近は混んでひどいなー」と、わざと周りに聞こえるような大声で話しているのである。
 さすがに私もプツンと来てしまい、「ラジオを聴くのならばもう少し小さな音で鳴らしてもらえませんか」と、極々丁重にお願いしたら、意外と素直に聞いてもらえた。
 その後、このキャンパーは到着したときのハイテンションが嘘のように盛り下がってしまい、我が家が帰るまで寝てばっかりいたのには、ちょっと気の毒な気もしたのである。

 昼間吹いていた風も、再び夕方になると止んで、湖も例のベタなぎとなった。
 息子を誘ってカヌーを漕ぎだしたが、息子と一緒にカヌーを漕ぐのは去年の歴舟川以来になる。
 さすがに中学生になるとパワーも付いており、二人で漕ぐとカヌーが面白いようなスピードで進んでいく。
 川下りの時のパートナーにしたらかなり心強いと思うのだが、肝心の本人は相変わらずカヌーにたいした興味を持ってくれない。
 「一人乗りのカヌーを買ってやるぞ」と提案しても、「そんなことに金を使わないでくれ」とにべもない返事をされてしまうのだ。

 その日の夜は曇り空、湖に映る星空の上にカヌーを浮かべてみよう、と密かに計画していたのだが中止になってしまった。
 カヌーの下できらめく星々、考えただけでゾクゾクしてしまうが、この楽しみは次回までおあずけということにしておこう。
 翌朝、再びベタなぎの湖にでて、然別湖の中央に浮かぶ弁天島まで遠出をしてみた。
 霧の中に浮かび上がる島の姿はこれまた幻想的で素晴らしいのである。

 然別湖のキャンプ場は確かに素晴らしいキャンプ場であるが、ここの魅力は湖にカヌーで漕ぎ出すことによって何倍にも増幅されるのだ。
 カヌーを持ってない方には申し訳ないが、ここに泊まるのならば是非カヌーに乗って早朝の湖にでてみることをお薦めする。
 


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