1カ月ぶりのキャンプである。
5月中旬から6月という、私が考える北海道のベストキャンプシーズン中に1回しかキャンプへ行けなかったということで、ストレスもかなり溜まっていた。
最近勤め始めた妻も、なれない仕事の疲れで「今週はどこか静かなキャンプ場でのーんびりと過ごしたいな」と言い出した。
そんなわけで今回のキャンプのテーマは「癒しのキャンプ」に決定、早速場所の選定に取りかかることにする。
このテーマで最初に思いついたのがニニウと静内湖の2ヶ所、しかしニニウでは荷物運びに苦労しそうなことと、静内湖は天気予報で太平洋側は天気が悪いと予報されていたことで2ヶ所とも没。
結局ガイドブックで色々と調べた結果、上砂川奥沢キャンプ場が札幌から近くて意外な穴場かも知れない、ということでそこに決定した。
息子も部活が休みになり、今回は一緒に行くということだったが、当日の朝になって「ちょっと体が痛いからやっぱり行かないわ」と言い出した。
私の場合、もう子離れも終わったので「アッ、そう」なんて感じだが、さすがに妻は残念そうである。
正直言って、新しく買ったテントは二人用なので、息子が行くとなると古いテントを使うか、息子用にもっと古いヨーレイカのテントを持っていくことにするか、いずれにせよ荷物が増えるなーと悩んでいたので、ホッとしていたりするのである。
上砂川奥沢キャンプ場へ着くと、そこは道路のすぐ近くだがこじんまりとしていて、まあまあ落ち着けそうな場所である。
不安定な吊り橋を渡って荷物を運ばなければならないが、二人用にシェイプアップした我が家のキャンプ道具ならばまあ何とかなりそうだ。
ところが入り口の看板に「本日は地元小中学校のレクレーションキャンプがあり・・・」と書いてあるのが目にとまった。
知らずにテントを張っていたら大変な目に遭うところで、わざわざ看板で知らせてくれた地元の教育委員会の方に感謝したい。
急遽予定変更で、第二希望に考えていた赤平市のエルム森林公園へ向かうことにする。
ここの手前にあるエルム高原家族旅行村とオートキャンプ場は、まだ昼前だというのに既にびっしりとテントが立ち並んでいる。
「こんなところで良くキャンプする気になるよなー」なんて、そんな状況を横目に見ながら一路細い未舗装の山道を上って行った。
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最初にテントを張った場所 |
昼前に到着したというのに、ここも既にかなりの数のテントが張られていた。
そのために、最初に考えていた芝生広場のサイトを諦め、少し離れた林間部分の大きな木の下にテントを張ることにする。
下地は少しでこぼこで、土もむき出しだが雰囲気は最高、早速テントを張り終え昼食の準備に取りかかることにした。
しかし、その間も次から次へと車が入ってくる。 そうして、とうとう一番恐れていた若者グループが我が家のすぐ近くにテントを張りだしたのである。
車から降りた時点で既にテンションが上がっており、話し声も一オクターブ高くなっているような感じだ。
こいつはたまらんぞと、直ぐに引っ越しの決意をする。
幸いなことにテントのペグまでは打っていなかったので、食事が終わるとバタバタとテントをたたみ車に放り込んで、森の奥の方へ逃げ込んだ。
さすがにそこまで行くと、テントサイトからの喧噪も遠くに聞こえる。
しばらくすると、最初に我が家がテントを張った付近には10家族を越えるような大集団が鎮座していた。
あそこで決断をしなければ大変なことになっていたと、考えただけで恐ろしくなってしまう。
ところがその後、我が家の直ぐ近くで今度は学生風のグループがテントを張り始めた。
3年前の8月の週末に一度このキャンプ場へ泊まったことがあるが、その時は快晴の天気にも関わらず、ここの芝生サイトでキャンプしていたのは我が家1組であった。
これまで夏休み期間中の週末にキャンプへ出かけることは無かったが、これからは7月の週末もキャンプへ行くのは止めることにしようと、その時に心に決めたのである。
夜は夜で、10家族オーバー大グループが肝試し大会を始めたようで、ちょうど我が家の前がそのルートになってしまった。
せっかくだからと気を使ってランタンの光を落とし暗くしてあげていたが、大人も一緒になりトランシーバーを使ったりとやたらうるさいので、腹を立ててそれも止めてしまった。
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木の下で読書タイム |
息子と一緒にファミリーキャンプを楽しんでいた頃は、そのような喧噪もあまり気にしていなかったが、夫婦二人で静かなキャンプをと考えるようになると、さすがにうるさく感じてしまう。
別に団体のキャンパーを批判するわけではなく、気のあった仲間同士でのキャンプは楽しいものだ。
大人も楽しいし、まして子供達にとっては最高の夏の思い出になるのだろう。発電器を使ってカラオケを始めるようなグループは論外だが、みんな夏のキャンプを思いっきり楽しんで欲しい。
静かなキャンプを求めるならば、別の季節にでかければ良いだけの話である。
翌朝は野鳥のさえずりの中、朝食とコーヒータイムを終えると、もうこのキャンプでの用事は済んだということで撤収に取りかかり、キャンプ場を後にした時間はまだ8時前であった。
新記録である。
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