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四国お遍路 47日目(12月14日)

たいや旅館 6:50 ~ 民宿八十窪 16:15
移動距離 : 29.6キロ
参拝札所 : 86志度寺、87長尾寺、88大窪寺
宿泊 : 民宿八十窪 1泊2食付き6500円 (結願を祝って赤飯を出してくれる)お勧め!
この日の写真へ(Googleフォト)


結願の日も雨降りだった

いよいよ88番札所を目指す日が訪れた。
讃岐の国入りしてから連日30キロ近くを歩き、この日も88番大窪寺までは30キロある。
しかし、ここまできたらそれも大した距離ではない。


志度寺の仁王門と五重塔

ただ、昨日に続いて今日も天気がパッとしないのが残念だった。
結願の日くらいは気持ちの良い青空であって欲しかった。

午前7時宿を出発。
10分で86番志度寺に到着。
国の重文に指定されている仁王門に本堂、境内には五重塔もあり、なかなか見応えのあるお寺である。

参拝を済ませた後は直ぐ近くの海を見に行く。
志度寺は海から直線距離で100mくらいしか離れていない。
88ヶ所の札所の中で、海に一番近いお寺でもあるのだ。

雲が低く垂れ込め、北風が強く、波立つ海。
瀬戸内海と言うより、冬の日本海を見ている気分だった。


冬の日本海のような瀬戸内海

 
志度は平賀源内の生地でもある。
予備知識も無く歩いていると「へー、そうだったんだ!」と驚かされる。


田園風景の中を歩いていく

時間があれば記念館なども覗いてみたいが、今日はそんな余裕も無い。
もっとも、時間が早すぎて記念館はまだ開いていなかった。

次の長尾寺がある長尾はかぐや姫のふる里となっている。
長尾とかぐや姫にどんな繋がりがあるのかは分からなかったが、毎年かぐや姫カーニバルが行われているらしい。

田園風景や古い家並みを抜けて、午前9時10分に87番長尾寺に到着。
誰もいないと思ったら、次々に団体さんがやって来る。
私達が参拝を終えて納経所へ行ったら、そこには団体さんの納経帳が山積みに。

お遍路中に何度も出くわした風景だが、お寺によっては個人の納経帳を先に書いてくれるところもある。
残念ながらここでは暫く待たされることになる。


長尾寺のクスノキの巨木

 
雨が降り始めたので、一心庵という仏堂の軒先を借りて雨具を着込む。


おへんろ交流サロンに展示されていた古い納札

前山おへんろ交流サロンに入っていくと、係の女性から申請書のようなものを書かされる。四国88ヶ所霊場を回り終えた人は、ここで証明書を発行してもらえると聞いていたので、疑問を抱くこともなくそれに記入する。
それを知らない人ならば、突然何を書かされるのだろうと思ってしまいそうだ。

実際は証明書ではなく、遍路大使任命書というものだった。
無料で発行してくれるのが嬉しいし、遍路バッジも貰える。
最後の88番大窪寺がまだ残っているけれど、ここまできたらもう結願したのと変わりはないのである。

サロン内には江戸時代の納札等も展示されていて、なかなか興味深い。
向かいの道の駅に隣接する店で昼食を食べる。

ここから大窪寺までは幾つかのルートがあり、交流サロンで地図を貰える。
女体山越えのルートが最短距離で眺めも良いが、山道なので時間は一番かかる。
今日の天気では展望は楽しめそうにないので、私達は一般的な旧遍路道コースを歩くことにした。


突然現れた犬が私達を道案内してくれた

ただ、そのコースは途中に工事の残土捨て場があるのでダンプカーが頻繁に通るらしい。私達が歩いている時は、昼休みの時間帯らしく1台もすれ違わなかった。

午後1時になると同時にダンプカーがやって来たが、私達は丁度残土捨て場を通り過ぎたところだったので、そこから先も静かに歩く事ができた。

長尾寺を出た後はずーっと登りが続き、標高410mくらいまで登ってくる。
峠の休憩所手前で一匹の犬が現れた。
私達の前を、時々後ろを振り返りながら、歩いていく。
まるで、私達を道案内してくれているようだ。
何だか不思議な気分に囚われながら、その犬の後を付いていく。


ここで飼われている犬だった

休憩所で休んでいる間にその犬の姿は見えなくなった。
峠を下っていくとポツポツと民家が現れる。
そんな民家の一つの玄関先に、先程の犬がちょこんと座っていた。

また私達に付いてきたそうな様子で、こちらに歩いてきた。
その犬に触りたくて堪らなかったけれど、そこから先の道は交通量も多くなり、付いてきたら大変なので、無視して歩き続ける。
結局、その犬は交通量の多い道路の手前で止まったので、自分の行動範囲は心得ているみたいだった。

県道に入るとダンプカーが頻繁に通るようになる。
交流サロンで貰った遍路道マップを見ると、県道を通らずに済む旧へんろ道があるみたいだが、それが分からずに県道を歩き続ける。

閉校になった小学校の施設でトイレタイム。
小学校の校舎は天体望遠鏡展示施設として利用されていたが、一体どんな展示があるのか気になる。

途中から県道を離れてようやく静かに歩けるようになった。
旧遍路道らしく丁石や古い墓が点在して楽しく歩ける。


ここも遍路道だったらしい

 


とうとう88番札所に辿り着いた

しつこく降り続けていた雨も大窪寺が近づくにしたがって上がってきた。
途中で団体客を乗せた大型バスに追い越される。
ここでまた団体客と鉢合わせになるのは勘弁してもらいたい。

そうして午後3時10分過ぎに、とうとう88番大窪寺に到着した。
先の団体客は既に参拝を済ませたようで、門前のお土産屋に群がっているところだった。

大師堂で最後の般若心経を唱える。
これでめでたく結願したのだが、それ程の感動は湧いてこなかった。
1番札所へのお礼参りのために、明日からもまだ歩き続けなければならないからなのだろう。


私達の旅はまだここで終わりではない

ここで金剛杖を奉納する人も多いみたいだが、私達はまだ歩き続けるので、一番最後の高野山で奉納することにする。
そして今日の宿である民宿八十窪へ。
結願を祝って出された赤飯を美味しくいただいたのである。



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