トップページ > その他 > 四国お遍路 > 讃岐の国(香川県

四国お遍路 45日目(12月12日)

せと国民旅館 6:50 ~ ゲストハウスそらうみ 16:35
移動距離 : 26.2キロ
参拝札所 : 81白峯寺、82根香寺、83一宮寺
宿泊 : ゲストハウスそらうみ 素泊まり3650円 (オーナーは先達さんでお遍路のガイドもやっている)お勧め!
この日の写真へ(Googleフォト)


五色台を超えて高松市入り

6時50分に宿を出る。
美しい山のシルエットが朝焼けの空に浮かび上がる。
後で調べてみると、この山も讃岐七富士の一つ六つ目山であることが分かった。


中央の山が讃岐七富士の一つである六つ目山

 


五色台に向かう

散歩中のおじさんから、小さな小袋に入れた飴をもらった。
お遍路の通る道では、何時もこうして袋に小分けした飴を持ち歩いているのだろう。

これから向かう五色台の山々が、朝日を浴びて赤く輝き始める。
山の木々はもうすっかり紅葉しているようだ。

家並みを過ぎると急な登りが始まる。
途中に白い岩肌が露出しているところがあって驚かされる。
調べてみるとこの岩は「凝灰角礫岩」と呼ばれ溶岩と火山灰が積もってできた岩石らしい。

途中の東屋から国分寺の街並みが見渡せた。
こうして高い場所から眺めても、讃岐平野は溜め池が多いことが良く分かる。


国分寺の街並みを一望できる

 
東屋を過ぎると山道は更に急になる。
ここの登りも遍路ころがしの一つに入っているみたいだが、もうここまで来たら遍路ころがしの山道も恐るるに足らず。
間もなくして舗装道路に出てきた。


鎌倉時代に建てられた摩尼輪塔と左には下乗石

暫くの間、この舗装道路も歩いて行く。
周辺は自衛隊の演習地になっているらしく、所々で山の中の草が綺麗に刈り込まれているのもその関係なのだろう。

舗装道路から離れ、山道を下っていく。
その途中に下乗と書かれた石塔があった。
「ここから先は聖地なので、どんなに高貴な人でもここからは乗り物から下りて歩いて参拝しなさい」ということらしい。
今から700年も前に建てられたものが、こうして残っていることに感動させられる。

午前9時過ぎに81番白峯寺に到着。
ここには本堂と大師堂の他に十二支守り本尊も祀られていたので、私とかみさんでそれぞれのご本尊にお参りした。
ちなみに未年の私は大日如来、猪年のかみさんは阿弥陀如来だった。


お地蔵山に見守られながら昔ながらの遍路道を歩く

次の82番根香寺までは、歩いてきた山道を途中まで戻って、そこから先は山の斜面をトラバース気味に歩いていく。
落ち葉の降り積もった遍路道は歩いていても気持ちが良い。

所々に丁石と呼ばれる札所までの丁数を刻んだ舟型の石仏があって、お遍路さんを見守ってくれている。
江戸時代後期に建てられたというこれらの石仏の前を、一体何人のお遍路さんが通り過ぎたことだろう。

丁石の他に「陸軍用地」と刻まれた石標も残っていて、これが何とも場違いなものに思えてしまう。
多分、現在の自衛隊敷地の用地界に建っているのだろうが、祈りの道にはあまり似合わない代物である。

午前11時過ぎに根香寺に到着。
境内は赤く色付いたモミジに彩られ、しっとりと美しかった。


紅葉の美しい根香寺境内

 


森の中には牛鬼の姿が

山門の外の林の中には、不思議な生き物の像が立っている。
牛鬼の象である。
この寺に伝わるの牛鬼伝説を知らなければ、場違いな展示物だと思ってしまうところだ。

五色台子どもおもてなし処へんろ小屋で昼食を食べようとしたら、丁度近くの施設の子供達がやって来ていて色々とお接待してくれる。
このへんろ小屋は宿泊もできて、なかなか快適なところである。
直ぐ近くにはできたばかりの女性専用へんろ小屋もあって、事前に知っていればここで宿泊する行程を組んでいたかもしれない。

遍路地図ではここから先は林道を下るようになっていたが、いきなり山道が始まった。
山道を下りる別のルートもあるものだから、道を間違えたのかと思って途中から引き返してきたが、その道で間違いないようなので改めてそこを下っていく。


鬼無町は盆栽の産地でもある

紅葉を楽しみながら山を下っていくと高松の港が見えてきた。

山から下ってきたところの鬼無町は盆栽の里として有名らしい。
植木屋がずらりと並び、それぞれの庭先には盆栽が所狭しと並べられている。
庭木として植えられている松も、この辺りでは全て盆栽風に仕立てられているのが面白い。

おばあちゃんから声をかけられて、手作りの桃太郎のマスコットをもらった。
それで初めて、鬼無町が桃太郎伝説の発祥の地であることを知ったのである。
事前に知っていれば、桃太郎神社にも立ち寄ってみたかった。

飯田お遍路休憩所で一休みする。
数ある休憩所の中でも、ここが一番快適な休憩所であることは間違いないだろう。
それくらい立派な施設だった。


ここも昔の遍路道のようだ

そこから先の一宮寺までの遍路道は、ちょっと凄かった。
昔ながらの遍路道を忠実に再現しているのか、それとも少しでも交通量の少ない道を歩かせようとしているのか。
「こんな所を歩くの!」とビックリするような細い路地や裏道ばかりを歩いて行くのだ。

裏通りのコンクリートで固められた下水の溝の中にも、古い道標石が置かれていたりするので、多分昔の遍路道を辿らせようとしているのだろう。

午後3時40分に今日の札所の最後である一宮寺に到着。
ササッとお参りを済ませて、今日の宿であるゲストハウスそらうみに向かう。


オーナーの愛犬しょうが出迎えてくれた

去年の紀伊半島の旅で泥川温泉のゲストハウスに泊まった時、そらうみのオーナーである野瀬さんとたまたま同宿だったのが縁で、今回はこちらに泊まることにしたのだ。

野瀬さんは先達としてお遍路のガイドをやっていたり、愛犬と一緒に川を下ったりもしていて、繋がりも多いのである。
遍路中も、FBで色々と教えてもらったりもしていた。
夕食はそれぞれ食べ物を持ち寄ってと言う事にしていたのだが、餃子を大量に用意してくれていて、それだけで腹一杯になってしまった。

もっと色々と話しをしたかったが、お遍路の疲れもあり早々にダウンしてしまう。
讃岐の国に入ってからはスピードアップしていて、当初計画から3日遅れになっていたのを、今日までで1日分短縮したのである。



46日目へ >  

ページトップへ