北海道キャンプ場見聞録
四国お遍路 42日目(12月9日)
民宿岡田 7:10 ~ 藤川旅館 16:15
移動距離 : 25.8キロ
参拝札所 : 66雲辺寺、67大興寺、68神恵院、69観音寺
宿泊 : 藤川旅館 1泊夕食付き4500円 (二食付きでも5000円、冷蔵庫に電子レンジも完備)お勧め!
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伊予の国最後の遍路ころがしを超えて讃岐の国へ
雨の中を歩き始める
宿を出ようとしたタイミングで雨が降り始める。
この日目指すのは、四国霊場最高峰の標高911mにある雲辺寺である。
当然、そこへの道は遍路ころがしと呼ばれている。
雨の降る中で遍路ころがしの道を歩くのは、あまり気が進まない。
しかし、毎日毎日前へ進むしかないのが歩き遍路の宿命だ。
民宿のおじいちゃんと女将さんに見送られて、今日の一日が始まる。
佐野の集落を抜けると直ぐに急な登りが始まり、徳島自動車道の上へと出てきた。
佐野集落の反対側の山々が雨に霞んで見えていた。
山間の佐野集落を見下ろす
そこから先は、雨の中の急登が延々と続く。
そんな登りがきついことに変わりは無いが、身体が慣れてきているので音を上げることはない。
宿を出て約2時間で66番雲辺寺に到着。
霧に包まれた雲辺寺は幻想的な雰囲気が漂う。
霧に包まれて幻想的な雲辺寺境内
参拝を済ませ、休憩所らしき建物で一休みさせてもらう。
その休憩所の一角が畳敷きの通夜堂になっていて、結構快適に泊まれそうである。
五百羅漢にご挨拶
五百羅漢像に見送られて山を下りる。
ここの五百羅漢は一体一体がそれぞれ特徴のある表情をしている。
もっとゆっくりと見て回りたかったけれど、そんな時間的余裕も無いので先を急ぐ。
登ってきた分をそっくりそのまま下らなければならない。
と言うか、佐野集落の標高は250mくらいで、今日の宿は海の近くなので、登った以上に下ることになるのだ。
途中から雨は土砂降りに変わり、その中を延々と下っていく。
観音寺市の街並みが見えてきた。
伊予の国を終えて、いよいよ涅槃の道場讃岐の国へと入ってきたのだ。
下界へ下りてくると雨も上がった
下界まで降りてくると、ようやく雨が上がった。
かみさんの歩くのが遅いので、とうとう我慢できずに追い越してしまった。
かみさんには私と一緒に歩く気が無いようで、2人の差はどんどんと広がるばかりだ。
これだけ離れて歩いている夫婦遍路は見たことがない。
仲の悪い夫婦遍路と思われるのも嫌なので、思いっきり離れて歩くことにした。
目的地だけは同じにして、途中は別々に歩く方が私達夫婦には良いのかもしれない。
途中で分かれ道があり、さすがにここを先に進んでしまうと本当に別れ別れになってしまうので、かみさんが追い付いてくるのを待つことにした。
12時20分に67番大興寺に到着。
山門を抜けた先のカヤとクスノキの巨木に圧倒される。
こんな巨木には概ね空海伝説が残っているのだが、ここも例外ではなく、カヤは弘法大師が種を播き、クスノキは弘法大師お手植えとされていた。
大興寺ではカヤとクスノキの巨木が出迎えてくれる
納経所でミカンをお接待してくれる。
感じの良い方だった。
境内のベンチに腰掛け、宿で持たせてくれたおにぎりを食べる。
讃岐の国を歩く
大興寺を出て田園地帯を歩いていく。
さすがに讃岐の国は溜め池が多いと感じさせられる。
家々の瓦屋根も、他の国とは何となく違っている気がする。
何が違うのかは正確には分からないが、多分装飾が派手なのだろう。
こうやって歩く旅を続けていると、地方地方の特徴を直接感じることができるのだ。
昨夜、民宿岡田屋のおじいちゃんの説明の中で銭形へんろ小屋の話が出ていた。
途中に近道と書かれた看板があるけれど、遍路道から外れて遠回りになるので、その看板は無視した方が良いとのことである。
その看板を見つけた。
そのまま遍路道を歩いていては休憩する場所が無さそうなので、騙されたつもりになって銭形へんろ小屋の方へ進むことにした。
しかし、そこを実際に歩いてみて、かなりの遠回りになることが分かったが、今更元にも戻れない。
今日は遍路ころがしを歩いて疲れていたので、この遠回りは余計に辛く感じた。
そのまま歩き続けて、午後2時30分過ぎにようやく銭形へんろ小屋に到着。
少しだけ休んで直ぐに歩き始める。
三架橋を渡る
観音寺市内に入ると、電柱に張ってある遍路道を示すシールが、何故か殆どが剥がされていた。
跡には糊が残っているので、意図的に剥がされたものなのだろう。
いたずらにしては念が入り過ぎているし、どうして剥がされたのか謎である。
道しるべが無いので道に迷いそうになる。
財田川に架かる三架橋を渡り、68番神恵院まで辿り着いた。
この三架橋は3連アーチの欄干が特徴的で、日本百名橋に入っているらしい。
ここでは69番観音寺も同じ境内にあり、山門には両方の寺の名前が書かれていた。
それぞれの寺の本堂と大師堂でお経を唱えることになるので、ここでは計4回般若心経を唱えなければならない。
疲れ切っていて早く旅館で休みたいので、超高速で般若心経を唱える。
ここから標高70mの琴弾山山頂まで登れば、有名な寛永通宝の銭形砂絵も見られるのだが、そんな元気はもう残っていなかった。
境内のクスノキの巨木
夕暮れ迫る財田川
再び財田川を渡って、午後4時15分今日の宿の藤川旅館に到着。
風呂も広く、冷蔵庫に電子レンジもあるので、私達のような素泊まり派には便利な宿である。
今回は夕食だけ付けてもらったが、それでも4500円なのだからリーズナブルでもあるのだ。
その値段で、夕食にはイノシシ肉に、初めて食べるマテ貝も付いて、お勧めの宿である。
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