トップページ > その他 > 四国お遍路 > 阿波の国(徳島県) > 四国お遍路9日目

四国お遍路 9日目(11月6日)

民宿海山荘 7:20 ~ 明徳寺通夜堂 14:10
移動距離 : 22.0キロ
参拝札所 : 無し
宿泊 : 明徳寺通夜堂(シャワーも使わせてもらえる親切な通夜堂)
この日の写真へ(Googleフォト)


徳島を離れて高知へ

海山荘の海に面した窓から美しい朝日が眺められた。


太平洋から昇る朝日を初めて見られた



海山荘の朝食

宿の朝食のメインは卵焼き。
2食付き5千円の宿は食事もそれなりだけれど、コンビニおにぎりの朝食ばかり食べている私達には、それでも十分に豪華だった。

午前7時20分に宿を出る
朝食が6時半からの宿に泊まると、どうしても出発が遅くなってしまう。
でも、今日も歩く距離はそれ程長くはないので、この時間に宿を出ても問題はない。

今日の宿泊場所は22キロ先の名徳寺の通夜堂。
お寺の通夜堂は予約して泊まる施設ではないのだけれど、ネットで調べていると電話で予約したとの話があった。
それで、当日ならば電話しても大丈夫だろうと思い、「夫婦二人で今日泊まりたいのですが」と電話したところ、「良いですよ」との返事。
これで今日は、不測の事態も想定せずに安心して歩くことができる。


見えてきた砂浜は大砂海水浴場だ

美しい砂浜の海岸があったので寄り道する。
大砂海水浴場の砂浜で、隣接するキャンプ場は通年オープンしているようだ。
テントも一つ張られていた。
男女のキャンパーが手を振ってくれたので私たちも手を振り返す。
良く見ると、3日前に平等寺付近で見かけた日本人と外人のカップルだった。
お互いにお遍路なので、直接話しをしていなくても親近感が湧いてくる。

海の眺めも良く、なかなか快適そうなキャンプ場である。
事前にここのことを知っていれば、海山荘には泊まらずに、私たちもここにテントを張っていたはずである。
野宿場所の情報は色々と調べておいたのだけれど、何故かキャンプ場の情報はあまり無かったのだ。

途中の海陽町は比較的大きな町だった。
ドラッグストアのセイムスがあったので、そこでアリナミンAを購入。
次第に疲れも溜まってきていたので、サプリにも頼りたくなる。


奥浦の古い街並み

海部川を渡ると、急に町並みの様子が変わった。
奥浦の地名で昔ながらの町並みが残っているのだ。
このような古い町並みに住んでいる人たちは、お遍路さんに対する理解もある気がする。
私たちがきょろきょろと辺りを見回していると、通りかかったおじさんがわざわざ道を教えてくれた。

遍路小屋NASAで一休みしていると、たまたま近くにいた徳島新聞の記者に取材される。
新聞の中にお遍路さんを紹介するコーナーがあるのでそこに載せたいとのこと。
記事が載ったら札幌まで送ってくれるとのことで、思わぬところで良いお土産ができた。

そこでしばらく休んでいると、途中のキャンプ場で手を振ってくれた男女がやってきた。
ニュージーランド在住のご夫婦で、奥さんが日本人。
旦那さんは日本語が全く話せないので、もっぱら奥さんと話しをする。
今日のキャンプ場は快適そうに見えたけれど、近くの国道のトンネルを出入りする車の音がうるさくて、あまり寝られなかったそうだ。
今回は高知市辺りまで遍路を続けてから、ニュージーランドへ帰るとのこと。
普段は外国の人と話をする機会は殆ど無いので、こうして話ができるのがとても楽しい。


道の駅で食べたカツオの酒盗丼

その先、道の駅宍喰温泉のレストランで昼食にする。
メニューの写真が美味しそうに見えたので、私もかみさんもカツオ酒盗丼を注文。
でも、酒盗がカツオの内臓の塩辛だとは知らなかったので、かみさんはちょっと後悔していたようだ。
それでも、まあまあ美味しかった。

海陽町宍喰を通り過ぎ、水床トンネルを抜けるとその先は高知県東洋町。
発心の道場阿波の国を過ぎて、いよいよ修業の道場土佐の国に入ったのある。


道の駅もある白浜海水浴場

そこで早速見えてきたのは広々とした砂浜、白浜海水浴場である。
そこに隣接する「海の駅東洋町」で一休み。
売店の様子を見に行ったかみさんが、230円で詰め放題のミカンを買ってきた。
こちらのミカンは本当に甘くて美味しいので、持ち合わせが無くなると直ぐにまた買ってしまうのだ。

そこから一山超えると再び砂浜の海岸が見えてくる。
こちらは生見サーフビーチ。
白波の中に沢山のサーファーが浮かんでいた。


サーファーが集う生見サーフビーチ



元祖野根まんじゅうの浜口福月堂

そうして午後2時過ぎに東洋町野根の明徳寺までやってきた。
まだ時間が早いので、そのまま野根の町に夕食の買出しに行く。
ついでに名物の「野根まんじゅう」も購入。
昭和・今上天皇陛下献上が売りになっていて、他の街でも売っているのを見かけたが、野根の「浜口福月堂」が元祖らしい。

買出しが終わって明徳寺に戻るが、住職はまだ留守だった。
参拝に来た女性お遍路さんと話しをしたりしながら待っていると、ちょっと厳つい顔の住職さんがワンちゃんと一緒に帰ってきた。
住職は見かけに似合わず優しい方で、ワンちゃんは見かけどおりに大人しい犬だった。


犬のべんけい君と一緒に寛ぐ

そこへニュージーランドのご夫婦もやってきた。
何処かに泊まれそうな場所がないか住職に相談して、彼らは本堂に泊めてもらえることとなる。

野根は国道が開通するまではお遍路さんにとって難所の一つであり、その頃からここ明徳寺で休憩するお遍路さんも多く、「野根の昼寝」の言葉もできたのだとか。
明徳時は今でもお遍路さんにとってありがたい施設であり続けているのだ。

緋毛氈を敷いたベンチに腰掛け、ビールを飲みながらのんびりと寛がせてもらう。
普通の寺の通夜堂ならば、境内でビールを飲むなんてできそうにないが、ここにはそんな居心地の良さがあるのだ。

10日目へ


ページトップへ