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四国お遍路 2日目(10月30日)

安楽寺通夜堂 6:25 ~ 善根宿鴨の湯 13:50
移動距離 : 22.0キロ
参拝札所 : 7番十楽寺、8番熊谷寺、9番法輪寺、10番切幡寺
宿泊 : 善根宿亀の湯(鴨の湯に宿泊申し込み、洗濯機もあり)
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初めてのお接待


朝焼けの中を出発

6時20分、安楽寺を出発。
朝焼けがとても綺麗だ。
朝日が昇ってきて、周りの家々を赤く染める。

青紫色の朝顔のような花があちらこちらで咲いていた。
半ば雑草化している感じで、生育も旺盛な花なのだろう。
後で調べてみると、琉球朝顔とか野朝顔と呼ばれる種類らしい。
田舎の方を歩いていると廃屋化した民家も良く見かけたが、そんな廃屋には大体この琉球朝顔が蔓延っているのである。

今日は田んぼの中や田舎道が多く、歩いていても気持ちが良い。


気持ちの良い遍路道を歩く


7番十楽寺、8番熊谷寺、9番法輪寺と回っていく。
この中では熊谷寺が、多宝塔や仁王門など歴史の古い建物も多く、見応えがあった。


切幡寺の大塔

10番切幡寺は山の中腹にあるので、山麓から本堂まで女厄坂、男厄坂と333段の階段を登っていく。
苦労して登った甲斐があり、眺めも素晴らしい。
吉野川によって形成された徳島平野が眼下に広がり、その先には四国山地の山々が遥か遠くまで重なり合って見えていた。

切幡寺の大塔は国の重文に指定されていて、迫力のある建物だった。

麓まで降りていくと、小さな広場にテーブルや椅子が並べられていて、そこでおばさん達から「休んでいって下さい」と声をかけられる。
四国にはお遍路さんに対する「お接待」の習慣があると知ってはいたけれど、これが初めて受けるお接待だった。
お茶を飲ませてもらって、柿やスダチ、サツマイモにお菓子まで持たせてくれる。
結構な荷物になってしまうけれど、この様なお接待はありがたくお受けしなければならないのだ。

定期的に地元の方々が集まって、この様なご接待をしているらしい。
おばさん達の話しが長く、なかなか中座するタイミングがつかめない。
そんなに時間に余裕がある訳でも無いので、適当なところで挨拶をして次の目的地へと向かう。


野菜畑が広がる善入寺島

明日は、一番の難所とも言われている焼山寺の山越えが控えているので、今日はその山の麓で1泊する予定である。
切幡寺から眺めていた徳島平野を横切り吉野川を渡っていく。
吉野川では巨大な中州(善入寺島)を通るのだけれど、あまりにも大きすぎてそこが中州であることに殆どの人は気付かないだろう。
甲子園球場121個分の広さがあるらしい。
中州にはレタスなど葉物野菜の広大な畑が広がっている。

中州に架かる二つの橋は欄干の無い、いわゆる沈下橋である。
ただ、両端が少し高くなっているので、四万十川でイメージするような沈下橋とは少し変わっていた。

本流の方は川幅も広く、大河の様相である。
しかし、そこを流れる水は驚くほど澄んでいた。
これだけ大きな川でこんなに澄んだ水が流れている川は、北海道では見たことがない。
次に四国に来る時は絶対にカヌーを積んでこようと、強く心に決めたのである。


吉野川に架かる沈下橋


川を渡った先にトイレマークの矢印があったので、矢印にしたがって坂を登ってみると、そこはちょっとした公園になっていた。
大きな東屋もあったので、そこで昼食を食べることにする。
今日は天気が良くて陽射しも強かったので、日陰に入れるのはありがたかった。
途中で昼食を買えなかったので、非常食用に持っていたミニクリームパンとお接待でもらったサツマイモが今日の昼食である。

テント泊するにも良さそうな公園だったが、しっかりと宿泊禁止の張り紙がされていた。


掘っ立て小屋のような善根宿

そして午後2時過ぎに今日の宿泊を予定していた鴨の湯の善根宿に到着した。
善根宿とは、個人や会社などで無料で泊まれる場所を提供してくれているもので、これもお接待の一つの形である。

鴨の湯は温泉施設で、そこに宿の利用を申し込む。
すると女性の方が出てきて丁寧に施設の説明をしてくれる。
見かけは掘っ立て小屋であるが、私達には屋根と壁さえあれば十分である。
二部屋あるので、その一つを私達夫婦で使えるように配慮してもらった。

温泉も、450円のところをお遍路は400円で入ることができる。
昨日は風呂に入ってなかったので、早速温泉で汗を流す。

小屋の中には洗濯機まで置いてあり、風呂に入っている間に洗濯を済ませる。
着るものは最小限しか持ってきていないので、洗濯はできれば毎日しなければならないのだ。


買い出しをして鴨の湯まで戻って来た

1キロほど離れたコンビニまで買い出しに行き、戻って来たら早速冷えたビールで乾杯。
お接待でもらったスダチを豆腐にかけると無茶苦茶美味しい。
かみさんは缶チューハイにもスダチを入れてご機嫌である。

明日の天気予報を確認すると、いつの間にか夜中に雨が降ることに変わっていた。
明日はテント泊の予定だったので、慌てて宿を予約する。

こちらに来る前に、一応は全行程のおおよその計画と宿泊場所を考えてはあった。
しかし、一日にどれだけ歩けるかも解らないし、雨が降ることだってあるだろうから、毎日歩き終えた後に、明日の予定を考えることになる。
それを毎日繰り替えしながら最後の88番札所まで歩かなければならないのだから、結構大変である。

小屋の前は温泉の砂利敷き駐車場になっているので、営業が終わる午後10頃までは結構な車の出入りがある。
屋根と壁はあるけれど、屋根と壁の間は大きく開いているので、昨日に続いて蚊もうるさそうだ。
宿泊代を節約するためには、少々の事は我慢しなければならないのだ。


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