トップページ > その他 > 四国お遍路 > 阿波の国(徳島県) > 四国お遍路4日目

四国お遍路 4日目(11月1日)

民宿つじ荘 7:00 ~ 井戸寺通夜堂 14:50
移動距離 : 24.0キロ
参拝札所 : 13番大日寺、14番常楽寺、15番国分寺、16番観音寺、17番井戸寺
宿泊 : 井戸寺通夜堂(建物は立派だけど、大師堂のすぐ隣で落ち着かない)
この日の写真へ(Googleフォト)


四国の風景に癒される

民宿での朝食は朝6時から用意してくれた。
それでも、ゆっくりと食事して、トイレに入ったりしていると結構時間がかかり、宿を出るのは午前7時になってしまった。
夜中に降っていた雨も既に上がり、青空も覗いてきていた。


はざ掛けの風景に感動

次の13番大日寺まではおよそ15キロ。
今日のルートに山道はなく、ひたすら舗装道路を歩く事になる。

それでも、北海道で暮らしている私達にとっては、四国の風景はとても新鮮に映る。
特に山里の風景には心が惹きつけられる。
刈り取られた稲がはざ掛けされている風景なんかを見るともうたまらない。

お遍路で歩き始めてからずーっと気になっている民家の屋根があった。
特に山里で多く見かける屋根で、廃屋になっているものも結構多く、かなり古い建築様式なのだろう。


伊賀型箱棟住宅

フェイスブックに写真を載せて質問してみると、伊賀型箱棟と言う様式らしいことが分かった。
隣に2階建ての建物が隣接しているのもほぼ共通している。
その内部がどうなっているのか、見てみたかった。

神山温泉から大日寺までは、県道21号をそのまま進むルートと、喜来から県道207号に入るルートの二つがある。
私達は距離が近そうな県道207号を選んだけれど、このルート沿いには一休みできる場所が何処にもなく、アップダウンも多い道をひたすら歩き続けるしかなかった。
それでも、目に入る風景は何処も美しく、直ぐ横を清冽な川が流れ、楽しく歩ける。


何の特徴もない山里の風景に惹かれる


途中ではお接待でミカンをいただいた。
歩きながらそのミカンを食べる。
みずみずしくて、とても甘いミカンだ。
毎年、年末にはネット販売でこちらのミカンを取り寄せているけれど、やっぱり現地で食べる美味しさは格別である。


こんな急斜面にも畑が作られている

急な斜面に何段にも石垣を築き、僅かばかりの畑を作っている様子には驚いてしまう。。
ここまでして山深い土地に先祖代々暮らしている人々がいることに、北海道とは全く違う歴史の古さを感じさせられるのだ。

3時間歩き続け、ようやく川の縁の護岸で座って休めそうな場所が見つかった。
そこで一休みし、更に30分ほど歩いて大日寺に到着。
大日寺は特に見るべきものもなく先に進む。

その先で渡った鮎喰川は美しい川だった。
これならば、少々遠くなっても鮎喰川沿いの県道21号を歩いてきた方が楽しかったかもしれない。


鮎喰川の美しい流れ


常楽寺の流水岩の庭

14番常楽寺の境内は岩盤が剥き出しになった荒々しい風景に圧倒される。
流水岩の庭と呼ばれている。
そちらの方に目をとられて、境内のアララギの巨木の上に祀られている大師像を見逃してしまったのは残念だった。

直ぐ近くの15番国分寺と16番観音寺を続けて回る。
その先、セブンイレブンのイートインでようやく遅い昼食を食べる。

そうして今日の最終目的地である井戸寺に午後2時半に到着。
今日はここの通夜堂に泊まらせてもらう予定にしていた。


中央の小屋が通夜堂

参拝を済ませてから納経所に通夜堂の宿泊を申し出ると、ここでもあっさりと認めてもらえた。
もしも先客がいて断られたりすれば、慌てて他の宿泊場所を探さなければならない。
普通の宿のように予約もできないので、通夜堂への宿泊を当てにして行動するのはリスキーなのである。

宿泊のOKはもらえたけれど、その通夜堂を見て驚いてしまった。
そこは本堂と大師堂に挟まれた4畳半程の小さな小屋だった。
大きさは十分だけれど、問題はその場所である。

小屋の周りを参拝者が歩き回り、おまけに小屋の壁に記帳台のようなものが取り付けられているので、そこで納め札を記入する人もいる。
窓は曇りガラスになっているけれど、人影ははっきりと見える。
人が居なくなるまで、その小屋の中で息を潜めているしかなかった。


通夜堂の中で食べる質素な夕食

無料で泊まるのだから、これくらいは我慢するしかない。
午後5時近くになって参拝者も減ってきたので外に出てみると、この寺の檀家さんらしきおばあちゃんが「近くに何でも売っている店があるから、そこで食べ物とかが買えますよ」と親切に教えてくれた。
通夜堂に泊まるお遍路さんを見慣れているのだろう。

その「何でも売っている店」ローソンで買い物をして、通夜堂に戻り、ビールで乾杯し夕食。
そして明日の宿を予約し、今日の日記を付け、最後にもう1本ビールを飲んで就寝。
これが毎日のお遍路のルーチンとなる。
普通の宿の泊まった時は、これにお風呂と洗濯がプラスされ、いずれにせよゆっくりできる時間はあまり無いのだ。

ここのトイレはお墓の隣にあるので、暗くなってからヘッドランプの明かりだけでトイレに行くのは結構怖かった。


5日目へ >  

ページトップへ