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四国お遍路 5日目(11月2日)

井戸寺通夜道 7:00 ~ 民宿鶴風亭14:30
移動距離 : 33.4キロ
参拝札所 : 18番恩山寺、19番立江寺
宿泊 : 民宿鶴風亭 1泊朝食付き4500円 (予約の手違いで夕食抜き)
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初の30キロ越え

この日の移動距離は30キロ以上、最初の札所までは19キロ、そしてそこまでは徳島市内中心部を通り抜けなければならない。
午前6時20分に井戸寺を後にして、まずはコンビニで行動食を仕入れる。


鮎喰川を渡って徳島市内へ入る

そうして朝早くに徳島市内を抜け出すつもりでいたが、ちょうど通勤ラッシュの時間帯に中心部に突入してしまう。
慌ただしく行き交う背広姿のサラリーマンや制服姿の学生の中をお遍路装束で歩くのは、何となく浮き上がっている気がして落ち着かない。

途中で、私達の後を追いかけてきた女性から缶ジュースをいただいた。
小さな公園があったのでそこで一休みし、そのジュースを飲む。

ようやく徳島市内を抜け出し、郊外の国道へ出てきた。
ガストが目に入ったので、そこでコーヒータイムにする。
お遍路姿でファミレスに入るのも違和感があるが、街の中をずーっと歩いて来ると大して気にならなくなるのだ。

橋の上から川をのぞき込むと、亀が何匹も甲羅干しをしていた。
北海道からやって来ると、そんな風景にも喜んでしまう。


休憩所の中に飾られた花

交通量の多い国道をひたすら歩き続け、JR牟岐線の陸橋上に休憩所があったのでそこで一休み。
遍路道沿いにはこの様な休憩所が所々にあって助けられる。
「へんろみち保存協力会」で発行している地図には、休憩所の場所が載っているので、それを見ながら途中の休憩ポイントを決めるのである。

10時50分頃にようやく国道から離れられてホッとする。
そうして山道を少し登り、11時15分に18番恩山寺に到着。

今日は移動距離が長いので、さっさと参拝を済ませて先を急ぐ。
恩山寺から少し下ったところで無人販売所を見つけ、1袋100円のミカンを購入。
そこから山道に入った小さな峠の頂上に、弦巻坂の看板が立っていた。
そこには、「義経軍がここの坂で敵がいないことを確認し弓の弦を巻かせた」との義経伝説の説明が書かれていた。


工事現場の詰め所で休ませてもらう

何の変哲もなく見える山道にも、そんな謂われがあることに感心する。

一旦里まで下り、もう一つ小さな峠を越えたところに休憩所があったので、そこで昼食にする。
この休憩所は、近くで工事をやっている業者さんが用意してくれているもので、本当にありがたい。

そこから間もなくして19番立江寺に到着。
参拝を済ませて、この後は予約してある勝浦町の民宿鶴風亭を目指すだけである。
しかし、ここまでで既に23キロ歩いていて、宿までは更に10キロ歩かなければならない。
果たして、それだけの距離を歩けるのかが心配だった。


立江寺の山門



田園風景の中は歩いていても疲れない

それでも、田んぼの広がる田園風景を眺めながら歩ける道だったので、疲れもそんなに感じずに歩くことができた。
しかし、4キロ先で国道に合流した後は楽しめる風景もなくなり、ただひたすら黙々と歩き続けるだけとなる。

途中で宿に電話を入れると、翌日の予約と勘違いしていたことが判明。
泊まることはできるが、食事の用意はできないとのこと。
でも、コンビニが近くにあるし、私達にしてみればその分安く泊まれるので、かえって良かったかもしれない。

足が次第に動かなくなってきた。
こんな時はダラダラと歩くよりは、スピードを上げて早く宿に着いた方が楽になる。
そう思って少し歩くスピードが上げたが、かみさんが付いてこない。
疲れているのだろうと思ってゆっくりと歩くようにしたが、かみさんもゆっくり歩くので距離は離れたままだ。


まだまだ先は長い

2人で歩く時は、普段でもかみさんは私と距離をおいて歩く傾向がある。
別にそれでも良いのだけれど、2人でお遍路で歩いている時は「奥さんを置き去りにして自分勝手に先に歩いていく冷たい夫」と見られそうで嫌なのである。

「もう少し早く歩けないの?」と声をかけたところ、かみさんは突然怒りだし「歩幅が狭いんだからしょうがないでしょ!」と言って怖い顔をして先に歩いて行ってしまった。
私は謝りながら、慌てて後を追いかける。
「もう、どんなことがあってもかみさんの前を歩かないようにしよう」
私は心に誓ったのである。

そうしてコンビニで買い物してから、午後4時に宿に到着。
予約日を間違えたことを謝られたが、ご夫婦ともとても良い方で快適に過ごさせてもらった。

そして何時も通りのルーチンをこなす。
最初に計画を立てた時、1日に歩く距離を25キロ前後に設定して、適当な宿泊場所が無い時は頑張って30キロくらいは歩くように考えていた。
そして平均時速4キロで考えれば、大体の行動時間は見当がつく。
しかし、そこではあくまでも平面的に考えていて、高低差は殆ど気にしていなかったのである。

焼山寺の遍路ころがしの道を歩いて、場所によっては時速2キロでも歩けないことが解ってきた。
明日の鶴林寺は山寺で、そこへの道も遍路ころがしと言われている。
今日は当初計画より長く歩いたので、明日の歩く距離が少し短くなったのが救いだった。


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