| 眺めが良いと言う評判を聞いていたので、現地に着いてそのサイトを見たときはちょっとガッカリしてしまった。
夷王山は、日本海にちょこんと突き出した岬状の丘陵地で、全体が牧草地となっているので展望も利いて、眺めの良い場所である。しかし、キャンプ場はこの丘陵地の谷間部分に造られているものだから、サイトからは周りの風景が何も見えないし、逆に圧迫感さえ感じるかもしれない。
ただ、谷間に位置しているおかげで風が遮られるメリットもあり、我が家が訪れた時はやや風の強い日だったにも関らず、サイトでは微風が吹きぬける程度に風が弱められていた。
実は帰る間際になって気が付いたのだけれど、眺めの良いサイトは他にあったのである。
そこはレストハウス横の広場部分である。
夷王山への道を登ってくると、一段下がった谷間の部分にあるキャンプ場が最初に目に入る。その時、キャンプ場と反対側にはレストハウスの看板が立っていて、そこから上に登る分かれ道があるのだけれど、キャンプ目的でここに来るような人は、躊躇わずに下に見えているキャンプ場へ行ってしまうだろう。
レストハウス横は正式なサイトではないのだろうけれど、トイレの建物も別にあるし、水場は小さな水飲み台が一箇所あるだけだけれど、キャンプをするのに何の問題も無い。
上ノ国町のホームページでは、ここの写真がキャンプ場のページにも使われているので、正式なサイトとしても認められているみたいだ。
何も遮るものが無いので、風が強い時は大変そうだけれど、その代わりに素晴らしい展望を楽しむことができる。
我が家はそのサイトの存在に気が付かなかったものだから、谷間のサイトにテントを張った。
こちらの方は、風が遮られるのと、オートキャンプができるのが利点である。
下に向かって幅が狭まる谷の地形に合わせて段々畑状にサイトが作られていて、そこに車を乗り入れられることができる。
全面が芝生地なのかと思ったが、良く見ると車を乗り入れる部分が砂利敷きになっていた。その部分の数を数えると全部で10台分のオートキャンプスペースがあるみたいだ。
段々畑の一番上は広い芝生広場になっていて、野外卓や野外炉が置かれ、奥には木製の遊具もある。
小さいながら駐車スペースもあるので、そこがフリーサイトと言った感じだけれど、全体に傾斜しているのでテントを張れそうな場所は少なかった。
トイレは一番下の森林学習館という建物の中にある。その森林学習館よりさらに下に、背の低いカシワなどが密生する小さな森があり、その中には散策路も作られている様だ。
サイトの周りは牧草地で、隣には牛も放牧されていた。その牧場の牛舎のような建物も近くにあり、風向きによっては牧場の芳しい香りも漂ってきそうだ。
サイトからの展望が利かなくても、ちょっと上まで登れば素晴らしい風景が広がり、近くの「北海道夜明けの塔」からは素晴らしい朝日も楽しめる。
ここからの朝日を楽しむのならば、秋のシーズンの方が良いだろう。山間を縫うように流れる天の川が、ちょうど朝日に照らされて輝いて見えるのである。
谷間のサイト自体にこれと言った魅力は無いけれど、夷王山全体を含めるとなかなか魅力的なフィールドである。 |