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10年目のリベンジ霧多布キャンプ

霧多布岬キャンプ場(10月7日~8日)

別寒辺牛川を下り終え、厚岸の道の駅コンキリエで少し遅い昼食にする。
GoToトラベルの効果なのか、駐車場には大型バスが停まり、2回のレストランにも行列ができていた。
私達は行列を嫌って比較的空いていたオイスターバール ピトレスクに入り、かき照り焼き丼を食べる。

かき照り焼き丼
昼食はかき照り焼き丼、生牡蠣も付いていた


昼食を済ませ、厚岸のスーパーで買い物を済ませ、霧多布岬キャンプ場へとやってきた。
バンガローに囲まれたテントサイトには既に何張りかのテントがあったけれど、私がテントを張ろうと思っていたのは、その隣のペット可になっているサイトである。

そちらの方が邪魔なバンガローが無い分、周りの風景を楽しめるのである。
10年前にそこにテントを張った時、当時の管理人から「ここはペットを連れたキャンパーでないとテントを張ったら駄目だ」と言われ、大喧嘩になった曰く付きのサイトである。
その時は「2度とこんなキャンプ場には来ない」と言い残して他のキャンプ場へと移動したのだが、それから10年経って再びやって来たのだ。
現在の管理人さんは、勿論そんな理不尽な事を言う訳もなく、優しく受け入れてくれた。
ただ、別寒辺牛川で悩まされた南からの強風はここでも変わらず、テントを張るのに苦労させられる。

ここで地元の浜中町に住んでいるFB友達のたかやんから連絡が入り、霧多布温泉ゆうゆで川下りの汗を流してから、たかやんの家へと遊びに行く。
昆布漁師に町会議員にツアーガイドと三足のワラジを履くたかやんとは、5年前に一緒に釧路川を下ったことがあるだけで、直接会うのはこれが2回めだ。
と思っていたら、札幌の秀岳荘で買い物中に一度会っていたことを思い出す。

サンセットカヌーツアー
風と土のナベタカ」のサンセットツアーの様子


別寒辺牛川で疲れ果てて、雲も少し広がってきていたので、予定していた夕方のサンセットカヌーを中止にしたのだけれど、それをやろうと思いついたのは、たかやんのサンセットツアーの写真に刺激されたからなのだ。
色々と話しをし、花咲ガニをお土産に貰ってテントまで戻ってきた。

花咲ガニ
久しぶりに食べる花咲ガニ


既に日は沈み、辺りは真っ暗。
この日の夕食は、昼食が遅かったので、お酒を飲みながら何かを食べようということにしていた。
そこで早速、たかやんから貰った花咲ガニを二人で黙々と食べる。
車を運転しなければならないので今まで我慢していたビールもようやく解禁。

カニの後は、昨日白糠で買った鹿肉ロース。
かみさんがそれをサラダ仕立てと煮込み風の料理に仕立ててくれる。


鹿肉のブロックを切り分ける


風も弱まってきたので、ようやく焚き火を始められた。
この焚火で花咲ガニの殻を全て片付けることができた。
ここのキャンプ場ではゴミが捨てられず、明日はホテル泊。
その間、カニの残骸を車の中に積みっ放しにしていたら、大変なことになっていたことだろう。

霧多布岬キャンプ場
焚き火でカニの殻を燃やすかみさん


空を覆っていた雲が少し取れて、星空が見えていた。
地球に最接近している火星が赤く輝いている。
今回の道東の旅では、その火星の写真を撮ることも楽しみにしていたのである。
クルクルと回ってくる灯台の光が煩かったけれど、それも良いアクセントになってくれた。

霧多布岬キャンプ場
一番明るいのが火星



翌朝、漁船のエンジン音で目が覚めた。
たかやんから昆布漁の漁期は今月の10日までと聞いていたので、出漁時間の午前5時前に起き出す。
辺りはまだ薄暗い。
5時を過ぎても、漁に出ていく船は数隻程度だ。

霧多布岬
まだ薄暗く漁船の数も少ない


雲が多いので、「こんな日は昆布を乾かせないから漁には出ないのかな」と思っていたら、午前5時20分頃になってようやく沢山の漁船が現れた。
少しでも良い漁場を確保しようと、まるでボートレースのように疾走する漁船の様子は霧多布岬の夏の風物詩の一つにもなっている。
しかし、漁期も終わりに近づいたこの時期は、漁船の数も減り、そのスピードもゆっくりとしたものに見える。
この中にたかやんも混ざっているのだろう。

霧多布岬
漁期終盤、昆布漁船の数も少ない


霧多布岬キャンプ場の憧れのサイトだったけれど、実際にテントを張ってみると期待していたほどのものではなかった。
なんと言っても、サイトの真ん中にあるドッグランの柵が目障りで、テントを張れる平らな場所も限られている。

霧多布岬キャンプ場
ドッグランが邪魔くさく感じる


しかも、地面はデコボコで、寝ている間に身体が痛くなってしまった。
隣の駐車場に出入りする車も気になるし、灯台の光も煩わしい。
多分、次回はもう無いような気がする。

霧多布岬キャンプ場
ロケーションはそれなりだけど・・・


今日はGoToトラベルを利用して川湯温泉の安宿に泊まる予定。
特に何処かへ行く予定も無かったので、朝食を済ませてからゆっくりと撤収開始。
それでも、露も降りずにテントが乾いていたのであっさりと撤収も完了し、午前8時にはキャンプ場を後にした。

きりたっぷ展望台で写真を撮っていると、海面で動く黒い影が気になった。
水鳥ではなさそうだし、アザラシだろうか。
カメラで撮影した画像を目一杯拡大してみると、どうやらラッコのようだ。
自然の状態のラッコを見るのは初めてだったが、如何せん小さ過ぎる。
肉眼では海面に漂う黒い点にしか見えない。

霧多布岬
この風景の中に1匹のラッコがいてもなかなか気が付かない


旅を終え、家に帰って留守中の新聞に目を通していたら、タイムリーなことに霧多布岬のラッコの記事が載っていた。
周辺には6頭のラッコが棲みついているようで、その記事の中にはたかやんのコメントもあって、何となく嬉しくなった。


タイムリーな新聞記事


霧多布岬には馬が放牧されている。
昔は、昆布漁の時に荷物を運んでいたらしい。
日高の牧場で放牧されているサラブレッドと違って、ごつい馬体の割りには何となく可愛らしく見える。

霧多布岬
馬の姿を見られるのも嬉しい


アゼチの岬にも寄り道。
「ここに来るのは初めてだね」なんて会話を交わしていたけれど、10年前の写真を見てみると、岬の看板と一緒に同じ様な写真を撮っていたのである。
これでとりあえず霧多布観光はコンプリート。

アゼチの岬
アゼチの岬で記念撮影



特に目的も無いまま北太平洋シーサイドラインを東に向かって車を走らせる。
相変わらず難読地名が連続する。
とりあえず初田牛(はったうし)辺りから国道に入ろうと思っていたが、いつの間にか初田牛を通り過ぎて別当賀まで来てしまった。
ついでなので客車を利用した駅舎の別当賀駅にも寄ってみた。
そこで、今まで別当賀を「べつとうが」と読んでいたのは間違いで、正しくは「べっとが」だったことを知ることとなったのである。

別当賀駅
別当賀(べっとが)駅の駅舎


そこから国道に出て川湯温泉に向かおうとしたら、かみさんが道の駅スワンに行きたいと言うのでUターン。
昼飯は何処で食べようかとの話になり、かみさんが「ここまできたら根室まで行っても良いんじゃない」と言うので、結局根室の回転寿司花まるまで行くこととなった。
全く、行き当たりばったりの旅である。

昼食には少し時間が早かったので、途中の春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターに寄ってみる。
春国岱の中は何度か歩いているけれど、ネイチャーセンターに隣接する森の中は歩いたことが無かったので、そこを一回りすることにした。
苔生した倒木や切り株、その中で色々なキノコが育ち、エゾシカがキョトンとした顔でこちらを見ている。
丁度良い時間になったので根室に向かった。

春国岱野鳥公園
野鳥公園の森の中でエゾシカとご対面


回転寿司の花まるは道内各地や東京にも支店がある人気の回転寿司屋である。
私達はかなり前に根室の店に一度だけ入ったことがあったけれど、その時に食べたホタテの美味しさは今でも覚えている。
その時に入った店とは場所が変っていたけれど、その美味しさは今も変っていなかった。

回転寿司はな丸
贅沢にホタテが倍量乗っている握り


ここまで来たら春国岱を素通りする訳にはいかない。
北海道の中で一番好きな場所は?と問われたら、私は躊躇わずに春国岱と答えるだろう。
10年前に春国岱の先端まで歩いて野営したことは、鮮烈な記憶として残っている。
真冬にも一人でここを歩いてテントを張ったことがあり、それだけ私にとっては魅力的な土地なのである。


サンゴ草が赤く色付く


そんな事などを思い出しながら湿原の中に続く木道を歩く。
木道沿いでアッケシソウが群落を作って赤く染まっていた。
アッケシソウといえば能取湖の群落が有名だけれど、サロマ湖やコムケ湖でも小さな群落を見たことがある。
ここももう少し群落が広がれば、人を呼べるだろうけれど、春国岱の魅力の一つは観光客が少ないこと。


春国岱の立ち枯れたマツの風景


野付半島のトドワラは有名だけれど、マツの立ち枯れた風景ならば、こちらの方が何倍も見応えがある。
それなのに訪れる人も少なく、のんびりとそんな風景を見て回れるのだ。


アカエゾマツコースの木道沿いでは根返りで倒れたアカエゾマツが目立つ


今回はキタキツネコースがぬかるんで歩けなかったので、アカエゾマツコースだけを歩いて軽く済ませた。
そうして川湯温泉で1泊し、翌日は釧路川源流部を下るのである。



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