我が家のファミリー通信 No.47

道東の旅(釧路湿原編)


1月下旬になって突然釧路行きを思い立った。
主な目的は去年と同じく釧路川の川下り。
仕事のスケジュールにも空きが多い時期なので、二日の休みを取って3泊4日の日程で道東を回る計画を立てる。
そして週刊天気予報を見ながら最終的に日程を決め、宿を予約したのが出発一週間前。おまけに、出発前の2日間が連続して飲み会だったため、何も準備が出来ないままその日の朝を迎えてしまった。

雪の降る中、カヌーを積み込み出発 10センチほど積もった道路の雪を除雪し、その後に雪の中からカヌーを掘り出して車に積み込む。
その間にも雪は降り続け、車に積んだカヌーも雪に覆われる。
そんな作業は大して苦にはならないのだが、この雪の降る中でカヌーを積んでいる姿を隣近所の人から奇異な目で見られるのが恥ずかしかった
途中で忘れ物に気が付いて引き返したりして、最終的に自宅を出発した時は午前8時前になっていた。

平日なので高速道路の半額割引も適用されず、少しでも節約するため、途中の占冠ICで一旦高速を降りてからまた乗り直し、ETCの通勤割引と昼間割引を両方適用する姑息な技を使う。
最終の浦幌ICで降り、国道392号を走って白糠へと向かう。
去年1月の道東遠征11月のYAMANONAKAキャンプと、最近はこの道をしょっちゅう走っている気がする。

茶路川のタンチョウ沿線には旧白糠線の橋梁など気になるポイントも多いのだけれど、時間を節約するため、今回は第6茶路川橋梁の写真を撮っただけ。
チーズを買うために何時も立ち寄る酪恵舎も素通りして先を急ぐ。

1年前には横を流れる茶路川でタンチョウの夫婦を目撃していた。
「さすがに今年はいないみたいだな〜」とその場所を通り過ぎた時、かみさんが「えっ!いたわよ!」と言うので車をUターンさせる。
去年と殆ど同じ場所にタンチョウがいてくれて、何だか嬉しかった。

出発前の予定通り白糠町のレストランはまなすで昼食にする。
道東道が繋がったおかげで、朝に札幌を出れば、おおむね昼頃には白糠町に着くのである。
去年の11月に初めてここに入った時は、メニューの多さに選ぶのに苦労させられたが、今回もまた同じだった。
勿論、去年食べたのとは違うものを注文したけれど、やっぱりこの店では何を食べても美味しいと言うのが私達夫婦の結論だった。

伊藤タンチョウサンクチュアリ鶴居村では伊東タンチョウサンクチュアリへ。
またまた去年と同じ行動パターンだけれど、このルートで塘路へ向かえば立ち寄る場所はどうしても同じになってしまう。
実は、今日泊まる予定の「とうろの宿」から、「もしかしたら釧路川が凍結しているかもしれない」と言われ、その場合は釧路川は諦めて、鶴居村に泊まってタンチョウ撮影でもやろうと考えていた。
その後、大丈夫だとの連絡を受けて、予定通りとうろの宿に泊まることになったのである。
しかし、伊東タンチョウサンクチュアリでカメラを構える人達を見て、大砲のようなレンズを買わない限りは彼らに混ざってタンチョウ撮影をすることなどできないと思い知らされた。


タンチョウの親子 タンチョウの求愛ダンス?
親子のタンチョウが多かった タンチョウの求愛ダンス?

コッタロ湿原展望台大した写真も撮れないままサンクチュアリを後にして、塘路へと向かう。
途中でコッタロ湿原展望台に登ってみることにする。
ここでようやく、去年と違う行動をとることができた。
スノーシューを履こうと思ったが、展望台まではしっかりとした踏み跡ができていて、長靴のままで登れそうだ。
ストックだけを用意して、そのまま展望台へ続く階段を登る。

冬の湿原風景はとても寒々として見える。
既に太陽も西に傾き湿原に日が当たっていないので、余計にそんな印象を受けるのだろう。
生き物の気配も感じられず、カラスが上空を舞っているだけだ。
そのカラスの鳴き声が、何となくハクチョウやタンチョウの声に似ていた。
ここへ来る途中でも、そんなカラスの鳴き声を聞いており、釧路湿原のカラスは自然とそんな鳴き真似をするようになるのかと可笑しくなった。


コッタロ湿原 コッタロ湿原展望台
寒々としたコッタロ湿原 展望台を下りる

エゾシカだらけその後は、明日の川下りのスタート地点や二本松橋から川の様子を下見する。
コッタロの展望台では生き物の気配を感じなかったが、ここでは気配どころか、エゾシカが次から次へと道路上に現れて驚かされる。
脇を見ると、そこらじゅうエゾシカだらけである。
こんなところでシカと交通事故を起こしても堪らないので、ゆっくりと車を走らせる。

去年はここの、二本松の丘の上から夕陽を見ていた。
今回は日没までまだ時間があるので細岡の展望台まで足を延ばし、そこから釧路湿原に沈む夕日を楽しむことにする。
その途中、細岡のカヌーポートまでやってきて目の前の光景に唖然としてしまった。
何と、釧路川が完全に結氷していたのである。
明日の川下りのゴールに予定していた場所である。
最近の寒さで、今年こそは真っ白な樹氷の中での川下りを楽しめると喜んでいたのに、その寒さが災いしたようである。
明日の川下りは予定していたコースを短縮するしかなさそうだ。

細岡展望台から見る釧路湿原細岡の展望台は冬の間でも車で近付けるのでありがたい。
展望台ではキタキツネが出迎えてくれた。
人馴れしているようだけれど、観光キツネの様な卑しさはない。
冬毛に覆われたその姿には野生の逞しさを感じる。

風がまともに吹き付ける展望台は猛烈に寒く、私が撮影している間、かみさんは体を温めるために展望台の中をぐるぐると走り回る。
遠く雌阿寒岳や阿寒富士がピンク色に染まる。
そこから見える釧路川も全て氷に覆われているようだ。
冬の釧路湿原を赤く染めながら、夕日が地平線の下へと沈んでいった。


釧路湿原の落日
釧路湿原を赤く染める夕日

キタキツネ 夕日に染まる阿寒の山
細岡展望台に現れたキタキツネ 夕日を受けてピンクに染まる阿寒の山

この日泊まった「とうろの宿」は初めての利用だったけれど、共通のカヌーイストの知り合いもいて話も弾む。
翌朝、テラスに取り付けられた温度計はマイナス20度まで下がっていた。
夜明けの塘路今日の川下りはオーナーと相談して、途中からアレキナイ川を遡って塘路まで戻ってくるコースに変更した。

テラスからはそのアレキナイ川が、真っ白な樹氷に包まれた木々の間に見えている。
釧網本線を走る電車が、雪煙を巻き上げながら通り過ぎる。
薪ストーブを燃やしている家の煙突からは真っ白な煙が立ち上っている。
厳しい冬の冷え込みを感じさせる風景が広がっていた。

オーナーからは、暗いうちに宿を出て川の上で日の出を迎えると言う案も出されたが、さすがにそこまでする若さはない。
早めに朝食を出してもらって、それからオーナーの運転する車で今日の川下りのスタート地点へと向かった。

川下りの様子はこちら 


宿で寛ぐ 樹氷の中を電車が走る
宿で寛ぐ 樹氷の中を一番電車が走ってきた

標茶町郷土館川下りのコースが当初の予定より短くなったので、上陸した時はまだ午前10時半。
SL冬の湿原号が午前11時54分に塘路駅にやってくるので、せっかくなのでその写真も撮りたかった。

それまでの時間を利用して宿で教えてもらった「標茶町郷土館」を見学する。
各地の郷土資料館を見て歩くのが好きな私たちにとって、こんな素晴らしい資料館を今まで見過ごしていたとはうかつだった。
建物自体も明治19年建築の歴史的建造物。それで無料で見学できるのだから恐れ入る。
隣接する旧駅逓の内部も一見に値するものだ。

その後、SL撮影ポイントを探して、再び二本松の方へと車を走らせる。
途中の踏切は、同じ目的のカメラマンで既に一杯だった。
そこならば迫力のある写真が撮れそうだけれど、群れの一員となるのは好きじゃないので、無視して通り過ぎる。
SL冬の湿原号時間さえあれば、スノーシューで山の中に分け入ってもっと良い場所を探すところだが、今回はSL撮影はおまけである。

周辺の湿原は相変わらずエゾシカだらけで、まるでエゾシカ放牧地の様相を呈している。
そこでエゾシカとSLを一緒に撮影することにした。
結局、大した写真は撮れなかったけれど、こんな時は本格的な望遠レンズが欲しくなる。
ただ、そんなものを買ってしまうと、どうしても行動が制限されそうな気がする。
私には、ズームレンズを取り付けたカメラ一つを持って、あちらこちらと歩き回りながら撮影する方が性に合っているかもしれない。

これで釧路湿原周辺で予定していたイベントを全て終了したので、次の目的地根室へとむかうことにした。
(2012年2月3日〜4日)

道東旅行(釧路湿原編)の写真へ 


SLとエゾシカ
SLが通り過ぎるのも気にしないエゾシカ達

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