荒井岳から北海岳までは初めて歩く区間である。
トムラウシや忠別岳、白雲岳も雲に隠れて、御鉢平側の山しか見ることができない。
北海岳への緩やかな坂を登っていく。
登るにつれて周りの風景が次々と移り変わり、余計に足取りが進む。
10時15分、北海岳山頂に到着。
昨日よりも雲が少なく周りの山々もよく見える。
でも、黒岳はもう少しで雲海に呑み込まれそうだ。
北海岳を下っていくと、一目で登山者とは違うタイプに見える人が登ってきた。
いわゆるトレイルランナーなのだろうか。
その次にすれ違った男性もランナーに見える。
「あれ?もしかして!」と思ったら、その後に現れたのはやっぱりこうめさんだった。
驚いたのは、同じカヌークラブのK鍋さんご夫妻も一緒だったことだ。
川の上でしか会ったことがないのに、山の上での久しぶりの再会と言うのもおかしなものである。
皆さんと別れて、北海沢まで下ってきた。
その北海沢に流れ込む小さな沢。
石室の管理人さんからその沢の水はとても美味しいと聞いていたところだ。
まだ雪渓に覆われているけれど、管理人さんの話ではその雪渓の陰で○○をした登山者がいるらしい。
確かにそこには周りから死角になるスペースがありそうだ。
その事は考えないことにして、火照った体をその沢水で冷やすことにした。
頭を沢水に付けるとその冷たさで痺れそうになる。
その後は昨日と同じ風景に再び感動しながら、テン場まで戻る。
昨日は苦労して登った最後の上り坂も、荷物を背負っていなければ全く苦にならなかった。
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