北海道キャンプ場見聞録
岩越山(2025/03/18)
ラッセル助っ人を誘って
去年一人で登って、オープン斜面までのラッセルと、斜面のクラストした雪に苦しめられた地元の岩越山。
前日に30センチ近い降雪があり、天気も安定していたので、かみさんを誘ってリベンジすることにした。
誘ったといえば聞こえは良いが、斜面までのラッセルを少しでも助けて欲しいとの下心があったことは否定できない。
町営育成牧場の横から雪の積もった道路の上を歩いていく。
昨日降った雪は溶けたり風で飛ばされたりしたのか、ラッセルの深さはくるぶし程度だ。
前日の雪が無ければ、路面も出ていたのだろう。
ストックが地面を突く感触が伝わってくる。

ラッセル隊長のかみさんが先を歩く
高速道路の下を抜けるトンネルは、吹き込んだ雪が端の方に溜まっていて、スキーを履いたまま通過できた。

行きも帰りもスキーを履いたままで通過できるのは嬉しい
高速道路を過ぎて400mほど進んだ辺りから直角に曲がって、森の中に続く細い道を進んでいく。
その途中で道から外れて森の中に入っていくのだが、道の両側にはバラ線が張られていて、沢をいくつか渡るので、その場所は限られている。

両側にバラ線が張られた道
去年一度歩いているので、迷うことなく森の中へ入っていく。
森の中には小さな沢が流れているので、私が前に出てルートを決める。

森の中は私が前に出てルートを決める
そしてその森を抜けると、牧草地らしい雪原に出てくる。
次第に大きく見えてきた山を目指して、その雪原を斜めに横断。

岩越山に向かって雪原を横切る
雪原を過ぎると見覚えのあるミズナラの巨木が堂々たる姿で待ち構えていた。
ここまでも標高で160mほどをダラダラと登ってきていたが、この先は傾斜も急になってくる。

お馴染みのミズナラの巨木
遠くからスノーモービルの音が聞こえてくるのが気になっていた。
私達が目指しているオープン斜面にスノーモービルの走った跡があるのを、今年になって2回見ているのだ。
苦労して登っていった場所がスノーモービルで荒らされていたらガッカリである。

家の窓から望遠レンズで覗くと斜面にはスノーモービルの跡が
カラマツ等の林の中を登っていくと最後に林道へと出てくる。
前回もそうだったけれど、林道へ上がる部分が樹木も多く傾斜も急なので、結構苦労させられる。
そうして苦労しながら上がった林道にはスノーモービルの跡が残っていた。
少し雪を被っている様子を見ると、昨日付けられた跡のようだ。

林道の上にはスノーモービルの跡が
その林道を過ぎた先に目指すオープン斜面が広がっている。
そこにもスノーモービルの跡が残っていたが、風に吹かれて殆ど消えかかっていた。
ここも私が前に出て斜面を登っていく。
去年ほどではないけれど、ところどころにクラストしているところがある。
雪が降った後にそんなに強い風は吹いていないはずなのに、ここの斜面は風が吹き抜ける場所なのだろう。
クラストしていなくても、積もっている雪は浅い。

斜面上のスノーモービルの跡は殆ど消えかかっていた
斜面の傾斜が結構急なので、かみさんが不安そうな顔をしている。
先月に滑った新得山スキー場では、急な斜面を怖がり横向きになって降りてきたような有り様。
今日は登ることよりも、かみさんを無事に下まで連れ帰ることが問題となりそうだ。
何とか、尾根の上まで登ってきた。
去年はこの辺りまで登ってくるのに2時間半かかって、ここで力尽きてしまった。
今回は2時間弱しかかかっていないので、もう少し上まで登ってみる。
しかし、標高730m付近まで登ってくると、そこから先は更に傾斜が急になりそうなので、かみさんのことも考え今日はここまでとすることにした。

最高到達点からの展望
岩越山の標高は934.7mなので、山頂までは後200mは登らなければならない。
時間にしてここから更に1時間以上はかかると思われ、岩越山登頂は難しいと思い知らされた。
尾根の上の林間は眺めも良くて陽射しもあるのでここで昼食にしようかとも思ったが、風が吹き抜けて少し寒いので、そのまま滑り降りることにする。
やや南向きになっている尾根の雪は、陽射しを受けて融けてきていた。

尾根の上の雪は融けてきていた
重たい雪に悪戦苦闘しながら尾根伝いに滑り降りるかみさん。
オープン斜面は北東向き。
尾根からちょっとだけでも北東斜面側に降りれば軽い雪になるのだけれど、尾根の上は傾斜も緩いのでかみさんの選択に任せておく。

かみさんは傾斜の緩い尾根の上を滑り降りていく
尾根から降りた後は、北東斜面を斜めに大横断するかみさん。
私もその後を追う。

かみさんは下の方をトラバースするように滑り降りた
クラスト気味の雪面もそれ程気にならない。
北東斜面の雪も流石に柔らかくなってきて、滑った跡の雪がコロコロと斜面を転がっていく。
コロコロと転がり落ちる雪を追いかけるように、かみさんも滑り降りていく。

重たくなった雪でも何とか曲がれている
そうして無事にオープン斜面の下まで降りてくることができた。
ここまできたら一安心。
何とか一番の問題を片付けることができた。

ここまで降りてきたら一安心
林道の上には新しいスノーモービルの跡が付いていた。
もしかしたら私達がスキーで登っているのを見て、別の斜面で遊んでくれていたのかもしれない。
林道から下の木々の間もそれなりに楽しんで滑ることができた。
ミズナラの巨木まで降りてきたら、後は登りのトレースの中を一気に滑り降りるだけ。

それなりの斜度があるので林間もまあまあ滑りを楽しめる
森の中に入ると丁度良いシラカバの倒木があったので、それに腰掛けて昼食のパンを食べる。
風もなく暖かくて気持ちが良い。
この森でのんびりと過ごすことだけを目的にスキーで歩いてくるのもありだ。

森の中でまったり
その森の中を抜ける道路部分は、傾斜が緩すぎてさすがに滑ることはできない。
それでも登り返しがあるわけでもなく、歩くのは苦にならない。
そこを過ぎれば後は一気に車を止めてある場所まで滑り降りることができる。

登りのトレースの中を気持ち良く滑ってきたけれど
と思っていたら、高速道路を過ぎた先の私達のトレースは、誰かがツボ足でその上を歩いたようで、デコボコにされていたのである。
これでは一気には滑られない。

私達のスキーのトレースの中をツボ足で歩いたようだ
高速道路のフェンスの点検にでも来た人が、丁度良いスキーの跡があったので、喜んでその中を歩いたのだろう。
まあ、誰でもそうするだろうから文句は無いけれど、ちょっとだけ余計な汗をかかされてしまった。
こんな感じの岩越山再チャレンジだったけれど、斜面までのアクセスが長いし、雪質はあまり良くないし、スノーモービルも入ってくるしで、3度目に訪れることはないかもしれない。