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前十勝(2023/02/25)

ガスが晴れたらパウダーが

カヌークラブの1泊バックカントリーツアーが企画され、私も今シーズン初めての泊りがけバックカントリーに参加させてもらうことにした。
集合場所は、今回の宿泊先である上富良野の町なかにあるフロンティアフラヌイ温泉駐車場。
これから向かう白銀荘の駐車場は、週末には激混みになるとのことで、そこから車に乗り合わせて向かうことになっていた。

札幌から出かけるのと比べると、清水町からは距離も短く道路も空いているので、気分的には全然違う。
集合時間が午前8時半なので、午前6時過ぎに家を出て「このままでは早く着き過ぎちゃうな~」と余裕で車を走らせる。
少し余裕を持ち過ぎて、到着した時には午前8時を少し過ぎてしまい、メンバーの中で私が一番遅くなってしまった。

前十勝バックカントリー
到着時はまだ山が見えていたけれど


指示されたとおりに慌てて荷物を積み替え、白銀荘駐車場到着は午前8時45分。
流石にこの時間だと、駐車場はまだ空いていた。

この日に登るのは前十勝。
午前9時10分にスタートし、アカエゾマツの森を抜けて前十勝の麓へと出てくる。

前十勝バックカントリー
アカエゾマツの森を抜ける


この日の参加者は総勢17名の大所帯。
これだけ大勢のパーティーで山に登るのは、大きな山岳会くらいしかないかもしれない。
大勢で登っていると「何処の山岳会ですか?」と聞かれることも時々あり、「カヌークラブです!」と答えると聞いた相手も「???」と困惑の表情を浮かべる。

前十勝バックカントリー
本格的な登りが始まる前に天気は下り坂に


到着時には、曇り空でもかろうじて山頂の姿は見えていたけれど、次第に雲が下がってきてその姿を隠してしまう。
私が前十勝に登るのはこれが4回目で、前回登ったのは5年前。
毎年のように登っている三段山の方は、全体の地形がほぼ頭の中に入っているので周りが見えなくなっても何処を登っているのかは大体見当がつく。

前十勝バックカントリー
この中の誰が自分たちのパーティーなのか良く分からない
 

 

前十勝の方は、最初のカバワラ尾根は分かるけれど、その先に行くと何処が何処なのかさっぱり分からない。
特に今日は、斜面も雲に覆われてきたので余計にだ。

一緒に登ってきたグループはカバワラ尾根に向かったようだが、私達のツアーは更にその先を目指しているようだ。
私は17名の団体の最後尾の方から登っていたので、誰が先頭で何処を目指しているのかまるで見当が付かない。

前十勝バックカントリー
雪も降り始める


雪が降り始めてガスも濃くなり、見通しはますます効かなくなる。
周りの雪はモナカになり、所々に吹き溜まりもできている。
あちらこちらで岩も顔を出していた。
下からなら岩があると分かるけれど、上から滑ってくると薄く雪が被っているので岩に気が付かないかもしれない。

前十勝バックカントリー
雪は悪いし、あちらこちらに岩も出ている


更にガスは濃くなり、完全なホワイトアウトになってくる。
流石にこの状態ではこれ以上は登れないと判断したようで、標高1280m付近から滑り降りることになった。
斜度は緩いけれど、雪は悪いし、岩も隠れているし、転んで怪我をしないようにひたすら慎重に滑るだけだ。

前十勝バックカントリー
滑り降りていく人の姿は直ぐに見えなくなる


下まで降りてくると少しはガスも薄くなって、カバワラ尾根のシュプールが見えていた。
そちらの方は雪も良さそうだ。
上の方はガスに包まれているけれど、立ち枯れたカバワラがあるので、それを目印に滑ることもできる。

という事でカバワラ尾根を登り返し。
そこにシュプールを描いていたグループは、沢を越えて隣の尾根へと移っていった。
商業ツアーのようで、流石にガイドさんは何処に良い雪があるのか分かっているようだ。

前十勝バックカントリー
カバワラ尾根もホワイトアウトだけれど、樹木を目印に滑ることができる


  

標高1300m付近から滑り降りることにする。
滑走準備をしていると日が差してきた。

再び日が隠れる前にと、大急ぎで滑り降りる。
ここでようやく良いパウダーに出会えた。

前十勝バックカントリー
日も差してきて雪も柔らかい


時間はまだ12時を過ぎたばかりで、このまま終わるのも勿体ない。
5名がそのまま下山することになったけれど、他の12名はもう一度登り返す。

前十勝バックカントリー
ガスの晴れたカバワラ尾根を登り返し


同じ場所まで登り返すつもりでいたけれど、次第にガスが晴れてきて、その更に上部の沢の中に描かれた美しいシュプールが目に飛び込んできた。
こうなると、そこまで登らなければ気がすまない。

前十勝バックカントリー
ガスが晴れると更に上にはこんな風景が


更に上の方まで良い雪が付いているみたいだが、再び雲が流れてきそうなのも気になる。
標高1300mで妥協することになった。

前十勝バックカントリー
ここは最高だった


沢の中にはパウダースノーがたっぷりと溜まっていた。
スキーを取られて危うく転びそうになったけれど、この雪ならば転んでも気持ちよさそうだ。

下まで滑ってくると、再び日が差してきた。
山頂付近には再び雲がかかっていたので、良いタイミングで滑れたようだ。

前十勝バックカントリー
日が差しているけれど山頂には再び雲が


午後1時20分に駐車場に到着。
この後は温泉と美味しいビールが待っている。



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