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塩谷丸山(2022/01/16)

好条件のホームグランド

荒れ模様の天気が一段落してようやく穏やかな一日となりそうなので、我が家のホームグランドとも言える塩谷丸山へ出かけることにした。
日曜日なので塩谷駅の駐車場が満車になる前にと早めに家を出たが、私達が到着した時には雪を被った車が1台停まっているだけだった。
私達が出発した午前7時半になっても他の車は入ってこなかったので、日曜日でもこの時間ならば駐車場の心配は無いだろう。

塩谷丸山で山スキー
塩谷駅駐車場を出発


15分ほどで除雪終点に到着。
もう少しで山陰から朝日が登ってきそうだ。
高速道路手前に広めに除雪されている場所があり、そこに停めてあった1台の車の人が先に登っている様子だ。

塩谷丸山で山スキー
突き当りが除雪終点


スノーシューのトレースがそこから続いていたので、それを使わせてもらう。
そのトレースが無かったとしても、前日のものと思われるスキーのトレースが5cm程度の雪を被って残っていたので、ラッセルの苦労は無かっただろう。

塩谷丸山で山スキー
先行者はスノーシュー1名、他は昨日のトレースと思われる


林の中から朝の光が射し込んでくる。
アカエゾマツ林の縁を登っていると、先行者のトレースが思わぬ方向へと曲がっていた。
昨日のスキーのトレースも同じ方向に向かっている。
スノーモービルの跡もあったので、もしかしたら他のトレースはスノーモービルの跡を追ったのかも知れない。

塩谷丸山で山スキー
朝日が昇ってきた


何時も登っているルートの方にはトレースが無かったけれど、スノーモービルが何処に向かっているのかも分からないので、ラッセルしながらでも何時ものルートを登ることにした。
ラッセルしても20センチ程度なのでそれほど苦にはならない。
間もなくして、再びスキーやスノーシューのトレースと合流。
やっぱりスノーモービルは他の方向へと向かっていたようだ。


 

この先で沢を渡るのだけれど、去年登った時はトレースに従って以前よりもかなり手前で沢を渡っていた。
今年もトレースは去年と同じルートに続いていたが、このルートの方が傾斜も一定していて登りやすいのである。
以前のルートは北海道雪山ガイドで紹介されていたものなのだが、現在はこちらの方が主流になっているのかも知れない。

塩谷丸山で山スキー
新しいルートの方が登りやすい


300m大地を過ぎると、いよいよ急な登りが始まる。
先行していたスノーシューの人が、ボードで滑り降りてきた。
かなり早くから登っていたのだろう。

塩谷丸山で山スキー
朝の光が雪面を照らす


トレースがあるとラッセルの苦労が減ることもあるが、自分でルートを考えなくて済むので気楽に登れるのが良い。
自分で考えるのも楽しみの一つではあるけれど、楽なのに越したことはないのだ。

この辺りは登るに従って枝ぶりの良い樹木が目立つようになり、私の好きな場所だ。
そんな風景が、急斜面を登る苦しさを忘れさせてくれる。

塩谷丸山で山スキー
良い森だ


今日は、私が前を登っているので自分のペースで登れるのだけれど、それでもやっぱり後ろからのプレッシャーを感じてしまう。
息切れが激しく何度も立ち止まっては息を整える。
かみさんが写真を撮っている間に差を広げるが、その後あっという間に追いつかれ、かみさんは息も乱れていない。

塩谷丸山で山スキー
登るスピードが私とは全く違うかみさん


登るに従って後ろに海が広がってくる。
この風景の変化も塩谷丸山の魅力の一つだ。

塩谷丸山で山スキー
後ろに海が見えてくる


標高が上がってくると周りの木々は樹氷に覆われ、山の風景を更に美しく演出する。
かみさんが新しいカメラでそんな風景を撮りまくっている。

塩谷丸山で山スキー
美しい風景が広がる


樹林帯を抜けるとノートラックの斜面が広がっていた。
雪は締まっていてその上にサラサラした雪が薄く積もっている感じだ。
ここを滑るのが楽しみになってくる。

塩谷丸山で山スキー
山頂近くのオープン斜面


山頂が近くなると、木々の樹氷もその厚さを増してくる。
枝先まで分厚い氷に包まれ、重たそうに枝を垂らしている。

塩谷丸山で山スキー
分厚い樹氷に覆われたダケカンバ


 

そうして午前9時35分、山頂到着。
塩谷駅の駐車場からおよそ2時間、除雪終点からだと1時間40分かかっていた。

塩谷丸山で山スキー
山頂到着


除雪終点からは1時間半で登ったこともあるが、それはかなり前の話。
条件の違いもあるので、タイム的にはまあまあだろう。
ただ、登っている時の激しい息切れは、これまでに無かったような気がする。

塩谷丸山で山スキー
山頂から見える余市の市街地と積丹岳


同じ時間で登れたとしても、体力的にはかなり落ちてきているようだ。
でも、この程度の体力の衰えは、トレーニングでまだカバーできるだろう。
今回の息切れは、自分への発奮材料になったような気がする。

塩谷丸山で山スキー
私達より先にウサギも登頂していたようだ


奥の方の祠まで行ってみる。
雪の状態が良いので、祠のある小さなピークの上にスキーを履いたまま立つことができた。
本当の山頂より、こちらの方が山頂に立った気分になれる。

塩谷丸山で山スキー
こちらの方が山頂気分だ


風が全く吹いていないので、山頂で一休みする。
何時もは風が強くて、写真を撮ったら早々に山頂から降りるのだけれど、こんな日は滅多に無い。
そして暑寒別岳までくっきりと見えることも滅多に無いのだ。

塩谷丸山で山スキー
赤岩山の向こうには増毛山塊の山々が見えていた


もっと真っ青な空が広がっていたことは何度もあるけれど、風もなくて見通しも効く点では今回が一番の好条件だったかもしれない。
ただ、南の空には雲が広がりつつあって、羊蹄山も霞んでしまっている。
今日は昼ごろから雪が降り始める予報になっているのだ。
長靴にスノーシューのスタイルで夏道から登ってきた女性と入れ替わりで、下山することにした。

塩谷丸山で山スキー
ぼんやりと霞んだ羊蹄山


最近は登ってきたルートより右側の急斜面を滑ることが多かったけれど、今日は広々としたノートラックの斜面に優雅にシュプールを描きながら滑ることにした。
そして、360度カメラを取り付けた自撮り棒を手に持って滑ってみる。
今までは自撮り棒をザックに付けたり、胸ポケットに挿したりして撮影してみたけれど、それでは面白い映像が撮れないのだ。

塩谷丸山で山スキー
自撮り棒を持っていると上手く滑れない


今回は滑っている自分の姿を上手く撮ることができたけれど、滑りの方は全然上手くないことを実感させられただけで終わってしまったようだ。
登ってきている人も何人か見えていて、登り返してもノートラックの斜面を滑る楽しみはもう味わえそうにないので、そのまま下まで滑り降りることにする。

塩谷丸山で山スキー
かみさんはパウダーよりもこんな雪の方が好きみたいだ


途中の眺めの良いところで昼食を食べていくことにした。
時間はまだ午前10時を過ぎたところだったけれど、朝食が早かったので腹も減っていたのだ。
お湯を沸かしてカップ麺を食べる。

塩谷丸山で山スキー
ピクニック気分でカップ麺


その間にも次第に雲が広がってきて、太陽も姿を隠してしまう。
そこから下まで滑り降りる途中や塩谷駅まで歩いている途中にも、これから登る人達と何人もすれ違う。
その人達が登頂する頃には山頂も雲に覆われていそうだ。
早い時間から登ったのは正解だったようで、最高の山スキーを楽しめた日曜日となったのである。



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