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黒岳(2017/05/03)

雪玉転がる急斜面

冬の黒岳に登るのはこれが2回目。
最初に登ったのは10年前の3月末。
山スキーを始めたばかりでいきなり黒岳に登ろうとするのがどだい無理な話しで、リフト終点から標高差100mくらいを登っただけで、スゴスゴと滑り降りてきたのである。


リフト降り場からの絶景

そんな黒岳も、5月のGWともなればロープウェイ乗り場付近には雪はほとんど残っていない。
それでも、ロープウェイとリフトを乗り継いで標高1500mまで登ってくれば、まだまだ雪深い白銀の世界である。

ただ、そこまで登ってきても気温は高いままだった。
今日の北海道は、真夏日を記録するところもあったくらいで、GWとしては異例な気温の高さなのだ。

ロープウェイ乗り場では、リフトが止まってしまうのではと心配になるくらいの強風が吹いていたのに、上まで登ってくると風も殆ど吹いていない。
今日は南風なので、山に遮られているのだろう。
上着も脱いでTシャツ1枚で登ることにする。

今回のメンバーは6名。
明日からは旭岳の山中にテントを張って周辺の山に登る計画をしており、今日はその前哨戦である。


雪も締まり好きなルートで登っていける

最近は夏の黒岳しか登っていなかったが、冬は視界を遮るものが何も無いので、リフト終点辺りでも高度感が半端ではない。
天気も快晴で、北大雪の山々の眺めが素晴らしい。

そこからいきなり急登が始まる。
そしてその急登は、山頂まで延々と続くのである。

天気に恵まれたGW後半戦の初日だけあって、既に沢山の登山者が登っている。
最初は先行者のトレースに従って登っていたが、トレースから外れても雪は締まっているので、途中からは自分の登りやすい斜度で登っていく。

かみさんとI山さんは何時もと同じく、先頭でグイグイと登っていく。
5年ぶりに北海道に戻ってきたF本さんは、この二人よりももっと速いペースで我が道を行く。
スノーシューのO橋さんは、殆ど直登である。


私の後ろから登ってくるT津さんのおかげで助けられた

私はこの4人のスピードに付いていけず、次第に離されていく。
それでも、私よりも遅れてT津さんが登ってきているので、心にまだ余裕があった。

標高1850m付近の最後の樹林帯で、先行グループがようやく休憩してくれた。
何時も後ろの方から登ってきて、「お~い、そろそろ休憩しないのか?」と声をかけるY須賀さんの気持ちが痛いほど分かった。

そこから先、斜度は更に増してくる。
樹木は無くなり、白い急斜面が山頂まで続いているだけ。
夏山の時、山頂が近づいた目印となるマネキ岩が、その斜面の反対側に立ち上がっている。
登山者の足元から押し出された雪が急斜面を転がり落ちるので、斜面は大小の雪玉だらけだ。


マネキ岩を向こうに見ながら山頂直下の急斜面を登る


急斜面なのでジグザグに登らなければならないが、方向転換する時のキックターンが苦手なかみさんは、途中でとうとう方向転換できなくなってしまった。


黒岳山頂に到着

そのまま進んでいけば、崖から転がり落ちるだけ。

進退窮まったかみさんはそこでリタイア宣言。
横向きのまま階段を下りるように、樹林帯まで降りていったのである。

登り始めてから1時間半で黒岳山頂到着。
それまで見えなかった表大雪の峰々が、一気に視界に飛び込んでくる。
それと同時に、身体が吹き飛ばされそうな風が吹き付けてきた。

シールが飛ばされないようにしながら、滑走準備をする。
山頂付近は斜度40度はありそうな急斜面である。
他のスキーヤーが滑った跡でその斜面はギタギタに荒れている。


黒岳山頂より凌雲岳や北鎮岳を眺める、左側には旭岳の山頂が少しだけ覗いている



右が北海岳、中央に白雲岳、左側手前に烏帽子岳


こんなところを滑れるのかと思ったが、溶けかかった雪は柔らかく、荒れた斜面もそれ程気にならない。
恐怖感もなく滑ることができる。


山頂直下の急斜面を滑る



滑る周りを雪玉が転がり落ちる

それよりも、皆が滑った後から次々と転がり落ちてくる雪玉の方が気にかかる。
殆どは小さな玉のままで止まってしまうが、中には転がりながらどんどん大きくなって、かなり下まで転がっていくものもある。
なかなか面白い光景だ。

もしもこれがパウダーだったら、最高の滑りを楽しめそうだ。
途中リタイアしたかみさんも途中から合流する。

かみさんは溶けた重たい雪に手こずっていた。
こんな雪は、ある程度スピードがでていないと曲がりづらい。

下の方まで降りてくると、汚れた雪も目立つようになり、そんなところでは突然スキーが滑らなくなる。
ストップ雪というやつだ。
気を付けていないと、前のめりになって頭から転んでしまう。


北大雪の山々を眺めながら一休み


リフトの手前の斜面で一休み。
風も当たらなく、春の暖かな陽射しが心地良い。

その後はリフトの下の緩斜面ゲレンデを一気に滑って、ロープウェイで下山。
気持ちの良い春山スキーだった。



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