北海道キャンプ場見聞録
我が家のファミリー通信 No.88-1
紅葉の京都観光(金閣寺・龍安寺・北野天満宮) 2020/11/20
7日間かけて京都一周トレイルを歩き終わったので、この後はゆっくりと京都市内観光。
今年の京都の紅葉は遅れ気味だと聞いていたけれど、トレイルを歩いているうちに紅葉も進み、山の方では既に散り始めているところもあるくらいだ。
朝から雨が降っていたので部屋でのんびりしていたけれど、その雨も上がったので午前9時に宿を出る。
向かうのは金閣寺。
京都の観光地はほぼ回りつくしていたけれど、金閣寺だけはまだ行ったことがなかった。
「金閣寺に行っても絵葉書の写真と同じ風景を見るだけ」
そんなイメージを持っていたものだから、これまで足が向かなかったのである。
しかし、今回の京都の旅は16泊17日の長期日程。
これだけ時間をかければ京都も今回が最後になるかもしれない。
そう考えるとやっぱり、金閣寺くらいは見ておかないと「京都は回り尽くした」とは言えないのである。
天気は悪くても金閣寺は観光客で溢れているだろうと思っていたが、入り口までやってきても人は疎らである。
ガードマンらしき方が「金閣寺は屋根の吹き替え工事中でシートで囲まれているので見ることができない、それでも拝観料はかかります」と説明してくれた。
どおりで人が少ない訳である。
人もまばらな金閣寺
それを聞いて入るのを止めて立ち去りかけたけれど、塀の外から見える境内の紅葉がとても綺麗そうなので、やっぱり入ることにした。
総門まで歩いていく間も、苔に覆われた敷地を真っ赤な散紅葉が覆った光景に目を奪われる。
散り紅葉に目を奪われる
そうして中に入ると、説明されたとおりに池の向こうにはシートで囲まれた建築現場があった。
ご丁寧に池のほとりには、絵葉書に使われるのと同じ様な金閣寺の巨大な写真が展示されていた。
あまりにも美しすぎるその金閣寺の写真、違和感あり過ぎである。
この写真はいらないと思うが
真っ青な空と金閣寺がそのまま水面に映りこんでいる風景、それに比べる現実の風景は空は雲って水面には雨粒の波紋が広がり、あまりにも違い過ぎるのだ。
その写真が無い方が、今の風景をそのまま楽しめるのにと思ってしまう。
金閣寺の姿は見えなくても池の風景はそれなりに美しい。
鏡湖池と紅葉
金閣寺庭園の魅力はこの鏡湖池だけれど、それ以外にも見所は多い。
順路に従って庭園内を巡る。
紅葉も身頃を迎えていた。
紅葉は丁度見頃
私は金閣寺の建物にはそれ程興味はなかったので、屋根の吹き替え工事中だったのは逆に良かったのかもしれない。
他の観光客を気にすることなくゆっくり見て回れるし、写真を撮るのにも好都合である。
雨の日ならでの風景
今回の京都観光では時間を気にしなくて済むのも良かった。
過去の京都旅行では3泊4日程度の日程しかとれないので、その中でできるだけ多くの観光地を回るために事前に分刻みの詳細なスケジュールを作り、それに追われるように行動しなければならないのだ。
マツの紅葉?
1時間ほど金閣寺の庭を見て回ってから、次の目的地龍安寺へと向かう。
龍安寺は私は学生の頃に見た記憶があるが、かみさんは夫婦の旅行で来た覚えがあると言う。
そんな事もあるので、私は過去の京都旅行で訪れた場所を記録していたが、その中に龍安寺は入っていない
龍安寺に着くまでそんな会話をしていたが、現地に着いてかみさんもようやく初めて訪れる場所だと納得したようだ。
紅葉の美しさに目を奪われる
龍安寺に入って、まずは山門まで行く間の紅葉に感動する。
正に紅葉のトンネルである。
まだ青いもみじも混ざっているが、それが逆に紅葉のグラデーションを作り美しい。
龍安寺といえば方丈庭園の石庭があまりにも有名である。
しかし、紅葉に彩られた鏡容池も素晴らしかった。
石庭が有名になる前は鏡容池の方が有名だったという話にもうなづける。
鏡容池の紅葉
北海道生まれの私には、柿が実を付けている風景もたまらない。
中島で実を付ける柿と周りの紅葉が織り成す風景にまたも感動。
柿の実と鏡容池
雨が降っているおかげで、しっとりと濡れた散紅葉も風情がある。
そんな散紅葉が龍安寺垣に張り付いていたりしたらもう堪らない。
こんな風景が好きだ
石庭を見る前にたっぷりと感動し、次はいよいよ方丈に入ってそこから石庭を眺める。
もっとも、石庭を眺めても感動しないことは最初から分かっていた。
学生時代、造園学を専攻していた私がこの石庭を見ても、全く感動しなかったのである。
有名過ぎる石庭
方丈の濡れ縁に並んで座り、黙って石庭を眺めている人達の様子の方を面白く思いながら、その後ろから写真を撮る。
私には石庭より襖絵やつくばいの方が興味深かった。
こんな風景の方が楽しい
方丈を出た後も鏡容池を一回りしながら園内の紅葉をたっぷりと満喫する。
しっとりとした紅葉風景だ
鏡容池の美しい風景
昼食は龍安寺参道商店街にある手打ちうどんの「笑福亭」に入る。
商店街とは言ってもシャッター商店街に近く、ちょっと寂しい。
手打ちのうどんは腰のない柔らかいタイプで、麺の太さも不揃い。
でも、あっさりとした上品な味の出汁はとても美味しく、かみさんは珍しく汁まで完食。
ちょっと寂しい龍安寺参道商店街
昼食後は歩いて北野天満宮へと向かう。
目的は、この時期にだけ公開されている「御土居もみじ苑」である。
5年前の秋にもここの紅葉を見ていたけれど、美しいものは何度でも見たくなるものだ。
青いモミジも混ざる
御土居とは豊臣秀吉が外的を防ぐ防塁として築かせたもの。
もみじ苑に入ると、最初はこの御土居の上からもみじを見下ろすような感じになるのだが、まだ青いモミジも混じり紅葉最盛期には少し早いかなという印象だった。
一際赤い紅葉
それでも御土居から下に降りていくと、そこは正に紅葉のトンネル。
朱塗りの太鼓橋と真っ赤な紅葉の競演は見事としか言い様がない。
朱塗りの橋と紅葉は良く似合う
小雨混じりの天気が、紅葉をしっとりと濡らして、より美しく見せている。
太陽に照らされる紅葉も美しいけれど、写真を撮るのならば曇り空の方が綺麗に写せる気がする。
雨の日の紅葉も良いものだ
紅葉を楽しんでから、ゆっくりと北野天満宮本殿に参拝。
ここにも花手水が飾られていたが、ちょっと私の好みじゃなかった。
ここの花手水はまるで生け花。飾り立てればきりがない。
そっと花を浮かべる程度が本来の花手水のような気がする。
ちょっと派手過ぎて好みじゃない
参拝を済ませた後は、美味しいと人から勧められていた門前の粟餅所澤屋へ。
北の天満宮に着いた時、店の前にずらりと行列ができていて、「こんな人気店なんだ!」と驚いたけれど、行列ができていたのは隣の「とようけ茶屋」だった。
その行列はまだ繋がっていたけれど、澤屋の方にはすんなりと入れた。
名物の粟餅を食べたけれど、私にはちょっと甘すぎ。
餡子が大好きな私でも、この甘さには胸焼けしてしまう。
小雨が降る中で紅葉をたっぷりと満喫できた一日だった。