北海道キャンプ場見聞録の終焉

第6回 スマートフォンが欲しいから

最近の携帯電話の所有率は95%程度になっているらしい。
そんな時代なのに、未だに携帯電話を持っていない私は余程の変わり者と思われそうだ。
実際は、明確なポリシーがあってそうしている訳ではなく、ただ単に経済的理由から持つことをためらっているだけなのである。

最近では一家庭の親子全員が携帯電話を所有しているのも普通らしいが、その通信費を合計したらいくらになるのだろうと、余計な心配をしてしまう。
我が家でさえ、既にかみさんと息子が持っているので、そこに私も加わってしまうと、それこそ心配が現実となるのである。

携帯電話以外にも、通信費にはNTTのBフレッツやプロバイダーの料金も入ってくる。
それに加えて、我が家の特殊事情としてホームページを公開するためのレンタルサーバ代もかかっている。
中身はちょっと違うけれど、NHKの受信料やWOWOWの視聴料も通信費の一部と言える。

合算したらいくらになるのだろう。
全く形の無いこれらのものに、それだけの金を払い続け、そこにまた一人分の携帯電話料金が新たに加わることなど、簡単には決断できない。

そうして今に至っているのだけれど、スマートフォンの登場によって少し風向きが変わってきた。
「外出先で普通にインターネットに接続できたらどんなに便利だろう」
それは、パソコンを使い始めた頃からの私の夢だった。
モバイルノートパソコンが出てきたころ、それは私の憧れの商品の一つだった。
「もしも自分が金持ちだったら直ぐに買うんだけどな〜」

そんな昔の夢が、今は簡単に実現できるのである。
GPS機能も付加され、自分が今いる場所での欲しい情報が直ぐに手に入る。
望むものは全て揃い、今こそが決断の時。

しかし。

「これ以上通信費に金をかけてはいられない」との考えに変わりは無い。
そうすると携帯電話(=スマートフォン)を持つためには何かを捨てなければならない。
そこで一番最初に候補に上がったのが、ホームページを公開しているレンタルサーバだった。

私が利用しているレンタルサーバはWebARENA Suite2、月額3,360円。
それを去年の暮れにようやく月額1980円のSuiteXに切り替えることができた。
もっと早く切り替えれば良かったのだが、サーバの引っ越しも伴うため、その作業のことを考えると実行できずにいたのである。

前回の続き風に言えば、古くなった貸家から全く同じ間取りの貸家に、家財道具をそっくりそのまま引っ越しするようなものである。
家賃が少し下がるだけで、他には何の変りもない。
それなのに苦労して引っ越したのは、スマートフォンを買うための第一段階の作業だった。

そもそもホームページを公開するだけなら、もっと安いレンタルサーバはいくらでもある。
最初に借りた頃は選択肢も少なく経験も無かったので、一番信頼できそうなWebARENAを選択したのである。
信頼できるきるのは良いのだが、今となっては分不相応なサーバを借りている気がしている。
このサーバは、1日のアクセスが数万とかになるようなサイトとか、信用を主とする法人が使用するようなものなのだろう。

実はここの他にも月額600円程度の安いサーバを二つに借りていたりする。
その中の一つがCHAT-JP
これはWebARENAが容量不足になりそうだった時、容量が無制限だったことに魅力を感じて借りたものだ。
今はWebARENAの方も大幅に容量アップされたので、そちらに少しずつデータを移動させて、CHAT-JPの方は最終的に解約するつもりでいる。

しかし、他にサーバを借りているのは容量問題だけが理由ではなく、SEO(検索エンジン最適化)対策の目的もあった。
要は「外部からのリンクの多いページの方が検索結果の上位に表示されやすい」ことを利用して、別のサーバーに独立したページを作り、そこからリンクさせるようにしたのである。
そうすれば同じサーバにコンテンツを作るよりも、いくらかは効果がありそうだ。
こうして、ガーデニングとかパソコン用壁紙のページを独立したホームページのように作りこんだのである。

他にも、契約しているプロバイダの無料スペースを利用したり、無料のサービスを利用したりしては新しいホームページを作り、SEO対策にはかなり真剣に取り組んだつもりである。
その結果によるものかどうかは分からないが、今ではかなりの率で北海道キャンプ場見聞録のページが検索結果の上位に表示されるようになっている。

そこで調子に乗って、新たなページを作るために更にもう一つサーバーを借りてしまったのだ。
それがniftyで運営しているLaCoocanである。作ったページがHokkaido Camp Wiki
今とは違って、本当にこの頃は意欲的にホームページの運営に取り組んでいたものだと、我ながら感心してしまう。

ウィキペディアが世に認められるようになってきたころ、早速それに似たシステムを利用して作ったHokkaido Camp Wiki。
それまでは、ガーデニングや壁紙のページを作ってもなかなかYAHOOのカテゴリに登録してもらえなかったのが、このCamp Wikiは一発で登録されたのである。
その時は単純に喜んでいたけれど、システム上の関係で簡単に別のサーバーに移せるようなものではなく、かと言って消してしまうのには勿体なさすぎるページなので、今となってはその取り扱いに頭を悩ませている。
このサーバーを借りるための年間5670円は、もうしばらくの間は払い続けるしかなさそうだ。

そんなこんなで、スマートフォンはなかなか私の手元には届かないのである。

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