北海道キャンプ場見聞録の終焉

第7回 ディスプレイの向こう側

北海道キャンプ場見聞録にアクセスしてくる人たちの中で、本当に私のページを利用してくれていると言えるのは、全体のせいぜい3分の1。
それが、長い間ホームページを運営していての私の実感である。

残りの3分の2は、検索キーワードがたまたまヒットしたとか、どこかのリンクを何気なくクリックしてしまったとか、偶然に訪れた人達である。
そんな人達の大部分は、10秒もしないうちにブラウザの戻るボタンか閉じるボタンをクリックすることになる。
そのことを考えると、トップページに設置してあるアクセスカウンターの数がいくら増えたところで、大して喜ぶ気にはなれない。

また、利用してくれているだろうと考えた3分の1についても、それが全て友達になりたいタイプであるとは考え難い。
「こんな人間とは絶対にキャンプ場で遭いたくない」
そう思ってしまうような人間も、アクセスしてくる中には沢山含まれているのである。

実際のところ、こちらのタイプの存在の方が、10秒もしないで立ち去ってしまう人達よりも、ホームページを続けていくためのやる気を削ぐ大きな原因となる。
私のホームページの情報を、そんな人間に好き勝手に利用されていると考えると我慢ならないのだ。

普段はそんなことまで考えてホームページを運営している訳ではなく、いちいちそんなことを気にしていたら、10年以上もホームページを続けることはできない。
ただ、実生活では意識してそんな人間を避けることができても、ホームページを公開していると否応なく接してしまうこともある。
そんな時には、改めてホームページを公開している意味を考えてしまうのである。

ディスプレイの向こう側にどんな人間が座っているかは知る由もない。
そこには、キャンプやアウトドアが好きな気の良い奴らばかりが座っているだろうというのは私の錯覚にしかすぎない。

それならそうと割り切ってしまうのも一つの方法である。
ホームページは一方的に情報を提供するだけの存在。
そう考えてしまえば、相手がその情報をどうやって利用していようが、こちらは気にする必要もない。

そう考えるともう一つ良いことがある。
それは、ホームページの中にいくらでも広告を載せられると言うことだ。
たまに、広告とリンクだらけで、どれがそのサイトのオリジナルコンテンツなのか全く分からない様なページを見ることがある。
技術情報系や無料素材系のサイトでそんなホームページを多い気がする。
必要な情報を得られるのだから、その対価として、煩わしい広告表示程度は我慢してもらうしかない、と言ったところだろう。

ところが、私はそう簡単には割り切れないのである。
見聞録のホームページには現在、僅かばかりの広告が表示されているが、これでさえアクセスしてくれる人に申し訳ないと感じている。

インターネットが普及し始めた頃、個人のホームページで広告を掲載して小遣い稼ぎをするなんて考えは全く無かったはずである。
無料のサービスを利用しているサイトで強制的に表示される広告は別の話である。
それが最近は、簡単に広告を載せられるシステムが普及して、個人のブログでも広告が表示されていることが多くなってきた。
前述のようなリンクと広告だらけのサイトなどは、明らかに小遣い稼ぎで作ったものだろうが、それは別にして、広告に対する拒否感は以前よりも薄らいできている気がする。
それだけインターネットを媒体とした広告が一般化しているのだろう。

見聞録にはGoogleのシステムを利用して広告が表示されるが、そこから得られる収入は、円高の影響をかなり受けているけれど、年間で約2万円。
サーバーのレンタル代で年間4万以上支払っているので、少しはその足しになっている

その他に、楽天アフィリエイトを利用したキャンプ道具の紹介ページを作ってみたけれど、こちらも最近では月に数百円の収入があるか無いかの状況である。
始めたばかりの頃はもう少し収入があったけれど、元々がキャンプ道具にそれ程こだわりを持つタイプでもなく、ページの更新も滞っている状況では、じり貧になるのは仕方がないところだ。

そんな訳で、小遣い稼ぎ目的にホームページを運営するようなことは、私にはできそうにもない。

ディスプレイの向こう側に座っている人間の姿がますます見えづらくなってきているのが現在のインターネットの状況である。
自分は一体、誰に向かって情報を発信しているのだろう?
そんなことを真面目に考えると、ますます深みにはまっていきそうな今日この頃なのである。

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