北海道キャンプ場見聞録
キャンプは少人数で
カムイコタン公園キャンプ場(9月13日~16日)
カヌークラブの例会に合わせて9月の3連休に歴舟川でキャンプするのは、殆ど慣例化してきている。
こんな風にマンネリ化したキャンプは本当は好きじゃないのだけれど、年に一度歴舟川を下れる機会ともなれば、参加しないわけにはいかない。
毎日サンデーの身の上なので、今年も前日からキャンプ場入りすることにした。
途中、芽室町の新嵐山スカイパーク展望台に寄り道する。
NHKの朝ドラ「なつぞら」では、十勝の酪農が描かれているので清水町や新得町がロケ地になっているけれど、もしもそれが畑作だったとしたら、この辺りがロケ地に使われていたかもしれない。
展望台から眺める風景は、「なつぞら」に登場する風景よりも十勝らしい気がする。
ナウマン温泉で一風呂浴びてからキャンプ場入りする。
平日なのでまだ誰も居ないだろうと思っていたら、既にN島先輩とO橋さんがN島先輩のお洒落なタープの下で寛いでいた。
キャンプグッズも充実して、最近のお洒落キャンパーにも引けを取らないN島先輩のキャンプスタイルである。
車の横にはウェットスーツも干してあり、既に一漕ぎしてきたようだ。
毎度のことだけれど、その元気の良さには脱帽である。
N島先輩のお洒落なキャンプスタイル
2人が風呂に入りに行っている間に、河原で焚き火用の流木を拾い集める。
現地調達できるだろうと薪は持参しなかったのだが、思っていた通りに十分な量の流木が直ぐに集まった。
夏のキャンプシーズン中にその辺りの流木が拾い尽くされたとしても、一度でも川が増水すれば、流木はいくらでも上流から運ばれてくるのだ。
キャンプ場前を流れる歴舟川
そのうちにビンバさん、マシモさん夫婦、マサちゃんも到着して、思いのほか賑やかな前夜祭となる。
マシモさんの奥さんは、この後他の仲間と2泊3日でヌビナイ川の沢登りをするとのことで、途中でそのメンバーと合流するため出かけていった。
この日は中秋の名月。
何時の間にか歴舟川の河畔林の上に美しい月が昇ってきていた。
翌朝、N島先輩、O橋さん、マサちゃんの3人は、それぞれ自分で米を炊いて朝食を食べる。
それも、小さなスキレットで一食分の米を炊くのである。
N島先輩は「人生で自分で米を炊くのはこれが初めてだ」と言いながら、マサちゃんの指導を受けながら、何とか食べられる米に仕上がったようだ。
一方私は、何時もと同じく何もしないで、かみさんが朝食を作ってくれるのを待っているだけ。
男ソロキャンパーのそんなスタイルがとても羨ましく思えた。
男どもの朝食風景
次第に他のメンバーも集まってきて、この日のヌビナイ川の川下りへと出かける。
そして川下りを終えた後は、それぞれ買い出しや風呂へと出かけていく。
何時もなら9月例会のこの時期はキャンプ場もクローズしているのだが、今年から開設期間が長くなって9月下旬までオープンしている。
何の気兼ねも無くキャンプできるのがありがたい。
そしてこの中段に位置しているBサイトは、我がクラブで貸し切っているので、余計に気兼ねする必要がない。
私たちが買い物から帰ってくると、薪ストーブを持ち込んでいたヨシヒロさんのサイトの周りに人が集まっていた。
私たちもその中に混ざってビールを飲む。
ストーブの周りに自然と人が集まる
そのうちにN島先輩たちも風呂から戻ってきたが、そちらのグループはN島先輩のタープの下に集まって飲み始める。
そんな流れで、何となく新しい会員と古参会員の二つのグループに分かれてしまう。
私達がカヌークラブに入って間もない頃、ここ歴舟川のキャンプ場で皆がビッグタープの下に集まっている中、古参会員が別のスクリーンテントの中に集まってひっそりと飲んでいたことを思い出した。
サーモンイクラ丼と鮭汁
今回のキャンプでは、O橋さんの提案でイクラサーモン丼を皆で食べようとの話になっていた。
イクラとサーモンはO橋さんが調達してきて、サーモンのブロックを切り分ける。
米はヨシヒロさんの薪ストーブを使って、ダッチオーブンで炊き上げる。
サブメニューとして、かみさんが我が家のテントの中で鮭汁を作る。
それらが全部完成したところで、サイトの中央にあるバーベキューハウスで皆につぎ分ける。
無茶苦茶美味しいサーモンイクラ丼と鮭汁だったけれど、あっと言う間に無くなってしまった。
そうするとまたそれぞれの場所に戻っていき、二つのグループに分かれてしまう。
何となくまとまりの悪い今回のキャンプである。
人数が多くなり過ぎると、どうしてもこんな感じのキャンプになりがちだ。
今一気分が乗らなくて、川下りの疲れもあり、私もかみさんも午後8時過ぎには早々に自分のテントに潜り込んだ。
翌日日曜日の歴舟川上流部の川下りを終えると、それで帰ってしまう人も多く、例会2日目のキャンプは人数もぐっと少なくなる。
でも、これくらいの人数の方が落ち着いたキャンプを楽しめる。
皆でバーベキューハウスに集まって杯を傾け、その中央ではパムシェフが手の込んだビーフシチューを作っている。
例会2日目は人数もぐっと少なくなる
これくらいの人数の方が落ち着く
このスパイスを全部使うわけじゃないけれど、持ち歩いているだけでも凄い
ヨッシーが釣り上げたシイラの切り身を持参していた。
北海道ではあまり馴染みのない魚なのでどうしようかと話していると、かみさんが調理してくれることになった。
そうして出てきたのが、シイラの香草焼きとアクアパッツァ風煮込み。
初めて使う食材、しかも殆ど準備もしていないキャンプで、これだけクオリティの高い料理を作ってくれるのだから、さすがにクラブの中で総料理長と崇められているだけのことはある。
シイラの香草焼き
シイラのアクアパッツァ風
パムシェフ渾身のビーフシチューもほぼ出来上がり、頼まれてかみさんが味見をする。
するとかみさん「何かが足りない気がする」の一言。
かみさんがコンソメを加え、パムさんははちみつ等を投入しビーフシチュー完成。
パムさんがブロッコリーを添え、かみさんはバケットのガーリック焼きと余っていた生クリームを準備。
シェフと総料理長のコラボによるビーフシチューが美味しくない訳はない。
渾身のビーフシチュー完成!
美味しい料理で腹を満たした後は、ヨッシーが連れてきた子供さん二人がいるのにも関わらず、何時もの下ネタ話が飛び交う、何時ものキャンプ風景が繰り広げられた。
翌朝は霧雨の降るパッとしない天気。
気分が盛り上がらずに、元気な二人が他のクラブの川下りに参加した他はここで解散となる。
余談だけれど、ここのキャンプ場にはカブトムシが生息しているらしい。
バーベキューハウス周りの芝生の上で何匹も歩き回っていたのだ。
夜中の間に明かりに誘われて飛んできたのか、その辺りの地面の中から這い出してきたのか。
昆虫のことはあまり詳しくないけれど、これには驚かされたのである。