北海道キャンプ場見聞録
歴舟川(坂下~相川橋)(2019/09/15)
のんびり川下り
9月例会2日目は、歴舟川上流部坂下からのダウンリバー。
前日のヌビナイ川に続いて、水不足のために途中の相川橋までの短縮コースとなる。
今日の水量ならば、キャンプ場から大樹橋までを下った方が瀬も楽しめると思うのだが、最近のクラブの例会では何故か上流部以外は下ろうとしないのである。
確かに、上流部の方がゴルジュっぽい風景を楽しめるのだけれど、それもスタートして2キロちょっとの区間だけだ。
昔はこの区間にも楽しい瀬があったのだけれど、3年前の台風以来、土砂で埋まってそんな瀬も殆ど無くなってしまった。
参加者は28名23艇
沈する心配も殆ど無いので、先頭で下りながら所々で他のメンバーの写真を撮る。
目の前にはゴルジュの荒々しい風景が広がる。
この風景が上流部の魅力である
しかし、そんな険しい岩場の中にも、注意して見ていると美しい花が咲いている。
風に揺れるエゾトウウチソウのピンクの花穂。
その周りでは、その名の通り「大」の形をした花を咲かせるダイモンジソウが群落を作っている。
今回は熊五郎さんがC葉ちゃんとの急造タンデムで下っていた。
本当はキャンプだけ参加するつもりでいたC葉ちゃんを強引に口説き落としたようである。
奥さんからタンデムを解消された熊五郎さんは、余程タンデムでの川下りに飢えていたのだろう。
しかし、張り切って臨んだタンデムでの川下りなのに、途中で何度も座礁を繰り返していた。
沙流川アッパーで折れ曲がったカヌーの底全面をFRPで補強した舟に乗っていたので、舟が重過ぎたのかもしれない。
と言うか、それ以上に横から見ていてもコース取りが悪すぎるのである。
これでは座礁するのも無理はない。
浅瀬で悪戦苦闘している熊五郎ペア
その他では、ヨッシーが小学生の娘さんとの初タンデム。
そして中学2年生の息子さんは、カヤックでの初めての川下り。
皆から心配されていたけれど、しっかりとしたパドリングでバランスも良さそうだ。
ここへ来る前にお父さんから猛特訓を受けていたのかもしれない。
娘さんとの楽しそうなタンデム
とてもこれが初めての川下りとは思えない中学2年生
何ともないような瀬で熊五郎艇がひっくり返り、大事なゲストを流してしまう。
まさかそんなところで沈する艇があるとは思わなかったので、カメラを構えることも無く通り過ぎてしまい、せっかくの美味しいシーンを撮り逃してしまった。
その先に面白そうな瀬が有ったので、そこではカメラを構えて後続メンバーが下って来るのを待つ。
皆が楽しそうに笑顔を浮かべながら下っていく中で、T田さんだけが律儀に沈シーンを見せてくれた。
そうこうしているうちにゴルジュ出口の瀬まで下ってきた。
楽しい時間は直ぐに終わってしまうのである。
何時も同じアングルで写真を撮っても面白くないので、瀬の手前で上陸して、流れの中の岩の上に乗ってカメラを構える。
今日の水量ではそれ程大きな波も立たず、皆無事に瀬を下り終えた。
上流側から撮影すると迫力のある写真は撮れなかった
上の写真とほぼ同じタイミングで私が撮った写真
この先、撮影ポイントも殆どなくなる。
勝手知ったる流れなので、後続を気にすることも無く、私達だけでどんどん先に下っていく。
そのうちに後続の姿も全然見えなくなってしまったので、途中の河原に上陸して待つことにする。
やや暫くしてから他のメンバーも追いついてきて、私たちが河原にいるのを見て、皆も上陸してくる。
時間は午前11時を過ぎたばかりだったけれど、そのままそこで昼の休憩となった。
昼の休憩
昼の休憩後も私たちはどんどん先を下っていく。
まるで単独で川を下っている気分である。
浅瀬も多くなり、そこで座礁して苦労する舟も多く、余計に間隔が広がってしまう。
途中で川を横断するように河床ブロックが並べられているところがあり、そこだけはブロックの間を歩いて抜けるしかなかった。
今まで下っていてこんな場所は記憶になく、上を覆っていた土砂が洗い流されて、新たに現れたのかもしれない。
川を横断する川床ブロック
大きな岩の絡んだ瀬があった。
ルートを間違えると直ぐに座礁してしまいそうなので、舟から降りて後続メンバーを誘導する。
下るルートを間違えると直ぐに座礁してしまう
それでも、ヨッシーの息子さんが岩に張り付いてしまった。
経験も無いのでどうして良いか分からずに、そのまま途方に暮れているようだ。
私の方からはどうすることもできずに、ただ見守っているしかない。
そこへお父さんが下ってきて、無事に救出。
やっぱり、こんな時に頼りになるのはお父さんなのである。
この後お父さんに救出された
この区間、3年前の台風後に一か所だけ難所ができていた。
デコボコの岩盤の中を川が流れていて、落差も大きい。
今年は、流れが少し変わり、岩盤の横を本流が流れているようだ。
何も無さそうに見えたけれど、用心して川岸に舟を寄せる。
しかし、他のメンバーは間隔も開けずにどんどんと下っていってしまう。
大丈夫なのかと思って見ていると、案の定、途中で岩に張り付くカヌーがあって、後続が団子状態でそれにぶつかっていく。
上陸して様子を見に行くと、小さな落ち込みを下った後にカヌーが横に振られて、その先の岩に張り付くようだ。
油断していると、この岩に吸い寄せられてしまう
後続メンバーにそのことを伝えてから、私たちも下っていく。
その岩への張り付きさえ注意すれば、それ程難しい流れではなかった。
それでもやっぱり後続のカナディアン2艇が、その岩に吸い寄せられてしまう。
岩に近づきさえしなければ問題ない
そして間もなくゴールの相川橋が見えてきた。
下り始めてから2時間50分。
昨日に続いて今日も少し物足りなかったけれど、座礁を繰り返していた他のメンバーは疲れ切った様子で、ここが限界だったかもしれない。
昨日のヌビナイ川は我が家にとって丁度良い水量だったけれど、さすがに今日の歴舟川はもう少し水が増えてくれないと楽しくは下れない気がした。
(当日12:00歴舟川水位 尾田観測所:102.10m)