北海道キャンプ場見聞録
枝幸で暴風雨キャンプ
はまなす交流広場キャンプ場(9月22日~24日)
道北の徳志別川をカヌークラブの有志で下ることとなる。
そのためのキャンプ場として、スタート地点の直ぐ近くの「かみとくツーリストキャンプ場」か、ゴール地点の近くの「はまなす交流広場キャンプ場」が候補に挙がる。
天気が崩れそうなので、雨天の時は廃校になった小学校の体育館を利用したセンターハウスに避難できそうな「かみとくキャンプ場」を第一候補に考えたが、なかなか連絡が付かない。
川下りの車の回送等を考えると、「はまなす交流広場」の方が便利そうなので、最終的にこちらに泊まることに決めて、川下り前日の土曜日夕方までにキャンプ場に集合することとなった。
廃校になった政和小学校の校舎とアート
徳志別川は、以前から下ってみたい川の一つだったが、札幌から遠いこともあって私が例会候補として提案した時も、あっさりと却下されたことがある。
しかし、道北方面に時々出かけている私には、そんなに遠い土地だとは思えない。
道東の釧路川などに出かける方が遠く感じてしまう。
事前に川の下見などもしておきたかったので、深川まで久しぶりに高速道路を利用し、そこから先は幌加内経由で美深を目指す。
幌加内では、「政和アートFes2018」が開催されていたのを思い出して、その会場となっている廃校となった政和小学校に寄り道する。
小学校の前庭には、その時のものと思われるアート作品が残されていたが、イベント自体は今月初めに終わってしまっていた。
昭和の雰囲気が漂うすずや食堂の店内
昼食は美深で食べることにする。
道北まで来るのは今年5回目、美深の町もこれで3回目である。
入ったのは街中のすずや食堂。
レトロな雰囲気の店内で、かなりの高齢と思われるおじいちゃんが手際良くラーメンを作っている。
でも、その味は期待したほどではなかった。
その後、徳志別川のスタート地点、ゴール地点を下見しながら、はまなす交流広場キャンプ場へ向かう。
3連休とは言え、天気も悪く、既にシーズンオフ。
キャンプ場も閑散としているだろうと思ったら、予想に反して場内は賑わっていた。
どうやら、利用者の殆どはシーズンを迎えたサケ釣り目的の人達のようである。
このキャンプ場はオートサイトの様に区画されたサイトがあるけれど、今回は大勢で利用するので駐車場に隣接した場所の方が使いやすい。
炊事場の横のスペースが良さそうなので、そこに私たちのソロテント2張りを場所取り用に設営する。
風がかなり強いので、ソロテントの設営も、飛ばされないように2人がかりでやらなければならない。
枝幸の街に買い出しに出かけ、キャンプ場に戻ってくると、更に風は強まっていた。
炊事場の横は、眺めは良いけれど、海からの風がまともに吹き付けてくる。
今回はN島さんが大型のスクリーンテントを持って来てくれる予定なのだが、この場所にそれを張るのは無謀と思われる。
フリーサイトにテントを張って風をしのぐ
駐車場から一段下がった場所に広大なフリーサイトがあり、そこならば車を風除けに使うこともできそうなので、場所を変えることにする。
既に到着していたK島さんに手伝ってもらって、ソレアードをスクリーンテント代わりに設営し、ソロテント2張りも移動させる。
よしひろさん、O橋さんも順に到着。
更に風は強まり、夕方からは雨も降り始める予報である。
今日の参加者は後3名で、N島さんの車に同乗してくることになっている。
早く到着してくれないと、雨と強風の中で大型のスクリーンテントを張ることになってしまう。
O橋さんが、「後3人ならこのテントの中で収まるんじゃない」と言うが、インナーテントは張っていないものの、何時もは二人で使っているテントである。
さすがにこの中に8名も入ると窮屈過ぎる。
そんな心配をしている所にN島さん達が到着。全員で協力してスクリーンテントを設営。皆で協力し合えば、この強風の中でも何とかなるものである。
大きなスクリーンテントの中でようやくゆっくりと寛ぐことができた。
づけ丼の具
今日の夕食は、クラブの中で総料理長と呼ばれているかみさんが全て用意してくれることになっていた。
メニューは鮭汁に海鮮づけ丼。
我が家のテントは、かみさんのキッチンテントとなる。
私たちは大型テントの中で料理が出てくるのを待っているだけ。
エベレスト遠征のベースキャンプで、シェルパが料理を作ってくれるのを待っている登山隊の気分である。
づけ丼の具は、私は「札幌のスーパーで買った方が良いものが揃うんじゃない」と言ったのだけれど、かみさんは現地で仕入れることに拘っていた。
港のある町よりも都会の方が、新鮮な海産物が手に入りやすいのは良くある話である。
しかし、さすがは枝幸町である。サーモンにマグロ、ホタテと新鮮な海鮮が手に入り、それに手作りのイクラを加えて、豪華な海鮮づけ丼となった。
豪華な夕食に舌鼓を打っている間に、外では雨が降り始めていた。
スクリーンテントは大きく揺れているけれど、その中はいたって快適である。
外の暴風雨も気にならずテントの中では宴会が続いた
夕食を終えると、O橋さんが雄武町で仕入れてきた150円の巨大なコマイ(オオマイ)やカマボコを焼いて食べる。
雄武町のカマボコと言えば、出塚食品である。
買ってきた本人は解っていなかったようだけれど、皆は喜んで食べていた。
O橋さんは次に果物の皮を剥き始めた。
さすが気の利くO橋さんである。
美味しそうなラ・フランスだと思って口にすると、それは固くて甘さも無いただの西洋梨だった。
テントの外は完全な暴風雨。
我が家のこれまでのキャンプにおいても、これだけ酷い天気は経験したことがないくらいだ。
トイレに外に出るとあっと言う間に全身びしょ濡れになるけれど、酔っぱらうとそんなことも気にならず、夜遅くまで宴会は続いたのである。
翌朝、強風は嘘のように止んでいた。
海も穏やかである。
無事に朝を迎えられた
私たちの隣に張ってあったテントの夫婦は、暗いうちから出かけたようだ。
私たちは夜遅くまで賑やかにしていたけれど、昨夜の暴風雨では、その声は隣まで届くことはなかっただろう。
キャンパーは全てサケ釣りの人たち。
私たちも当然、そのように見られていたようで、車に積んであるカヌーを指さして「その舟で沖に出るのかい?」と驚かれてしまうくらいだ。
朝日も見られた
東の空が明るくなって朝日が昇ってきた。
昨夜の雨のおかげで徳志別川の水位も10センチ以上増えていた。
渇水気味だった川が下りやすくなったのか、それとも、増水して茶色く濁っているのか、どちらか分からないまま、今日の川下りへと出かけたのである。
テントにも陽があたる
結局、徳志別川の水は濁ることも無く、丁度良い水量となって楽しく下ることができた。
川下り後はそのまま枝幸町のホテルニュー幸林で温泉に入り、西條枝幸店で買い出しをしてキャンプ場まで戻ってくる。
昨日の暴風雨の夜とは違って、今日は場内にも何となく仄々とした雰囲気が漂っていた。
明るい月がオホーツク海を照らす
満月に近い月がオホーツクの海を明るく照らしていた。
明日は中秋の名月、一足早いお月見を楽しむ。
色々と問題事を抱えて忙しいO橋さんは、宴会途中で釧路まで帰っていった。
本当は川下り終えて帰るはずが、楽しそうな宴会が始まるのを目の前にすると、ついつい帰りそびれていたのだ。
二日目の夜も楽しい宴会が続いた
翌朝は帰るだけの予定でいたけれど、せっかくだから頓別川を下ろうとの話になり、私たちもそれにお付き合いすることになる。
朝方は雲が多かったけれど、直ぐに青空が広がってきて、3連休中この日が一番の好天となった。
天使の梯子が海に降りてきた
枝幸町にはここを含めて3か所のキャンプ場があるけれど、いずれも無料で利用することができる。
しかも、ゴミは持ち帰りが原則だけれど、ゴミ箱も設置されていて、炊事場には生ごみ用のゴミ箱まで置かれていた。
道内の市町村で管理しているキャンプ場は沢山あるけれど、これだけ太っ腹なのは枝幸町くらいだろう。
枝幸町は、旅人にとても優しい街なのである。