北海道キャンプ場見聞録
何人いるのかも分からずに
どんころ野外学校(7月15日~17日)
空知川例会の定宿であるどんころ野外学校の炊事棟。
去年の台風の時に川の水が流れ込んだとかで、中の砂利を入れ替え、その他にも明かり取りの透明波板も取り替えられ、随分と小綺麗になっていた。
炊事棟の前にソロテントが並ぶ
シーソラプチ川を午後2時半ごろには下り終え、車の回送や着替えを済ませ、午後3時過ぎ頃からポツリポツリと人が集まり始める。
さすがに昼間の熱気が抜けきっていなくて、炭を熾す気にはならない。
まずは寝るためのテントを設営。
炊事棟の2階にも泊まることができるが、下で肉を焼いているとその煙がまともに2階に上がってくるので、ここで寝る人は殆どいない。
大体がテント泊か車中泊である。
炊事棟前の芝生広場には、あっと言う間に10張りくらいのソロテントが張られた。
一番最初に煙が上がり始めたのは、やっぱりガンちゃんの前にドンと置かれた七輪からだった。
それが合図の狼煙でもあったかのように、私のユニセラやI山さんの七輪にも火が入れられる。
遠慮していたらクラブの中では生き残れない
この日の川下りの参加者は41名。日帰りの人もいたけれど、ほとんどの人はそのままどんころに宿泊である。
どんころから参加する人も数名いて、一体何人集まるのか見当も付かない。
いずれにせよ、過去最大の宿泊者になることは間違いなさそうだ。
自分達で持ってきた肉も少し焼いたが、それよりも他の人が焼いた肉をもらう方が多い。
S藤さんが手羽を揚げてくれて、それに名古屋の何とかの味噌だれを付けて食べると、無茶苦茶美味しい。
しかし、勿論それは全員には行き渡らない。
その存在に気が付いた人が直ぐに箸を伸ばしてきて、あっと言う間になくなってしまう。
クラブの宴会で遠慮という言葉は一切存在しない。
もしかしたら、箸とシェラカップだけもって渡り歩いている人の方が多いかもしれない。
この後からも人がどんどん増えてくる
あっと言う間に無くなっていくトルティーヤ
料理人パムさんが作っていたのはトルティーヤ。
それを見て食べるのを楽しみにしていたタケちゃん。
でも、その間に五右衛門風呂に入っていたのが大きな間違いだった。
風呂から出てくる頃には全て無くなっていたのは言うまでもない。
ここの五右衛門風呂も去年から新しくなっていた。
それまでは一人用の釜が三つあったのに、改修後は二人用の釜が二つになってしまった。
五右衛門風呂はやっぱり、一人でゆったりと入る方が気持ち良いのだ。
今朝のフェリーで北海道にやってきた茨城のまるさんご夫婦も到着。
同じく関東から来ていて、今日の川下りにもSUPで参加していた4名が、南富良野の街で一杯飲んだ後、タクシーに乗ってどんころに合流。
大きくなった五右衛門風呂の釜
新しくなった五右衛門風呂の建物
ビデオ上映会が始まる
全員が揃ったところで、今回の新企画であるビデオ上映会が始まった。
10月の納会ではすっかりお馴染みになっているビデオ上映会だが、O橋さんの「どんころでもやりましょうよ」との一言で開催決定。
結局はパソコンから、プロジェクター、スクリーンまで全てO橋さんの職場から調達することとなったのである。
今日の川下りの新鮮な映像が見られるので、盛り上がるのは言うまでもない。
五竜の瀬の落ち込みで私がガンネルをしっかりと掴んでいるシーンが記録されていて、早速笑いものにされる。
一番盛り上がるのは沈シーンなのだが、残念ながら今日の川下りでは沈する人は少なかったのである。
代わりに活躍してくれたのがSUPの皆さんだった。
立ったまま瀬を下るSUPなので当然沈しやすい。しかもカヤックやカナディアンの沈と違って、ひっくり返り方が豪快なのである。
若い女性がV字開脚で沈する姿にはおじさん達は大喜び。本当に困ったオヤジ達である。
一体何人いるのかも良く分からない
明日も川下りを控えているので、そんな宴会も11時頃にはお開きとなり、SUPの4名も迎えのタクシーで帰っていった。
そして蒸し蒸しとした朝を迎えた。
この日は雨がふる予報になっていたが、今のところまだ青空も覗いていた。
テントを畳んだり荷物を片付ける人達を横目に、私達はここにもう1泊する予定なのでのんびりと構える。
どんころで迎える朝
そして空知川への川下りへと出かけたのである。
空知川は午後1時半頃には下り終えたけれど、雨の中での車の回送などもあって、最後の締めもないままに流れ解散となってしまった。
これくらいの人数の方が落ち着ける
この日のどんころの宿泊者は12名。
昨日と比べると随分寂しくなったが、これくらいの人数の方がちょうど良いのだ。
ただ人数が多くても、話しができるのは自分の周りの数名程度。
それに比べれて今日くらいの人数ならば、皆で一つの話題を共有できる。
そして今日もビデオ上映会が開かれる。
ここにいない人のことを酒の肴にして皆で盛り上がる。
でも、ただ笑っているだけではなく、今日の川下りでの反省点など、たまには真面目な話しも間に挟む。
古参メンバーが多いので、「最近の若者は」じゃないが、「最近クラブに入ってくる人達はセルフレスキューのスキルが身に付いていない」などと言った話しになる。
確かに、ロープを投げるより自分で泳いでもらった方が早いと言ったケースは良く目にする。
新しくできた木製の床、ここで寝ることもできる
「ロープを投げるのが勿体ない」なんて冗談で言ったりするけれど、それは状況が良く分かっているからである。
私も、何もできないままにただ流されていることが多いので、偉そうなことは言えないが、セルフレスキューの技術は大切である。
来年はそんな講習会をやろうとの話しをしつつ、2日目の夜も更けていった。
そして迎えた例会最終日。
元気な人達は赤岩青巌峡へ。
私達はこれ以上舟を壊しては堪らないので、大人しく帰途につくことにした。
7月例会を終えるといよいよ北海道にも本格的な夏がやって来る。