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夜の暴風京極キャンプ

スリーユーパークキャンプ場(5月23日〜24日)

カヌークラブの5月例会は黒松内の朱太川と喜茂別の尻別川を下る。
二つの町の間には幾つかのキャンプ場があるが、その中で宿泊地に選ばれたのは京極のスリーユーパークキャンプ場だった。
蘭越の風景ここのキャンプ場はパークゴルフ場が直ぐ隣にあって、使い勝手はあまり良くない。
それでも、川を下った後は温泉に入りたくなるので、温泉が隣接しているここが魅力なのだろう。

最初に黒松内へと向かう時、蘭越米で知られる蘭越町付近ではちょうど田植えの真っ最中だった。
水が張られた水田に残雪の目国内岳が映り込み、その様子に感動する。

川下りを終えた後、今度は黒松内から京極まで約70キロを移動する。
距離は長いが、天気も良く、ニセコ連山や羊蹄山を眺めながらの快適なドライブである。

 
道中の風景
ニセコの山々を眺めながらの快適なドライブ

一番乗りでキャンプ場に到着。
駐車場の空いている場所に車を停めると、管理人のおばちゃんから、そこはパークゴルフ場の駐車場になるので、キャンプ場の駐車場に停めてほしいと言われる。
お互いに隣接している駐車場なので、どちらに停めても良さそうだが、キャンプ場の駐車場の方は数台分しか空いていない。
そこへ、他のメンバーが続々と到着する。
駐車場に表示があるわけではないので、皆は空いている場所に自由に車を停めようとする。
設営中「あっ、キャンプしている子供が飛び出すと危ないから、そこに停めないで」
普通に区画線が引かれている場所なので、そんなこと言われなければ分からない。
他のキャンパーの車も入ってくる。
一度に沢山の車がやって来て、パニック気味のおばちゃんである。

先に到着したメンバーでタープの設営を終わらせる頃には、車の整理も何とか付いたようである。
結局は、パークゴルフ場側の駐車場にも沢山の車が停まっていた。

何時もこんな調子なので、私はここのキャンプ場があまり好きではない。
でも、ここのサイトから眺める羊蹄山の姿は、そんなごたごたも直ぐに忘れてしまうくらいに素晴らしい。
樹林地が隣接しているので、そこから離れてパークゴルフ場に近づくほど、羊蹄山の眺めが良くなる。
ゴルフ客がいる間はそれが目障りに感じるが、いなくなってしまえば逆に広々として快適である。


テント設営中   テント設営中
ソロテント設営  

T山ファミリーは大型テント設営


設営が終わるとまずは温泉で汗を流す。
そして急いでサイトまで戻ってきて、ここでようやく冷えたビールを口にできる。
羊蹄山を背景にウドを調理川下りとキャンプがセットになったクラブの例会では、どうしてもキャンプの部分が慌しくなってしまう。
しかし、日が長くなってくると、まだ明るいうちにビールが飲めるので、気分的にもゆったりできるのだ。

朱太川の川下り中に採ってきた大量のウドを、女性陣が下処理をしてくれる。
炊事場完備のキャンプ場なのに、芝生の上にしゃがみこんでその作業をやっているところが、さすがにカヌークラブの女性陣である。
採ったばかりのウドは生でも食べられると聞いて食べてみたけれど、本当に美味しかった。
セロリよりは確実に美味しい。

T津さんがA5ランクの牛肉を持ってきていた。
それも、何処だかの品評会で優勝した牛の牛肉だと言う。
「えっ、そんな肉を塊で持ってきてくれたの!」と感激したら、ステーキ用の肉1枚と薄切り肉少々だけ。
でもそれは、T津さんがわざわざ農家から買ってきてくれたもので、感謝しながら切り分ける。
網で焼くとせっかくの油が落ちてしまうと、フライパンで焼いて皆でいただく。
A5の肉は格別に美味しかった。


大量のウド   A5の肉
大量のウドを下ごしらえ   A5ランクの肉登場!

羊蹄山を背景に宴会
まだ明るいうちからビールが進む

何時の間にか西の空には三日月が昇り、その横では金星や木星が鋭い光を放っていた。

ウドは、酢味噌和え、マヨネーズ和え、しょうが味噌和えとなって皆の胃袋に納まっていく。

天ぷらを揚げるそして最後に真打登場。
ウドの天ぷらである。
極太の芽の部分だけを贅沢に使い、かみさんが次々と揚げていく。
揚げるそばから、これもまた皆の胃袋に納まっていく。

旬の山菜は、毎年一口食べればそれで満足していた私達だけれど、今年はクラブのメンバーに釣られて、ネギにタランボにウドにと、例年以上に大量に山菜を食べている気がする。

そうして夜は楽しく更けていくが、今回のキャンプでは焚き火は無し。
ここのキャンプ場では焚き火台を使用した焚き火も禁止だと聞いていたので、敢えて用意はしてこなかったのだ。
もしも焚き火が認められていたとしても、この日は次第に風が強まってきて、とても焚き火をできるような状態ではなかったのである。
風が強すぎてゆっくりとお酒も飲んでいられず、何時もよりも早めに就寝。


キャンプの夜
金星と三日月が羊蹄山の上に浮かんでいた

タープが消えたウトウトしかけた頃、I山さんの「ポールが折れた!」の声に目が覚めた。
テントの外を見てみると、ビッグタープの中央に立っているはずのポールがなくなっていた。
起き出してタープをたたむ事にしたが、中央のポールは見事にポキリと折れていたのである。
しっかりとペグダウンしてあった場合、タープが倒壊するのはシートが裂けるかポールが折れるかのどちらかとなる。
今回はポールが折れたので、シートが裂けるよりは安上がりで済んだかもしれない。

夜中まで吹き荒れた風も、朝方には治まっていた。
少し寝不足が続いていたので、今朝は少し遅くまで寝ていようと思っていたのに、結局は4時前に目が覚めて、それ以上眠れなくなってしまう。

キャンプの朝 諦めてシュラフなどを片付けていると、隣のかみさんのテントからもガサゴソと音が聞こえてきた。
どうしても朝寝坊のできない私達夫婦なのである。

歯を磨いていると、西の空が明るくなってきた。
その様子から見ると、ちょうど山の山頂から朝日が昇ってきそうだ。
私は、その山を蘭越から見た目国内岳と勘違いしていて「ダイヤモンド目国内だ!」と喜んでいた。

しかし、後から地図で確認すると、全く方向が違っていて、多分この山は無意根山なのだろう。
まあ、山の名前はどうでも良く、美しい朝日に変わりはなかった。


ダイヤモンド無意根
無意根山?の山頂から朝日が昇る

キャンプの朝徐々に他の人達も起き出してくる。
そこで初めて、タープが倒壊したことを知った人もいたみたいだ。
車で寝ていた人も、その車が風で揺すられて怖かったと言うくらいだから、相当な風が吹いたのだろう。

娘さん二人を連れてスノーピークの大型テントで寝ていたT山さんだが、良く見るとテントのポールが折れ曲がっていた。
それでいて、ファミリーキャンプ場に多いコールマンのテントが、どれも無傷のままなのがちょっと不思議な気がした。

「タープが無いと何だか落ち着かない」と言う人もいたが、私は基本的にタープは無い方が、開放感があって好きである。
雨が降りそうな時とか、夏の暑い日ざしを遮る目的が無ければ、タープは不要だと思う。

それぞれ朝食を済ませ、ボチボチと撤収を始める頃、昨日とは違う管理人のおばさんがテントやタープに取り付けてあった番号札を回収しに回ってきた。
タープに取り付けてあった番号札は、倒壊騒ぎの時に飛んでいったみたいで見つからない。
タープの無い方が開放的だ「すいません、風で飛ばされてしまったみたいです」と誤ると、「ちゃんと縛っていれば飛ばないはずだ、探してください」と言われてしまう。
かみさんがもう一度場内をぐるりと回ったが見つからず。
撤収を終えてキャンプ場を後にする時、もう一度おばちゃんのところに謝りにいくと、「昨日の夜は風なんか吹いてませんでしたよ、車の中に入っているんじゃないですか」。
呆れて返す言葉もなかった。

これまでに数え切れないくらいキャンプをしてきたが、スリーユーパークキャンプ場のこのおばさんは、感じの悪い管理人として3本の指に入ることは間違いないだろう。

この日の予定は尻別川上流部の川下り
天気も良くて、楽しい川下りができそうだ。
皆で車を連ねて、喜茂別町へと向かった。


朝日を浴びる羊蹄山   朝のキャンプ風景
羊蹄山が朝日を浴びる   爽やかな朝だった


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