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尻別川

(境橋〜喜茂別川合流部)

カヌークラブ5月例会二日目は、前日の朱太川に引き続き、比較的穏やかな流れの尻別川上流部を下る。
これまでにミニ例会で何度か下っている場所だけれど、正式な例会として下るのは今回が初めてである。
前日のメンバーからN野さん、T山さんファミリーが抜けた後に新たなメンバーが7名加わって、今日も総勢20名19艇の大所帯で下ることとなる。

集合写真最近の例会は、川のレベルや札幌からの遠近に関係なく、参加者が多くなってきた。
「この川って何もないよね、このメンバーなら別の川にしても良いんじゃない?」
そんな事を言い始めるメンバーもいるけれど、普段はゴリゴリのクリークを下ったり、ザブザブのウェーブでグルグルしている人達が、チャプチャプの川を楽しそうに下っているのを見ていると、単純に川が好きな人達ばかりなんだな〜と思ってしまう。
コンスタントに新規の入会者もあり、以前は一桁の参加者しかいない例会もあったことを思えば、嬉しい限りである。

川の水量も程々で、水も澄み、天気は快晴。
風がちょっと強いけれど、快適な川下りは約束されたようなものだ。

集合写真を撮ってから川にカヌーを浮かべる。
marioさんが、「先に行って遊んでいるから」と言い残してさっさと下っていった。
私たちは最後の方からゆっくりと下る。

ウドの乱獲スタートして直ぐに左からオロウエンシリベツ川が合流し、その先で川は土壁にぶつかり右へと曲がっていく。

先に下っていった筈のmarioさんが、その土壁の途中まで登って、そこに生えていたウドを手当たり次第に抜き取っては、下へと放り投げていた。
その下でウドを拾い集めていたタケさんは、既に両腕一杯にウドを抱え込んでいる。
対岸にいた釣り人が、「この人達は一体何なんだ?」と呆れるようにその様子を眺めていた。

昨日の朱太川でウドは採り飽きたと思っていたら、一日過ぎると再び目の色が変わってしまうmarioさん。
何しろ、沢登りをするのもカヌーをするのも、その一番の目的は山菜と言うような人なのである。
そこに、奥様からウド持ち帰りの密命を帯びたタケさんのような人が新たに加わると、再び山菜フィーバーの川下りとなってしまうのだ。


尻別川
新緑が美しい尻別川

穏やかな流れの川とは言っても、さすがに昨日の朱太川と比べると、瀬は多くなってくる。
ただ、その瀬も全く緊張することなく下れるレベルの瀬である。
尻別川を下るたまにサーフィンで遊べるような波が立っている場所もある。
人数が多いので、そんな場所ではサーフィンで遊ぶための順番待ちの列ができてしまう。

国道276号に架かる上尻別橋を過ぎて暫く下っていくと、尻別川は山裾を削るように流れを変える。
削られてできた崖は川の中に直接落ち込み、特徴的な景観を造り出す。
この辺りの風景が私は好きである。

そんな風景を楽しみながら、何時の間にか先頭に出たままで下っていくと、倒木が絡んでちょっとだけ嫌らしい場所があった。
カヌーから降りて後続のカナディアンに注意を促す。
カヤックの方は、今回のメンバーなら心配することもない。


倒木の絡んだ瀬   倒木の絡んだ瀬
倒木の絡んだ瀬   カヤックは余裕でかわせる

小休止尻別川の上流部を下る時は、京極の手前の堰堤で上陸することが多かった。
しかし、それだと距離が長過ぎて大変だとの今回のツアーリーダーT津さんの意見により、今回は喜茂別川との合流部付近をゴール地点にしていた。
何時も下っている距離の半分である。

しばらく下っていくとT津さんが「もう半分くらいは下ってきたんじゃないの、このままじゃ昼前に着いちゃいそうだ」と、全然疲れてはいなかったけれど、途中で小休止となる。
GPSで確認すると、まだ4分の1くらいしか下っていないので、それ程心配しなくても大丈夫そうだ。

ビンバさんがN島さんのOC-1に試乗するが、コロリとひっくり返ってしまう。
同じカナディアンでも、全く別物の舟なのである。


OC-1でひっくり返るビンバさん   コケ
OC-1にチャレンジするも   可愛いコケ

休憩の河原
休憩した河原

休憩を終えて再び下り始めると、突然視界が広がった。
目の前に威風堂々と聳える尻別岳。
そしてその横には、羊蹄山が遠慮がちに見えていた。いつもとは主客転倒になっているところが面白い。
人工的な川の護岸が目障りだけれど、この区間を下る時のビューポイントとも言えるところだ。


尻別岳と羊蹄山
主客転倒の尻別岳と羊蹄山

カナディアンでのサーフィンは難しいその先に良いサーフィンポイントがあった。
順番で皆が気持ち良さそうにサーフィンを楽しむ中、O橋さんと228君のCCコンビが、どうしても波の中に留まっている事ができずに流されてしまう。
シングルパドルは不利なのかとも思ったが、OC-1組も簡単にサーフィンを楽しんでいるので、これはどうも技術的なものが原因だと思われる。

とうとう228君も成功してしまい、残るはO橋さんだけ。
私もいい加減退屈してきて、そろそろ下り始めたい気分だったけれど、O橋さんがサーフィンに成功するまでここから動けない様な雰囲気となっていた。
祈るような眼差しで見守り続ける皆の願いも空しく、失敗を続けるO橋さん。
とうとう一度も成功することなく体力、気力が尽き果てたO橋さんは、最後のチャレンジを試みることも無く、うなだれながら再び川を下り始めた。

尻別川の正面に尻別岳国道に架かる橋を通り過ぎると、尻別岳が更に存在感を増して目の前に聳えてくる。
川の流れの真正面に聳える姿がとても印象的だ。

川がその尻別岳に衝突して流れを変えた先にちょうど良い川原があったので、そこで正式に昼の休憩となる。
marioさんはここでも、一人でふらっと山の中に入ってウドを採って戻ってくる。
タケさんは既に自分の舟に大量のウドを積んでいるにもかかわらず、それを見て山の中に入っていくが、手ぶらで戻ってきた。
山菜にかけている年季が違うのである。

そこから先、ちょっとした瀬があったような気がしたが、普通の流れだけだった。
相川橋を過ぎた先には新しい護岸が長く続いていて、これで川の様子が変わってしまったのかもしれない。
人家も迫っている場所なので止むを得ない河川改修なのだろうが、僅かな間に姿を変えてしまう川の様子に複雑な思いがしてくる。


美しい淵   昼の休憩
美しい淵だ   ここで昼の休憩

尻別川の風景
カヌーと川と木々

喜茂別川との合流部で遊ぼうとしてN岡さん夫が沈脱。
N岡さん妻に叱咤激励されながら、そのまま今日のゴール地点へと流れ着く。
N岡さんご夫婦のこの微笑ましい様子には、何時も和まされる。

ゴール地点スタート地点の車を回収し戻ってきても、時間はまだ午後1時半だった。
ここから自宅までなら1時間少々で帰ることができる。
これくらいだと翌月曜日に疲れを残さなくて済みそうである。

激しい川で、下り終えるのが午後4時過ぎ、そこから札幌まで3時間なんて事も度々で、そうなると月曜日は殆んど廃人となって1日を過ごす事になるのだ。

でも、昨日は流れのない川で一生懸命漕ぎ、今日は向かい風に負けないように一生懸命漕いだので、何だかんだ言っても、明日は廃人になってしまうことに変わりは無さそうだ。

2015年5月24日 晴れ 
当日12:00尻別川水位(喜茂別下流観測所) 252.93m 


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