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花に囲まれ春爛漫キャンプ

判官館森林公園キャンプ場(5月2日〜3日)

今年のGW5連休は、漠然と道北へ行こうと考えていた。それが、カヌークラブのメンバーから連休後半の方で歴舟川を下ろうとの話が出てきたので計画の練り直し。
今年は例年よりサクラの開花が早まっていて、この5連休は何処も花の見ごろを迎えていそうだ。そこで、最初のキャンプ地に選んだのが判官館森林公園キャンプ場。
ここのキャンプ場は、春先にスプリング・エフェメラルとも呼ばれる野草が園内に咲き乱れるところで、良い時期に泊まれば花に囲まれたキャンプができる場所なのである。

そんな時期に一度だけ泊まったことがあるけれど、その時はまだ花の最盛期にはちょっと早すぎ。その後 花の最盛期に訪れたこともあるけれど、その時はキャンプではなくて立ち寄っただけ。
「花の綺麗な時にここにテントを張ってみたい」
ずーっと望んでいた夢が、もしかしたら今回叶うかもしれない。

そんな思いを馳せながら、朝7時に自宅を出発。GW初日ということもあり、日高路は交通量が多かった。
「もしかしたら、この車は全部、静内の桜並木を見に行くんじゃないだろうか?」
我が家のサイトちょうど前日に、この二十間道路桜並木の満開宣言が出たばかりなのである。
判官館のキャンプ場からも近いので、テントを設営した後にそちらまで足を伸ばすつもりだった。

午前9時過ぎにキャンプ場に到着。
サイトには前日からのキャンパーが1組いるだけ。
一方、バンガローの方はGWなので連日満室らしくて、管理人のおじさんも次々にかかってくる電話対応で忙しそうにしていた。
場内ではカタクリが満開。
そのカタクリの花が咲き乱れる斜面に囲まれたサイトに、予定通りテントを張ることができた。
「この時期にテントを張るとしたらここしかない」と私が思い込んでいるサイトなのである。

その喜びに浸っている余裕も無く、直ぐにまた静内の桜並木へと向かう。
渋滞が心配だったけれど、裏道から行ったおかげで渋滞にはまることなく桜並木に到着。
しかし、桜並木に囲まれた道路に入った途端、殆ど動かなくなってしまう。
静内二十間道路桜並木でも、ここまで来てしまえば花見をしながらの運転なので、その渋滞も大して気にならない。
本線がこれでは、到着がもう少し遅れていれば、脇道から入る道路にも車の列が伸びていたかもしれない。

桜並木の一番奥にある臨時駐車場までくると、道も空いていてすんなりと車を停めることができた。
皆が桜並木道路沿いの駐車スペースに車を停めようとするので、それが渋滞を引き起こしているようだ。
臨時駐車場から桜祭りの会場となっている花のトンネルまでは1.5キロ歩かなければならないが、二十間道路桜並木を眺めながらの散策にはちょうど良い距離である。

静内の二十間道路と言えば、道内の桜の名所の中でもその知名度はトップクラスだろう。
有名な観光地にはあまり足が向かない我が家なので、今まで訪れることはなかったが、3年前に初めてオロマップキャンプ場へ向かう途中に立ち寄ってみた。
静内二十間道路桜並木その時は、桜は既に散ってしまい、遅咲きの桜が少し咲いている程度。
それ以来、一度くらいは満開の桜並木も見ておきたいと思っていたが、今回ようやくその望みをかなえることができた。
判官館のカタクリといい、今回は本当にタイミングに恵まれたようである。

サクラ祭り会場にもなっている花のトンネルは、ちょっと名前負けしているイメージだった。
屋台でお好み焼きを買って、サクラの木の下でそれを食べる。
そんな風にしてお祭り気分を楽しんだ後は、再び桜並木の下を歩いて駐車場に戻った。

 
静内二十間道路桜並木
満開の桜並木

桜のトンネル   静内二十間道路桜並木
イベント会場の桜のトンネル   美しい桜だ

四季の味処 ふみ佶昼食は静内の街中で「ふみ佶」という蕎麦屋に入る。
その場で食べログで探して入った店だったが、そこで懐かしい出会いがあった。
昔一緒に、インターネットで「北海道旅のコンシェルジェ」の活動をしていたMさんである。
旅のコンシェルジェとは、ネットの掲示板などで北海道旅行者の質問に答えるもので、Mさんは小樽観光、私はキャンプ関係を担当していた。
洞爺湖で一緒にキャンプをしたこともあり、それ以来16年ぶりの再会だった。

キャンプ場に戻ってくると、テントの数が増えていることに驚いた。
最終的には場内のテント床の8割くらいが埋まるような状況になり、キャンプブームが再び訪れたのかと思うような盛況ぶりである。
バンガローの受付電話だけでオロオロしていた管理人さんが、この状況に対応できたのか心配してしまう。
私達が受付するとき、「テントは一張りだけですか?」と聞かれた。
我が家のサイト私達二人だけなのに変な事を聞いてくるなと思いながら「はい」と答える。
すると写真を出してきて、「テント一張りなら600円で、食事をする時にこうやってもう一張りテントを張る人がいるけど、その時はテント床を全部使うことになるので1200円貰うことになります」と説明してくれる。
「テント床独占使用で1200円?」
多分、スクリーンテントやタープを張れば、それも一張り600円かかるというのが正しい説明なのだろう。
とても優しい管理人さんなので、色々と煩いキャンパーも多い今日この頃、余計に心配してしまうのだ。

ビールで喉を潤した後、森林公園内の散歩に出かける。
サイトの周りはカタクリばかりが目立っていたが、オオバナノエンレイソウも見頃に近づいていた。
私の好きなエゾエンゴサクは既に花が終わったのかあまり見かけない。
園内を散策カタクリの愛らしいピンクとエゾエンゴサクの淡い青が混ざり合って咲く風景は本当に美しいのだが、そこまでの贅沢は言ってられない。
これからはニリンソウが開いてきそうだ。
ちょっとした時期の違いで花の風景もがらりと変わってくる。
それがスプリングエフェメラルの楽しみでもあるのだ。

野草ばかりでなくサクラもコブシも今が花盛り。
今年は春先の気温が高かったので、春の花々が一斉に咲き誇っているようだ。

園内の散策途中にユキザサを少しだけ収穫させてもらう。
タランボ(たらの芽)も出ていて、今夜の夕食に彩りを添えてくれそうだ。


カタクリに囲まれたサイト
こんなに美しいテントサイトは他には無い

カタクリ   オオバナノエンレイソウ
妖精の名前がとても似合うカタクリ   清楚なオオバナノエンレイソウ

自宅から大量の薪を車に積んできたが、夜の焚き火用の薪は場内を歩けば枯れ枝等をいくらでも拾い集めることができる。
拾ってきた枯れ枝等を焚き火台の横に積んでおいたところ、巡回に来た管理人さんに「ここは一応焚き火禁止なので、あまり盛大に燃やさないでください」と、優しく注意された。
夕食材料でも、夜には殆どのサイトから焚き火の煙が上っていたのである。
今の季節のキャンプでは焚き火が一番の楽しみなのである。

夕食には、ユキザサとタランボの天ぷらがおまけに出てきた。
キャンプで現地調達の山菜を食べると、家で食べるときの数倍は美味しく感じる。

食事を終えると直ぐに焚き火を始める。
ファミリー連れのキャンパーが多いので、時々子供達の喚声が聞こえてくる。
それでも今時期のキャンパーはマナーも良いので、特に気になることはない。
これが夏のキャンプならば、深夜になってから肝試しが始まったりするので、堪ったものではない。
遠くからカエルの鳴き声も聞こえてきた。
カエルが鳴くのは夏のイメージがあったので、GWのキャンプでその鳴き声を聞くのは、何か不思議な感覚だった。


キャンプの夕食   焚き火
山菜の天ぷらが加わり夕食が豪華になった   食後は焚き火

木々の向こうに月が登ってきた。
明後日が満月なので、今回のキャンプでは毎晩月明かりを楽しめそうである。
ミズナラの曲がりくねった枝が、月明かりを背景に黒いシルエットとなって浮かび上がる。
良い夜だった。


判官館森林公園に昇る月
月の光とミズナラのシルエット

朝の焚き火翌朝は小鳥の囀りで目が覚める。
色々な種類の野鳥の声に耳を傾けていると、それをかき消すようにカラスの鳴き声が響いてきた。
がっかりして起き出す。

その日は早くにキャンプ場を出たかったので、テントが朝露で濡れていないのが嬉しかった。
焚き火をしながら朝のコーヒーを楽しむ。
そして朝食が終われば直ぐに撤収開始。
朝7時過ぎ、他のキャンパーが朝食の準備を始める頃、我が家はキャンプ場を後にした。

判官館キャンプのアルバム 


朝のカタクリ   撤収完了
朝のカタクリはまだ眠ったまま   早々と撤収してキャンプ場を後にする


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