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変えて正解オロマップキャンプ

オロマップキャンプ場(5月12日〜13日)

ようやく今シーズンの初キャンプへ出かけられそうだ。
道内各地で桜が満開となっている様なので、花見も予定の中に盛り込みたい。
そこで考えたのが、有珠善光寺の石割り桜を見学して、洞爺湖畔でカヌーキャンプを楽しみ、翌日は洞爺湖を一望できる早月山で軽登山と言う計画。
ところが、ここへきて道内は気温の低い日が続き桜の開花は足踏み状態。善光寺の桜も5分咲きのまま止まってしまったようだ。
おまけに週末の天気はパッとせず風も強くなるとの予報。オホーツク海側では雪の積もるところも出てきそうな気配である。

日曜日にはカヌークラブのメンバーが厚田川を下る予定もあり、キャンプは諦めてそちらに行こうかとの気持ちも湧いてきた。
でも、この時期になっても初キャンプをしていないなんて、かつて無いことであり、この程度でめげていては、この先いつキャンプへ行けるかも分からない。
浦河の桜が満開との情報があり、近くのオロマップキャンプ場ならば山に囲まれているので風が強い日でも何とかなりそうである。
金曜日の夜になって、行き先を変更すること決めた。

土曜日の札幌は朝から雨がぱらつき、おまけに風も強かった。
それでも高速道路を南下するにつれて空も明るくなり、日高自動車道に入ると青空も広がってきた。
途中で判官舘森林公園に寄り道する。
一番最初にはここもキャンプ地の候補に上がっていた。
花に囲まれる判官館森林公園のサイトところが、5月の連休に気温が高かったのでカタクリやエゾエンゴサクの花は既に終わっているだろうし、その後の低温でオオバナノエンレイソウの開花は遅れているかもしれない。
言わば花の端境期である。
それでも、もしも花の状況が良ければ、再度予定を変更してここをキャンプ地にしても良いかなとも考えていた。
しかし、その考えは、車を降りた途端に吹き付けてきた冷たい北風によって、吹き飛ばされてしまった。

場内では、予想に反してオオバナノエンレイソウが満開に近く、ニリンソウもびっしりと花をつけていた。
桜もあちらこちらで満開の花を咲かせている。
でも、この風では、テントを張ろうなんて気には絶対になれない。
早々に車に逃げ込んで、次の目的地である静内の二十間道路桜並木へと向かう。

静内二十間道路桜並木静内の桜は事前情報では既に散り始めとなっていた。
2年前の同じ時期、アポイ岳のキャンプ場へ向かう途中、5月20日に立ち寄ったけれど、その時は殆ど葉桜になってしまっていた。
今回はその時よりもまだ花が残っていたけれど、花の時期を過ぎてしまったのは明らかである。
ここでも、車を降りた途端に猛烈な風が吹き付けてきた。
手で帽子を押さえていなければ吹き飛ばされてしまいそうだ。
バチバチと顔に当たってくるのは、風で飛ばされた桜の花ガラのようだ。
そんな強風が吹く中でも一部の桜はまだ花を残していたけれど、桜並木という風情ではない。

 
静内二十間道路桜並木   静内二十間道路桜並木
満開のように見えるけれど赤いのは葉桜   青空も広がってきた

静内を後にして、広域農道経由で浦河へ向かう。
その道中、道ばたのタランボが気になってしょうがない。
ポツポツと生えているのだけれど、さすがにこんな道路沿いではほとんど採り尽くされていた。
かみさんが「あっ、あった!」と声を上げた。
日高の牧場風景車をUターンさせてその場所まで戻ってみると、低い場所のタランボは既に採られていたが、高いところにあるものは手が届かなかったようでそのまま残されていた。
高速で走る車の中から、残されたタランボの芽をしっかりと見つけるのだから、かみさんの動体視力も大したものである。
余程真剣になってタランボを探していたのだろう。
高いところのタランボは私でも手が届かなかったが、キャンプ道具のS字フックが役に立ち、棘だらけの枝をそれで引き寄せて、ビールのつまみにするくらいの量は収穫できた。

浦河の綺羅々亭という洋食屋さんで昼を食べる。
かみさんがスパゲティ、私は特製ランチを注文したが、私達の店の評価は「普通の洋食屋」。
静内の桜祭り会場で若鶏の炭火焼きを食べた後だったのが、この評価に影響していたかもしれない。

浦河西舎桜並木店を出て、次は浦河町西舎の桜並木を見に行く。
事前に調べた情報ではこちらの桜は今が満開になっていた。
実際は満開を少し過ぎた感じだったが、静内の二十軒道路よりはまだ十分に花を楽しめた。
それよりも嬉しかったのは、あれだけ強かった風がここではほとんど止んでいたことだ。
これならば今日のキャンプも快適に過ごせそうである。

二十軒道路の桜並木と比べると、こちらの並木は道路両側の並木の間隔が狭いので、桜のトンネルのように見えるのも良い。
静内の二十軒道路の桜並木が有名だけれど、こちらの桜並木の方が確実に見応えがあるだろう。
その他にもミズナラの巨木などもあって、なかなか楽しい場所だった。


浦河西舎桜並木
浦河西舎の桜並木は満開を過ぎたばかり

浦河西舎長寿さくら   浦河西舎ミズナラの巨木
大きく枝を広げた長寿さくら   こんな巨木も楽しめる

桜の風景を十分に堪能した後はキャンプ場へ向かうことにする。
ところが、車のフロントガラスにポツポツと雨粒が落ちてきた。
これから向かう山の方には灰色の雲がかかっている。
新緑に染まるオロマップキャンプ場それでも、天気は回復傾向にあるはずなのでそれ程気にもならない。
木々が芽吹き、淡い緑色に染まったオロマップキャンプ場に到着。
予想していたとおり、場内に他のキャンパーの姿は無かった。
空から落ちてくる雨粒が少し大きくなってきたので、それが止むまでキャンプ場奥の林道をドライブする。
丸太を満載した大型トラックが走っているので、あまり奥まで入るのは止めて途中から引き返す。
キャンプ場に戻ってくる頃にはちょうど雨も上がり、気に入った場所にテントを設営。

いつものキャンプならば、テントの設営が終わったところで、まずはビールで乾杯となるところだが、今回はその前にすることがあった。
山菜を収穫場内でのアイヌネギの収穫である。
太いものは無いけれど、大量に採るつもりはないので、それで十分だ。
アズキナも小さいものばかりだが場内でいくらでも採れる。
それに、ここへ来る途中で収穫したタランボも加えて、かみさんが天ぷらを揚げる。
青空が広がり日も射してきた。
場内の新緑がその日射しを受けて一際鮮やかに映える。
揚がった山菜天ぷらを食べながらビールをグビリ。
途中の強風でテントを張れるかどうかを心配していたのに、最高のキャンプを楽しめそうだ。

ここのキャンプ場は、ガイドブックでは開設期間が7月から8月となっていたりするが、既にトイレも水場も使えるようになっていて、管理小屋の前にはキャンプ場利用簿も備え付けられていた。
サイトに光が射し込む利用簿を見ると私達の数日前に、本州からの利用者が一人いたみたいだ。
私もそこに名前を書き込む。

何も書かずにキャンプする人もいそうだが、利用させてもらうのなら当然利用簿には記入すべきである。
管理人がいないのだから、利用されているかどうかは、その利用簿の記録でしか分からない。今のご時世、ここみたいなキャンプ場は利用者がいないとの理由で、何時閉鎖されてもおかしくないのである。

トイレはくみ取りなのに、トイレットペーパーまで置かれていた。
しかもそのトイレットペーパーの先端は、ホテルと同じく三角折りされているのだ。
それを見ると、ここのキャンプ場は大事に利用させてもらわなければならないとの気持ちにさせられる。

明るいうちから焚き火を始める場内を歩いて薪集めをする。
隅の方に大量の伐採木などが積み上げられているが、生木が多くてあまり使えない。
場内に落ちている枯れ枝なども湿っているものが多いが、今回は焚き付け用みたいな細い木材ばかり持ってきていたので、湿った枝を燃やすのにはちょうど良かった。
このキャンプ場は直火で焚き火をするキャンパーも多いので、あちらこちらに黒い焚き火跡ができている。
それが小さなものなら良いけれど、太い薪の燃え残りやゴミが混ざった大きな焚き火跡はかなり見苦しい。
我が家は敢えて焚き火台を使うことにした。
こんな美しい森の中ではローインパクトな焚き火を心がけたいところだ。

かみさんがアイヌネギのチヂミを作ってくれた。
これがまた美味しくてビールが進む。
サイト近くの砂防ダム今日は当然我が家だけの貸し切りだと思っていたら、軽トラが1台入ってきた。
管理の車かと思ったら、男性が一人、荷台のカバーを外してそこからキャンプ道具を下ろし始めた。
さすがにここには個性的なキャンパーがやって来ると感心してしまう。
その後にはトレーラーが1台と、バス型のキャンピングカーが1台やって来た。
貸し切りの夢は破れたけれど、広い場内なので大して気にもならない。
サイトの横を流れる日高幌別川と、近くの砂防ダムから聞こえてくる水音で、他のキャンパーの話し声などはかなり近くまで寄らないと聞こえてこないのだ。
特に今回は川の水量も多いので、水音がうるさいくらいだ。


ニリンソウ   アイヌネギ
場内ではニリンソウが花盛り   場内に生えるアイヌネギ

突然、軽トラキャンパーの方から巨大な炎が舞い上がった。
一体何を燃やしているのだろう。頭上に広がっている木の枝にまで炎が届きそうである。
しばらくするともう一人の男性キャンパーがやって来て、更に盛大な焚き火となる。
遠くの焚き火の方が炎が大きく見える軽トラで場内の伐採木の山から薪を運んでいる。
あれだけ大きな焚き火ならば、少々湿っていても関係ないだろう。
見ていると、何やら大きなビニール袋も焚き火の中に投入している。
持ってきたゴミまで燃やしているようだ。

最初にやって来た時、真っ直ぐに今の場所に行ってテントを設営していたので、何度もここを利用しているようだ。
もしかしたら、そこにあった汚い焚き火跡は彼らが作ったものかもしれない。
そんな他人の事は気にしないようにして、自分達のこじんまりとした焚き火を楽しむ。

翌日は朝から青空が広がっていた。ただ、山が迫っているのでサイトまではなかなか朝日が届いてこない。
ヒンヤリとした空気に包まれて、焚き火と朝のコーヒーを楽しむ。
テントを見てみると所々に黒い煤が付着していた。
サイトに朝日が当たる最初は我が家の焚き火から飛んできたのかと思ったが、今まで何度もテントの近くで焚き火をしているけれど、こんな煤が付いたことはなかった。
多分、隣のキャンパーがビニールなどを燃やしたので、そこから黒い煤が飛んできたのだろう。

場内を散歩していると、バス型キャンピングカーの後ろに新しいたき火跡ができているのを見つけた。
せっかくの快適なキャンプ場が、こうして毎年荒れていくのを見るのは何とも心が痛くなる。

ようやく我が家のテントにも朝日が当たるようになってきた。
テントが乾くまでの間、日高幌別川の上流まで遊びに行くことにする。
4年前にオロマップに泊まった時、そこに素敵な河原を発見していたのだ。
日高幌別川の河原車で入っていけるその川原は、以前と変わらぬままで広がっていた。
キャンプするのにも快適そうな場所だけれど、さすがに日高の山奥のこんなところにテントを張るのは、私でも怖くなってしまう。
幌別川は日高山脈を挟んで、歴舟川のちょうど反対側付近を源流としているが、川原の石は歴舟川とは随分種類が違っている様な気がする。
我が家の石ころコレクションに、新たに幌別川産の石ころが三つ加わることとなった。

キャンプ場に戻るとテントも完全に乾いていたのでそのまま撤収。
隣のキャンパーは朝から再び盛大な焚き火を燃やしていた。
私たちがキャンプ場を後にする頃には、何を燃やしたのか、その焚き火からは真っ黒な煙が濛々と立ち上っていた。
その場所から離れることができて、何となくホッとした気になる。

日高にお別れ日高の桜と、馬と、新緑を眺めながら、一路札幌を目指す。
静内付近から再び風が強くなってきた。
どうやら昨日は、時間の経過とともに風が弱まったのではなく、浦河付近だけが風が吹いていなかったようである。
その状況は今日も変わらず、札幌まで強風は吹き続けていた。
寸前の予定変更により、シーズン初キャンプはとても快適なキャンプとなったのである。

オロマップキャンプの写真へ 


日高幌別川の河原   河原で一休み
日高幌別川の河原で遊ぶ   流木に腰掛け一休み


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