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エゾシカに囲まれて知床キャンプ

羅臼温泉野営場(10月5日〜7日)

10月あたまの3連休。前後に休みも取れそうなので、今年初めてのキャンプ旅行へと出かけることにした。
今回のキャンプ旅行で予定しているイベントは、事前に申し込みしていた6日土曜日の「知床紅葉ウォーク」の他に、釧路川の川下りと斜里岳の登山。
最初に立てた計画では4日に札幌を出て5日に斜里岳、そして6日に紅葉ウォークの行程で、宿泊キャンプ場などを考えていた。
ところが5日の天気がパッとしない様なので、直前になって計画全体を1日ずらして、5日の出発に変更する。

白滝ジオパーク交流センターでそうして5日の朝7時前に自宅を出発。
途中、白滝パーキングエリアで豆ごはんの素と舞茸ごはんの素を購入。
ここで売っている炊き込みご飯の素は、2合炊き用でキャンプの食事にはちょうど良く、しかも美味しいので、何度か購入しているのだ。
トイレの中の張り紙に、新しくオープンした「白滝ジオパーク交流センター」のことが書かれていたので、白滝インターで降りて寄り道することにした。

同じ建物の2階にある埋蔵文化財センターは有料なので、1階の無料部分だけを見学する。
白滝のジオパークは、赤石山の黒曜石の大露頭とか一度時間をとってゆっくりと回りたいと考えているので、今回は軽い下見のつもりだった。
展示物も興味深いものが多く、これは来年あたり再訪したいところである。

 
白滝ジオパーク交流センターの展示   白滝ジオ-パーク交流センターの映像展示
時間があればもっとじっくりと見たい展示だ   映像の中に入ってみました

その後、遠軽から端野を経由して美幌で昼食にする。
食べログで調べておいたそば屋は見つからず、ラーメン屋は営業していなくて、予備知識なしで「一心」というラーメン屋に入る。
ここがなかなか美味しくて、最近は食べログの星の数ばかり気にして店を探している自分を少し反省した。

その後、東藻琴の乳酪館でチーズを購入。
この辺りまで、去年の流氷一人旅キャンプと全く同じルートで走っていた。
ここから先はその時とはルートが変わり小清水町経由で知床を目指す。
小清水まで来ると、天気が良ければ斜里岳の美しい姿が望めるのだが、今日は麓近くまで雲に覆われていた。
天に続く道の名もない展望台予定を1日ずらしたのは今のところ正解だったようだ。
斜里岳登山は今回のキャンプ旅行でも一番大きな目的なので、是非とも天気の良い時に登頂したいのである。

途中で斜里町の「天に続くみち」に寄り道する。
この付近独特の真っ直ぐに伸びた直線道路が山の方へと続いていて、そこからの景観が素晴らしいらしい。

現地には手作り風の木製の展望台が建っていた。
最近は口コミで評判が広がり、観光バスもやってくるようになったという。
オホーツクの青い空が広がっていれば、もっと感動できたかもしれないが、この風景自体は根釧台地とか、道内の他の地域でも時々見かけるものである。


天に続く道
曇り空では天に続く道の魅力も半減だ

天に続くみちを後にして、その近くのメーメーベーカリーというパン屋に立ち寄る。
道よりもこのパン屋の方が感動が大きかったかもしれない。
メーメーベーカリー立地の辺ぴさと建物の古さは一級品である。
人里離れた場所の小洒落た建物のパン屋は良くあるけれど、ここは離農した農家の家をそのまま利用した建物で、「えっ?本当にここでパンを売っているの?」と驚いてしまう。
正直言って私はパンの味はあまり分からないけれど、こんな場所でパンを焼いている人間は好きである。

パン屋から出た後は、この日の宿泊予定地である羅臼温泉野営場まで一気に車を走らせる。
久しぶりに訪れるウトロも、コンビニに寄っただけで素通りである。
初めて泊まるキャンプ場なので、なるべく余裕を持って到着して、キャンプ場で少しゆっくりとしたいのだ。
とは言っても、既に日没の時間は迫っている。
上空には青空が広がってきて、知床峠からは羅臼岳の凛々しい姿を望めたが、こちらの方は明日の紅葉ウォークでたっぷりと楽しめるはずなので、そこも素通り。
そうして午後3時半頃に羅臼温泉野営場に到着した。

我が家のサイトここのサイトは、駐車場から下がったところと登ったところの2か所に分かれている。
下の方のサイトにはソロキャンプ風のテントが三つ張られていたが、上のサイトには誰もいない。
感じの良い林間サイトで、区画ごとに高低差もあり、これならば満員になったとしても、さほど窮屈には感じないだろう。
我が家は、この上のサイトを利用することにした。
駐車場からはかなり登ってくるので、テントを張る場所は駐車場から2番目に近いサイトを選択する。

今回のキャンプでは山用装備も準備していたが、ここでは2泊する予定なので、オートキャンプ用装備を使うことにした。
オートキャンプ用装備と言っても、テントが小川のソレアードになって、それに椅子とテーブルが加わるだけである。
二人で2往復もすれば、ほとんどの荷物を運ぶことができる。

途中で買ってきた品々設営が終わったところで、ウトロのコンビニで買った地ビールで乾杯。
札幌から知床までやってくると、さすがに遠く感じる。
でも、今回の4泊のキャンプの中ではこの日が一番余裕を持って夕暮れを迎えることができたのである。

さすがに知床のキャンプ場だけあって、野生動物の気配は濃厚である。
一応はサイトの周りには電気柵が張られていて、ヒグマの侵入は防いでいる。
でも、エゾシカはそんな柵も気にしないで、堂々とキャンプ場内に出入りしていた。
山の中の獣道は、その電気柵の切れ目まで続いていて、そこが出入り口になっているようだ。
それではヒグマの侵入も完全には防げない訳で、やっぱりこんな場所でキャンプする時は十分な注意が必要なのである。

下のサイト一息付いたところで、受付のお姉さんが「絶対に入った方が良いですよ」と勧めてくれた「熊の湯」へと入りにいく。
ちなみにこのキャンプ場の管理は女性がやっているようで、施設の方々に女性らしい細やかな気遣いを感じられ、好感を持てた。

熊の湯のお湯はとても熱く、勝手に水を入れると地元の人から怒られるとの話を聞いていたが、その話通りの熱さだった。
そして入っている人も地元の人ばかり。
1分も入っていられない。外に出てかけ湯をしているのでちょうど良いくらいだ。
何度か出たり入ったりを繰り返し、私が出る頃になってから地元の人が「これは熱すぎる」と言って水を入れ始めた。
地元の人がそう言う程なのだから、相当に熱かったに違いない。
サイトに戻ってからも、足が火傷をしたようにヒリヒリと痛んでいたくらいである。
女湯の方では、後から入ってきたおばあちゃんが「なんも我慢することないんだよ」と言って水を入れてくれたとのこと。
どうやら、巷で言われている程には、必要以上に我慢することもないみたいだ。

焚き火風景私がテントまで戻ってくると、先に出ていたかみさんが一人で焚き火を始めていた。
ここのキャンプ場は、オートキャンプ場の様に全てのサイトが区画割されていて、その一つ一つに焚き火用の炉が作られている。
このタイプのキャンプ場で、ここまで徹底して焚き火の場所が確保されているところを私は知らない。
環境の素晴らしさ、野生動物の気配、隣接する野湯、管理する女性の細かな気配り、そしてこの焚き火用の施設。
私がこれまで利用したキャンプ場の中でも5本の指に入るくらいの素晴らしいキャンプ場である。

夕食は白滝のパーキングで買ってきた、お豆たっぷりの炊き込みご飯。
食後は、焚き火を前にして、東藻琴の乳酪館で買ったチーズをつまみにワインをいただく。
荷物を積み込む時にかみさんに言われて、薪を持ってきたのは正解だった。移動しながらのキャンプなので、最初は薪は持ってこないつもりでいたのだ。
ここの焚き火スペースには頑丈な鉄の枠が付いているので、かみさんは「ダッチオーブンも持って来れば良かった」と本気で言っていた。
シカが闊歩する場内空には満天の星が輝き、森の奥からは雄鹿の求愛の声が響いてくる。
静かな良い夜だった。

翌朝の場内はまさにエゾシカ牧場の様相だった。
何だか、場違いな場所に私達がテントを張ってしまったような気さえしてくる。
何頭ものエゾシカがのんびりと草を食んでいる。
ここのキャンプ場では、草刈りの必要も無さそうである。

我が家のテントのすぐ隣にまで近づいてきた鹿は、ご丁寧に小便までしていってくれた。
これだけシカがいるのに場内に糞が見当たらないのは、管理する人が掃除してくれているのかもしれない。


場内のエゾシカ   場内のエゾシカ
テントの隣で小便までしてくれた   炊事場の回りにもエゾシカが

朝の光が射し込む場内に朝の光が射し込んできた。
空には雲一つ見当たらない。
私が「これは良いぞ〜」って張り切っていたら、かみさんが「あまり朝から晴れていると、その後から曇ってくるのよ」と不吉なことを言っている。

知床紅葉ウォークの受け付けは午前7時15分からなので、準備を整え、午前7時前にキャンプ場を出て開会式会場の羅臼の道の駅へと向かった。
羅臼川の橋の上からは羅臼岳の姿が青い空を背景にくっきりと浮かび上がっている。
これからそのすぐ下まで歩いていくのだと考えるとワクワクしてくる。
国後島の姿は海霧に包まれて見えなかったが、波のない穏やかな海は朝の陽光を受けてキラキラと光り輝いている。
今日は素晴らしい一日になりそうだ。

(この後の知床紅葉ウォークの様子はこちらへ)


羅臼川と羅臼岳   海岸の柵の前で
羅臼川の向こうに羅臼岳が見える   海岸の柵の前で記念撮影


羅臼からウトロの知床自然センターまで、28キロを歩き終えて、午後2時15分のバスに乗って羅臼まで戻ってきた。
最初はイベント終了の午後4時にならなければバスに乗れないのかと思っていたが、早くゴールする人のために、早い時間のバスも用意されていたのである。
おかげで、羅臼に戻ってきてからも時間に余裕を持って行動できた。
朝のかみさんの予言は当たってしまい、途中から雲が広がり、知床峠からの羅臼岳は見れずに終わったのが残念だった。
夕食は知床食堂で羅臼まで戻ってきて、まずは温泉で汗を流す。
ホテル峰の湯の日帰り入浴を利用したが、ここの温泉はちょっと外れだった。
前日に入った熊の湯が素晴らしかっただけに、お湯がどこからも出てきていない浴槽は、ちょっと寂しすぎた。

食事は、街の中の居酒屋に目星を付けていたけれど、道の駅の2階に入っている知床食堂の方がリーズナブルそうなので、そちらで食べることにする。
私は前浜定食で、かみさんがホッケ定食を注文。
どちらも美味しくて、満足してキャンプ場へと戻ってきた。

家から持ってきた残りの薪で焚き火を始める。
二晩分の焚き火として、ちょうど良い量だった。
知床ウォークの疲れもあって早々にテントに潜り込んだ。
夜中に、強烈な雷の音で目を覚まされた。
久しぶりに、頭の真上で鳴り響く雷の音を聞いた気がする。
その雷に続いて、叩きつけるような雨と、テントを大きく揺らす突風が襲ってきた。
そんな雨や風は全くの想定外だったので、テントの張り綱も張っていない。
不安になって外の様子を覗いたけれど、直ぐにその雨風も止んで、安心して眠りについた。

二日目の朝も良い天気翌朝は夜中の雷雨が嘘のように穏やかな青空が広がっていた。
コーヒーを入れている間に、テントに付いた水滴をふき取る。
今日はこれから屈斜路湖まで移動して釧路川をカヌーで下る予定なので、なるべく早くテントを撤収して移動したいのである。
しかし、テントの内側も結露がひどく、乾かすのは不可能である。

山間のキャンプ場にもかかわらず、朝日が射してくるのは意外に早かった。
それでも、その陽射しにテントを乾かすような力はなく、結局は濡れたままのテントを撤収することとなった。
そうして午前8時、キャンプ場を出発した。

次の屈斜路湖キャンプへ 



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