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天国じゃなくても稚内キャンプ

稚内森林公園キャンプ場(5月4日〜5日)

 2泊目のキャンプ地は漠然とだが、稚内森林公園か猿払公園、クッチャロ湖あたりにでも泊まろうと考えていた。
 今日の目的地は宗谷丘陵。そこへ行く前にまず稚内森林公園キャンプ場の下見をすることにする。
 このキャンプ場は稚内市街地の西側に迫る丘陵地の上に位置している。曲がりくねった急勾配の山道を登り、さらにキャンプ場の矢印に従って車もすれ違えないような細い道をさらに奥へと進む。
 周りにはまだ沢山の雪が残っていて、本当にキャンプ場がオープンにしているかと不安になってきた。そうして道の突き当りの駐車場へ到着した。車は1台も停まっていない。
キャンプ場の様子 まずはかみさんが駐車場に隣接するトイレのチェック。水も出てトイレは使えるようだ。
 そこから上に登っていくと、雪に埋もれた水場があった。しかも、その流しの中はカラマツの落ち葉で埋まっている。
 「ゲッ、これでは水は使えないな。」
 試しにハンドルを回してみたところ、何と蛇口から勢い良く水が噴き出してきたのである。
 これでキャンプをするための最低限の条件は満たされた。もっとも、前日はトイレも水もない場所でキャンプをしていたのだから、これは文化的なキャンプをするための最低条件と言ったところか。
 次にテントを張れそうな場所を探す。メインの芝生部分は雪こそ無いものの、まだ雪が解けたばかりと見えてかなり湿っている。それでもかろうじて乾いている部分が見つかって、何とかそこにテントを張れそうだ。
 風も無く、周りからは鳥のさえずりが聞こえてくる。
 かみさんがポツリとつぶやいた。「天国みたい」
 私の頭の中には、ここへ来る途中に車のラジオから流れていたTHE BOOMの「風になりたい」のメロディーが再び流れ始めた。
 「天国じゃなくても〜、楽園じゃなくても〜、あなたに会えた幸〜せ、感じて〜風に〜なり〜たい〜♪」
 今朝までのことを思えば、どんな場所でも天国のようなキャンプ場に見えたのかもしれない。
 軽い下見だけのつもりが、その場でテントを張ってしまうことにした。

 今夜の宿泊場所を確保できたので、後はゆっくりと周辺の観光に時間をかけられる。天気は曇り空だけど、午後からは晴れてくるとの天気予報だ。
 まずは稚内温泉「童夢」で体の砂を洗い落として、身も心もすっきり爽やか。
大沼の白鳥たち その後は大沼へハクチョウを見に行くことにする。ちょうどハクチョウ祭りもやっているみたいだ。旅先で偶然出会うこんなローカルな祭りも楽しいものである。
 大沼付近までやってくるとまた風が強くなり始めた。車を降りると冷たい風に晒され、慌てて服をもう一枚着込んだ。
 ハクチョウ達の賑やかな鳴き声が聞こえてくる。湖畔に出ると、辺りはハクチョウやらマガンやらでびっしりと埋め尽くされていた。
 岸辺まで上がってきている鳥たちの間を、子供が走り回って鳥を追い立てていた。その光景に一瞬眉をひそめてしまったが、鳥の方はちょっと飛びのくだけでそんな子供なんか全然気にもならない様子で熱心に砂の上の餌をついばんでいる。
 確かここのハクチョウは、地元の人の熱心な餌付けによって沢山集まるようになったはずだ。観光客が餌を投げるたびに鳥たちが一斉に群がってくる。
 クッチャロ湖にハクチョウが飛来する頃にそこのキャンプ場に泊まった事があるが、その時はハクチョウが驚いて逃げてしまうので犬は絶対に放さないようにと注意されたものである。
 それがあるので今回もフウマは車の中に残してきたのだが、クッチャロ湖とはかなり様相が違っていた。クッチャロ湖が野生のハクチョウなら、こちらは飼いならされたハクチョウって感じだ。
餌やりおばさん かみさんも100円で売られているハクチョウ用のパンを買って食べさせてみたいと言い出した。
 「別に良いんじゃない」と返事をすると、ニコニコしながらパンを買い、人のいない外れの方まで行ってハクチョウたちに向かってパンくずを投げ始めた。
 観光客の周りに群がっているハクチョウと比べると、外れの方にいるハクチョウ達はまだ野性味が残っているみたいだ。怪しげなおばさんの登場に警戒心を抱いて後ずさりしている。
 それでも次第に餌の魅力に負けてかみさんの周りに集まり始めた。かみさんのパンはあっという間に無くなってしまった。
フウマのために少し残しておくと言ってポケットに入れたパンまで、すべて食べさせてしまったみたいだ。
 車で湖沿いに少し走ってみると、遠くの牧草畑にも沢山のハクチョウが群がっているのが見えた。
 「うん、彼らこそが野生のハクチョウの正しい姿だ!」と、まるで身勝手な人間の考えで納得する私だった。

 その後は宗谷丘陵へと向かう。
 もう直ぐ昼になると言うのに、まったく晴れてきそうな気配が感じられない。夜には天気が崩れるとの予報なので、このままでは青空を見られないまま夜になってしまいそうだ。
 晴れの予報は外れても、雨の予報はほとんど外れないのが、今の天気予報である。
宗谷丘陵 宗谷岬への途中から、宗谷丘陵の中を走る道に入った。
 周氷河地形といわれるなだらかな丘が続く風景、所々に雪が白く残り今の時期ならではの一風変わった光景が目の前に広がる。丘の向こうに沢山の風車が立ち並んでいるのが霧にかすんで見えている。
 苫前で見たように真っ青な空が広がっていればもっと素晴らしい景色だったのにと、上空の雲が何とも恨めしい。
 私が宗谷丘陵に来るときは何時もこんな天気である。
 風車の建設で丘陵の風景が一変していないかと心配だったが、とりあえずこの付近は以前の姿のまま変わりなくてほっとした。
 とは言いつつも、丘の風景の中に沢山の風車が林立する様子も見てみたかったと言う気もする。残念ながら風車が立ち並ぶ所へ行けそうな道は冬の通行止めになったままだったので、それは次回の楽しみとして残しておくことにした。
 昼の時間なので、宗谷岬近くの丘の上にあるレストラン「アルメリア」で食事をとることにする。
 かみさんはラーメンを注文。私は、宗谷岬と言えば宗谷牛、ステーキは高すぎるので宗谷牛の焼肉定食を注文した。
 先に出てきたかみさんのラーメンを一口味見させてもらったら結構美味しい。遅れて出てきた私の焼肉定食、一目見てビックリしてしまった。
 「何じゃこりゃ!」
 皿の上に盛られた、小さく千切れたわずかばかりの肉。まるで焼肉をした後に、網の上に残った小さな肉をかき集めて、それを皿の上に盛って出してきたような代物である。
 これほどみすぼらしい焼肉定食は初めてだったが、別に不味い訳でも無し、とりあえず空腹はいやせたので満足して店を出た。
 せっかくだから宗谷岬にも寄って観光客気分を楽しむ。
 その後は近くの海岸で焚き火用の流木を拾い集めてキャンプ場まで戻った。

 決して満足のできるものでは無かったけれど、今回の道北キャンプの三つの目的を一応はすべて達成して、キャンプ場でゆったりとくつろぐ。
我が家のサイト ここは初めて泊まるキャンプ場だけれど、場所によっては稚内の港や街並みを見渡すことができるし、公園と言ってもキャンパー以外の人間が頻繁に訪れるようなところでもないので、なかなか落ち着けるところである。
 キャンプ場から森の中を抜けて後ろの山の上に続く散策路は、とても気持ちのよさそうな道だ。現在は雪に埋もれているが、時間があればゆっくりと歩いてみたいところだ。
 利礼航路のフェリーの汽笛も時々聞こえてくる。カラスの鳴き声が耳障りだが、市街地に近い場所なのでこれはしょうがないところだろう。
 朝にテントを張った時はほとんど無風だったのに、再び風が強まりだした。拾い集めた流木もあることだし、少々の風は我慢することにして焚き火を楽しむことにした。
 園内に剪定した樹木を積み上げてある場所があったので、そこからも乾燥してそうな薪を拾ってきては焚き火の中に放り込む。
少しくらい湿っている木でも、風に煽られて真っ赤に燃え上がる。
 のんびりと焚き火で暖を取るような状況ではないが、近くで火が燃えているだけで何となく暖かく感じられるものだ。
稚内の夜景 今夜の夕食は炊き込みご飯にタコシャブ、それにホッケの開きや豚トロも焼いて、昨日のメニューと比べたらかなり豪華である。
 夕食を終える頃にはあたりも暗くなり、稚内の街の灯りが美しく輝き始めた。汽笛を鳴らしながら海の上を進んでいくフェリーの灯りが旅情を誘う。
 駐車場には4台ほどの車が停まっていて、そこで車中泊をするみたいだ。
 最近はこうして車中泊をしながら道内を回る人たちが本当に増えてきた気がする。ラジオのニュースを聞くと、道東の道の駅では車中泊する車で広い駐車場が満車になっているとのことだった。
 確かにキャンプするよりもその方が手軽そうだけど、我が家はやっぱり荷物運びやテントの設営に苦労してでもテントの中で眠りたいのである。
 しかし、次第に風が強まり夜中には雨も降りはじめるとのことで、今夜のテント泊は辛いものになりそうだ。

 昨夜の海からの風は、途切れることなく一定の強さで吹き続けた。
 今夜の風は、時おり塊りとなって山から吹き降ろしてくるような山沿い独特の吹き方である。
 両者を比べた場合、寝ているときに限っては前者の方がまだましである。
 後者の場合、ウトウトしたかなと思うと突然の強風で目を覚まさせられる。その繰り返しなものだから、なかなか熟睡できないのだ。
 最大風速は昨夜よりも強い感じで、その風が吹き付けてくるたびにテントが壊れてしまうのではと心配になってしまう。
 夜半から降り始めた雨も、風さえなければそのテントを叩く音が子守唄代わりになるのに、これだけ風が強いとただの眠りを妨げる音でしかない。
暗い朝の風景 そうして今日も無事に朝を迎えることができた。
 雨も止んできたので、少しでも早く乾くようにテントの水滴をふき取っていると、その作業が終わるのを待っていたかのようにまた雨が降り始めた。
 ここでテントを乾かすのは諦め、次に雨が小降りになった間隙を狙って濡れたままの状態で一気にテントを片付ける。
 今度は、片付け終わるのを待っていたように完全に雨が上がった。まったく、雨雲にからかわれているような気分である。
 今日の予定は特に何も考えていなかった。このまま兜沼公園に行ってそこでテントを乾かし、その間に周辺の観光することにした。
 その前に、キャンプ場から見えていた山の上の百年記念塔に立ち寄る。開館が9時からなので中に入ることはできなかったが、その周辺からでも稚内を一望する素晴らしい景観を楽しめた。
 その後は稚内港北防波堤の写真を撮って兜沼へ直行である。

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