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シーソラプチ川(2022/10/02)

トラウマからの開放

清水町に住所を移してからは、これまで簡単に行けていた山や川、キャンプ場などが遠くなってしまった。
しかし、逆に近くなったところも有り、特に川下りについては歴舟川や沙流川、空知川など、何時も行っている川が多い。

日曜日にミニ例会が企画されたシーソラプチ川などは、清水町の家から30分ほどで行けてしまう。
勿論、直ぐに参加表明。

一ヶ月半ほど前に落庵裏からシーソラプチ川の一部分だけを下っていたけれど、何時ものスタート地点から下るのは今年初めてである。
その時は水量も多く、国体コースのパチンコ岩の手前で沈して、そのまま渡月橋の落ち込みまで一気に流されていた。
そんな事もあったので、現地に着いたら直ぐに渡月橋の上から川の様子を眺める。

シーソラプチ川のダウンリバー
渡月橋の上から見下ろした落ち込み


前回より水位は下がっているけれど、渡月橋の落ち込み部の岩が隠れているので、下るには丁度良い水量と言えるだろう。
しかし、流れが早くて、沈するイメージしか浮かんでこない。
おまけに、パチンコ岩の手前には今までに無かった落ち込みも、新たにできていた。
今年の増水で、川底が洗掘されたのだろう。

シーソラプチ川のダウンリバー
上流側に新しい落ち込みができている


スタート地点の様子もかなり変わっていた。
増水時にはその辺り一帯が水を被ったようで、進入路も大きくえぐられていたり、大きな流木も転がっていた。
カヌーを出す川岸もかなり削られていたが、逆に今までよりも舟を出しやすくなっていたし、川の方も邪魔な岩が無くなって下りやすくなった気がする。

シーソラプチ川のダウンリバー
スタート地点の様子


一番最初に出艇して、途中で皆の写真を撮る。
最近はクラブの役員もやっていないので、以前のようにカメラマン役になることも無くなっていたのだが、ソロで下るのにも慣れてきたので、写真を撮る余裕もできたのだ。

シーソラプチ川のダウンリバー
川の中の岩も少なくなった気がする


その先には増水で新たにできた流木の山が待ち受けていた。
皆は流木の山の左側を下っていくが、途中に浅瀬があるようで苦労しているようだ。
Nもとさんが右側を下っていくのが見えたので、私もそちらに進むことにした。
しかし変な流れに入ってしまったようで、本流に戻るのに一苦労する。

シーソラプチ川のダウンリバー
川の真ん中に流木の山が



やっと本流に戻れたと思ったら、次々に舟が流されてくる。
上流の方を見ると、嫌らしい流木が一本入っていて、それの餌食になった人がいたようだ。

そこから先、五流の瀬までは特に難所もなく、すんなりと下っていく。
五流の瀬も早めに下って撮影係に。
撮影係の楽しみは、美味しい沈シーンを見られること。
早速onちゃんが沈を披露してくれたが、この後何度も私を楽しませてくれることとなる。

シーソラプチ川のダウンリバー
五流の瀬


川を下っていても増水の爪痕が所々に残っている。
今年は何度か大雨が降っていたけれど、何時の雨でこれだけ流木が増えたのだろう。

シーソラプチ川のダウンリバー
岸には流木が目立つ


クランクの瀬は、下る前に途中から写真を撮ったけれど、そこからでは良い構図にならない。
ここはやっぱり、一旦下って下流側から撮る方が見栄えする写真になるのだ。

シーソラプチ川のダウンリバー
穏やかな流れが突然急流に変わるクランクの瀬


そして次はいよいよトラウマの瀬だ。
瀬が近づいてくると緊張感が高まる。
それは、未だにここの攻略法が見つかっていないからだ。

シーソラプチ川のダウンリバー
風景は美しいけれど、トラウマの瀬が近づいてくると緊張する


落ち込みへの侵入場所によっては、拍子抜けするくらいにあっさりとクリアしてしまうのだけれど、それが少しでもずれてしまうと、落ちた後に右や左から複雑な水の力が加わる。
それに対して的確に対応できず、岩にぶつかったりとか、たとえ沈しなくても不満の残る結果になってしまうのだ。
今回は落ちた後に舟が回され、後ろ向きになってしまった。

シーソラプチ川のダウンリバー
トラウマの瀬のonちゃん、侵入場所が悪かった


でも、沈をしないとその後に写真を撮る余裕ができる。
岩の上に登って待っていると、ここでもonちゃんが正しい沈を披露してくれた。

大取りで下ってきたのはガンちゃん。
今日の水量なら余裕でチキンコースを下れるのに、何を血迷ったのかヒーローコースを下ってきた。
まあ、どんなところでも下れるだけのスキルはあるのだけれど、決して無理はしないガンちゃんなので、これには驚いてしまった。

そして見事に沈をして、そのまま沈の花道を流されてきたのは、クラブの会長としてのちょっとしたサービスだったのだろう。
こうして高い場所から沈の花道を流されてくる人を見られたのは、久しぶりのような気がする。

シーソラプチ川のダウンリバー
沈の花道を流される姿も堂々としているガンちゃん



トラウマの瀬を過ぎると、ようやく緊張感も解けてゆったりと下っていける。
王子橋の手前の河原で昼の休憩。
今日は気温も低く川の水も冷たいので、日当たりの良い河原での休憩は心地良い。

シーソラプチ川のダウンリバー
日の当たる河原で休憩


その河原には大量の流木が積み上がっていた。
休憩の記念に、小さな流木をオブジェ代わりに立てておく。

シーソラプチ川のダウンリバー
記念に残した流木のオブジェ


休憩を終えて国体コースへ。
三段の瀬まではまだ余裕があって、他のメンバーが三段の瀬を下る様子を撮影。
ここは全員が無難に下って、いよいよ次は私にとって最大の難所の渡月橋の落ち込みである。

シーソラプチ川のダウンリバー
三段の瀬、ここで沈しても瀬の途中で起き上がったヨッシー


前回ここで流されたことが、完全にトラウマになっていた。
流される直前までは、ソロで下ることにも慣れて、かなり自信を付けていた。
それが、粗沈とも言えるような情けない沈によって、その自信は完全に打ち砕かれてしまったのだ。

近くまで行って皆が下る様子を眺めていたが、何時までもウジウジしていても始まらない。
覚悟を決めて下ることにした。
最初の漕ぎ出しに全神経を集中する。
前回はそこで沈して、そのままずーっと流されていったのである。

シーソラプチ川のダウンリバー
新しく出現した落ち込み


新たにできた落ち込みも難なく超えて、パチンコ岩も理想的なコースで回り込む。
渡月橋の落ち込みも、クリアするルートは頭の中に見えていた。
中央の岩のやや左側から侵入、あまり左に寄り過ぎるとカヌーが回されてしまうので注意。
それが流れに押されて中央の岩の真上から落ち込みに入ることになってしまった。

シーソラプチ川のダウンリバー
もっと左から入る予定だったけれど


カヌーの底を岩に擦ったけれど、無事にクリア。
ようやくトラウマから開放された気分だった。

岩の上に登ってカメラを構えていると、onちゃんがパチンコ岩で沈して、そのまま流されてきた。
前回の自分の姿を見ているようで、不思議な気持ちにさせられる。

シーソラプチ川のダウンリバー
前回の私を見ている気がした


岩を乗り越えてそのまま落ちていく様子が、まるで自分の身に起こっているかのような錯覚に囚われる。
私の時のようにカヌーを離さないでしっかりと保持したまま流されきたのは大したものである。

シーソラプチ川のダウンリバー
ホールに巻かれることなく直ぐに浮き上がってきた


そんなこともありながら、沈しないで今日の川下りを終えることができた。
ゴール付近のモミジは赤く色付き、秋の深まりを感じさせられる。
今年のカヌーシーズンも後わずかだ。

シーソラプチ川のダウンリバー
季節は秋へ


 

(当日12:00空知川水位 福寿橋:364.73m、北落合橋:堤防天端からの高さ-5.35m)

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