北海道キャンプ場見聞録
シーソラプチ川(2021/08/22)
沈しなければ楽しさ倍増
今日は今シーズン初のシーソラプチ川。
毎年一度は下りたい川だけれど、今年はなかなか下る機会がなく、危うくこのままシーズンオフを迎えてしまうところだった。
太陽の里キャンプ場を出発して、集合時間の30分前に余裕を持って到着。
私の呼びかけに応じて参加してくれた方4名は既に集まっていたので、慌てて着替えをする。
そこに突然、クラブの会長であるI田さんが現れてビックリ。
富良野からの入会希望者がいるので、同じ富良野在住のY田さんに引き合わせたいとのこと。
その入会希望者の方はカナディアンに乗っていて、川の経験はあまり無いようだ。
到着して早速、Y田さんと空知川で練習しましょうとの話をしている。
会長とその方の車でスタート地点まで送ってもらえたのはラッキーだった。
車の中で聞いたところでは、釧路川でカヌーガイドの手伝いをやっていたこともあるらしく、それならば全く問題はない。
カヌーコントロールができるのなら、後は瀬の中で経験を積めば直ぐに上手くなるだろう。
川下りスタート
二人に見送られて、川を下り始める。
今日のメンバーは、昨日の二人に加えてY谷さんとSUPのI倉さんだ。
スタートして間もなく、五流の瀬が待ち構えている。
そこには見送ってくれた二人が先回りしていた。
五流の瀬の落ち込み
水が少ないと落ち込みの落差が大きくなり、毎度のことながら落ちる瞬間は緊張する。
他のメンバーも問題なく下ってきたが、SUPのI倉さんはフィンが落口の岩に引っかかりそうなので、ここはポーテージ。
見送りの二人とはここでお別れして先へと下っていく。
五流の瀬全景
今日の天気は生憎の曇り空。
気温も低くて、昨日はウェットスーツで下ったけれど、今日はドライスーツでなければ沈もできない。
太陽が出ていると水の透明度が際立つのだけれど、こんな日は木々の緑がしっとりと見えて、これはこれで良いものだ。
曇り空の時は緑が目に優しい
水が少なくて時々カヌーの底を擦るけれど、瀬に緊張することもなく、美しい風景を楽しみながらのんびりと下れる。
少人数なのも良い。
何時もの例会ならば参加者は20名から30名、人気のシーソラプチ川ならば40名近く集まることもある。
皆でワイワイと下るのも楽しいが、川を楽しむのならやっぱりこれくらいの人数のほうが良いのだ。
所々で写真を撮りながら下っていく。
今回は、Y谷さんも写真を撮ってくれるので嬉しい。
クランクの瀬ではY谷さんが先に下ってカメラを構えていたので、格好良く写ろうと思って気合を入れて下っていく。
ところが瀬の手前でコントロールを失い、舟が後ろ向きになりかけた。
慌ててリカバリーしたのは良いけれど、そのまま入ってしまったのはクランクの瀬のチキンコース。
ソロでカナディアンを漕ぐのには、まだまだ修行が足りないようだ。
クランクの瀬、岩と岩の間を下るつもりがあらぬ方向に進んでしまった
この辺りから周りの岩は苔生して、シーソラプチ川の中でも一番美しい風景が続くようになる。
そこに現れるのがトラウマの瀬。
渡月橋の落ち込みの次に私が苦手にしている場所だ。
苔生した美しい風景が続く
ここは一番最後から下ることにして、その前に皆の写真を撮ることにする。
落ち込みの横に立って瀬の様子を見ると、水が少ないので瀬の中の岩の状態が良く分かる。
ここで沈する時は、最初の落ち込みを降りた直後に横からの波を受けてカヌーがひっくり返されるのだ。
その場所には水中に岩があるようで、水量が増えるとその隠れ岩が波を大きくしているのだろう。
三段の瀬
皆の写真を撮り終えてから、最後に私が下る。
今日の水量ならば横波を受けることもなく、無事にクリアできた。
横からの波も小さいので無事にクリア
トラウマの瀬に続く沈の花道を、舟に乗ったまま皆で流れていく。
沈の花道とは、トラウマの瀬で何度も沈をしてここを流された経験を持つ私が名付けた名前。
沈さえしなければ、とても美しい場所なのである。
沈の花道を下る
淵の底までハッキリと見える透明度
この後は国体コースまで比較的のんびりと下っていける区間だ。
いつもの場所で昼の休憩を取る。
ラフトツアーが次々と下ってくる。
丁度、午前のツアーが終わる時間帯なのだろう。
次々とラフトが下ってくる
国体コースの三段の瀬では、I倉さんが立ったままでチャレンジするが、やっぱり途中でひっくり返ってしまう。
三段の瀬をSUPで立ったまま下るのはさすがに難しい
そうして、問題の渡月橋の落ち込み。
6月例会、そして昨日と、今シーズンはここで2戦2敗。
いずれも左岸側から入っての沈である。
それなので、今回は右岸側から入ろうと思ったけれど、それでは逃げてしまうことになるので、上手く下れたとしても喜びは無いだろう。
もしもそれで沈でもしたら最悪である。
ここはやっぱり沈しても良いから、同じルートで再チャレンジするしかない。
この先で渡月橋の落ち込みが待ち構えている
過去2回は、落ち込みの手前でスターンを流れに押されてカヌーが横向きになってしまったのが敗因なのはハッキリとしていた。
それを考えて下るルートを慎重に選んだが、それでもやっぱりカヌーが横向きになりかける。
必死になって方向修正
心の準備はできていたので必死に方向修正を試みる。
そうして、ギリギリだったけれど、何とか苦手な落ち込みをクリア。
最高に嬉しい瞬間だった。
クリアして満面の笑顔
その喜びを噛みしめながらゴールまで下ってくる。
するとY谷さんが、渡月橋の下流の瀬で油断して沈したようだ。
marioさんの舟に掴まったまま、何となく楽しそうにゴールまで流れてきた。
こんなに綺麗な水なら自分から飛び込みたくなる
そんなこともあったけれど、本当に楽しい川下りだった。
もしもこれで、途中で沈でもしていたら、全然違った気分になっていたかもしれない。
沈も川下りの楽しみの一つとは言いながら、やっぱり沈しないで下れた方が良いのである。
(当日11:00空知川水位 幾寅観測所:354.09m)