北海道キャンプ場見聞録
尻別川(2021/06/10)
新人の川デビューに集まる
緊急事態宣言の中、こっそりと集まって川を下っている人達もいたけれど、私にはお呼びがかからず、FBにアップされる楽しそうな写真を指をくわえて見ているだけ。
そんな時、平日に川を下るので参加しませんかとの嬉しい誘いがあり、一も二もなくその誘いに飛びついた。
    
下る川は尻別川の夏ラフトコース。
    シーズン初カヌーでラフトコースを下るのは厳しそうなので、事前に千歳川で初川下りを済ませておいた。
その時はソロだったけれど、珍しくかみさんも行きたいと言うので、今回はタンデムでのシーズン初川下りである。
    
天気にも恵まれ、田植えの始まった水田には、まだ雪の残る羊蹄山の姿が見事に映りこんでいた。
2年前の東北旅行中に見た水田に映る鳥海山の姿を思い出す。
    
    

逆さ羊蹄
    そんな天気にも誘われたのか、集まったのは10名。
    平日なのでリタイア組ばかりかと思ったら、現役組も混ざっている。
    緊急事態宣言下で、職場の事情や家庭の事情と色々有る中で、それでもやっぱり川を下らずにはいられない人達が集まったようだ。
    
    

平日なのに10名も集まった
    今回の川下りの一番の目的は、現役女子大生なつきちゃんの本格的川デビューを皆でサポートすると言うもの。
    なつきちゃんは、千歳川で2回ほどクラブのおじ様たちの必要以上に熱心なコーチを受けてはいたけれど、瀬のある川を下るのは今回が初めてなのである。
    
    水量はやや多め。
    本来ならば気持ちよく下れる水量なのだけれど、シーズン初タンデムなので、人に構っている余裕は無さそうだ。
    
    

コーチ二人と一緒に川へと出てくるなつきちゃん
    最初の岩の多い瀬は、水が多くて殆どの岩が水没していた。
    岩が出ている時よりは下りやすいけれど、途中で止まって写真を撮れそうなエディが見つからない。
    エディがあったとしても、入りづらいエディだとかみさんが文句を言うので、こんな時は瀬が終わるまでノンストップで下っていくしかない。
    
    

これでは途中で止まれない
    今回も360度カメラを用意していたので、写真なんか撮らなくても後で動画の中から良いシーンだけ切り出せば良いと考えていた。
    しかし実際の映像を見てみると、広角レンズなものだから被写体のかなり近くに寄らないと人間が小さ過ぎて、動画から切り出す写真は殆ど使い物にならない。
    やっぱり、何時ものカメラで撮影した方が、距離が離れていても鮮明に映る。
    
    

緊張しながら下るなつきちゃん
    
    
なつきちゃんが、私たちのいるエディに入ってきた。
    その入り方は、これが3回目の川とはとても思えないくらいに見事である。
    ただ、その表情は引き攣っていた。
    初めて下る瀬がこれでは、緊張するのも無理はない。
    
    

エディインも難なくこなす
    しかし、その先の波の大きな瀬も危なげなくクリアしてしまう。
    これならば、心配することは無さそうだ。
    
    

初心者がこの瀬を下るのは厳しいと思うのだが
    寒別橋を過ぎると羊蹄山が真横に見えてくる。
    河畔の柳が大きくなってきたのか、以前に比べて麓の方が隠れてしまっているような気がする。
    
    

柳が茂りすぎて羊蹄山を隠してしまう
    二股の瀬では、なつきちゃんがいるので下見するのかと思ったら、そのまま下るようだ。
    まあ、ここでは真ん中を下っていくだけなので、特に下見する必要も無いし、下見したとしても恐怖が増すだけなので妥当な判断だろう。
    
    

カワガラスじゃなくて本物のカラス
    かみさんは一人でポーテージすると言う。
    去年、初めてここで沈したからなのだろう。
    でも、その時は左岸により過ぎて隠れ岩に引っかかっただけなので、普通に真ん中を下れば沈の心配はほとんどない。
    今日は水が多いのでポーテージするのも大変そうだけれど、余計な口は挟まないことにする。
    
    ソロで下れば、気兼ねなく波の頂点を攻めていける。
    しかし、最初の波で横に弾かれて、予定していたルートを外れてしまって、納得のいかない結果に終わってしまった。
    それでも、やっぱり瀬のある川を下るのは楽しい。
    前回の千歳川とは大違いである。
    
    

ソロで二股の瀬を下る
    
    
    下見なしで下ってきたなつきちゃんは、私の狙っていたヒーローコースを堂々と下って見事にクリア。
    かと思ったが、エディラインでバランスを崩したのか最後に沈をしてしまった。
    
    

果敢に波の中に突っ込んでいく
    しかし、沈した後も落ち着いていた。
    ひっくり返ったカヤックを元に戻し、その中にパドルを入れて、G藤さんがストライクで投げてくれたレスキューロープに掴まる。
    教えられたとおりに行動できるのも大したものである。
    
    SUPのNもとさんも、立ったままで二股の瀬を下ろうとしたが、途中で座り込んでしまう。
    それが悔しかったのか、1人だけ再チャレンジ。
    2度目もやっぱり座ってしまったが、そのチャレンジ精神は流石である。
    
    

再チャレンジももう少しだった
    二股の瀬で昼食にする。
    天気も良くて気持ちが良い。
    
    

瀬を下ってからお昼休み
    ここまで360度カメラをライフジャケットに取り付けていたけれど、ここから先はカヌーのガンネルに縛り付けて、横から撮影することにした。
    こうすればカヌーを漕いでいる自分たちの姿を撮影できると思ったけれど、期待していたような映像にはならない。
    やっぱり自撮り棒を固定しての撮影では限界があるようだ。
    
    

360度カメラの映像
    その先では正面に羊蹄山が見えてくる。
    今の季節に川の上から見る、まだ雪の残る羊蹄山の姿が一番美しい気がする。
    
    

最高の景色だ
    そして最後に、緑にすっかりと覆われた土壁の姿を楽しむ。
    その土壁から染み出す湧き水が、幾筋もの滝となって流れ落ちる。
    その下で茂る瑞々しい青ブキがとても美味しそうに見える。
    
    

土壁の途中に茂っているフキが美味しそうに見える
    そしてゴールの川原に到着。
    天気が良い時の川下りは本当に楽しかったのである。
     
この時の動画へ 
    
    (当日12:00尻別川水位 倶知安観測所:167.45m)
    
    
    
