北海道キャンプ場見聞録
忠別川(2017/08/20)
二日連続で同じ川
カヌークラブ8月例会2日目は石狩川。
ひがしかぐら森林公園キャンプ場を8時に出発し、今日の集合場所である上川町のセブンイレブンを目指して皆で車を走らせる。
しかし、上川町を流れる石狩川は、見事なくらいに水が無かった。
とても、全道一の大河とは思えない程の情けない状況である。
川岸にずらりとカヌーが並ぶ
今日から参加する人も多かったので、昨日下った忠別川をもう一度下ろうとの案が出てきた。
そこで、このまま水の少ない石狩川を下るか、引き返して忠別川を下るか、多数決で決めることとなる。
私は50キロ以上の道程を引き返すのが面倒だったので石狩川に手を上げたが、2対1くらいの割合で忠別川に軍配が上がった。
そしてまた、隊列を組んで東川町へと引き返したのである。
昨日に続いて今日も最高の川下り日和である。
参加者も7名増えて29名。
私が川下りが好きな理由の1つに、次に何が現れるか分からないドキドキ感を味わえることがある。
それなので、一シーズンに同じ川を何度も下るのはあまり好きではない。
それが同じ川を2日連続で下るとなると、何を楽しみにして下れば良いのか、ちょっと途方に暮れていた。
今日も川下り日和だ
スタートして直ぐのところにある瀬で、昨日と同じく参加者全員の写真を撮る。
少しでも変化を付けようと、昨日撮影したところから少し場所を変えてみたが、写る写真に変わり映えはしない。
写真を撮り終えて下っていくと、その先の瀞場に参加者全員の舟が浮かんでいた。
なかなか壮観な眺めである。
その間を一気に漕ぎ抜けて先頭に出る。
2日連続で下る時の利点は、川の様子が分かっているので、積極的に先頭で下れることである。
グループでの川下りでも、先頭にいれば、単独で川を下っている気分になれて爽快なのである。
ビデオ撮影のために先に下るI山さん、先頭を下るのが好きなY田さん。
前の方を下る顔ぶれは何時も同じだ。
ここに26艇のカヌーが写っているはず
ギリギリで倒木をかわす
次に、倒木の近くの撮影ポイントに付く。
本流がまともに倒木の下に吸い込まれているので、かなり危険な場所である。
初心者がいればポーテージさせても良いようなところだが、今日の参加者ならば問題はない。
それでも時々、倒木をギリギリでかわす人もいて、なかなかスリリングである。
岩盤の瀬が始まる。
今日からの参加者は、とても楽しそうな表情でそこを下っていく。
昨日からの参加者は、サーフィンポイントも分かっているので、遊びながら下っていく。
皆がそれぞれ、快適な川下りを楽しんでいた。
サーフィン大好き
二人の初の共同作業、スイカ入刀!
昨日と同じ川原で昼の休憩。
ここでスイカが登場。
昨日の夜からキャンプに参加していたO橋さんが、買ってきてくれたスイカ。
我が家のカナディアンに積んでここまで持ってきたのである。
O橋さんとガンちゃんによる、ケーキ入刀ならぬスイカ入刀。
夏の川原で食べるスイカは、なかなか乙なものである。
その後は堰堤のポーテージ。
昨日で慣れているので、手際よくポーテージを済ませる。
堰堤ポーテージ風景
舟を引き揚げる順番待ち
先に堰堤下流の瀬を下って行くと、丁度良いエディがあったので、そこで写真を撮ることにする。
岩に引っ掛かったりしながらも、皆楽しそうに下ってくる。
流されながらも笑顔が浮かぶ
そこでI田さんが沈脱。
かみさんから「ロープ投げて!」と言われたけれど、それほどの急流ではないし、こちらもまだ撮影中である。
他に誰かいないかと後ろを振り向いたら、絶好のポジションに熊五郎さんがいた。
ところがその熊五郎さん、ロープを取り出す素振りもなく、川の中に座り込んでI田さんが流れていくのをボンヤリと眺めているだけ。
I田さんはもう少し流されてK島さんにレスキューされたけれど、例会に参加しているメンバーは誰でもレスキューに参加できるように、講習会をやらなければダメだと痛感した。
パムさんが下ってきたけれど、こんなところでパムさんの写真を撮っても面白くないなとボンヤリと眺めていて、せっかくのシーンを撮り逃してしまった。
パドルを離したまま流されるパムさん
渇水気味の川ばかり下って退屈しているパムさんは、時々退屈しのぎに意味も無く頭上にパドルを放り投げて遊んでいる。
その遊びも、流速を考えながらパドルを投げ上げる高さや角度を考えなければならず、しかもパドルに回転を与えることも意識しているようで、なかなか高度なものらしい。
しかし、失敗した場合はパドルだけを流してしまうことになり、リスクを背負った非常に危険な遊びなのである。
そして今回は、ものの見事に失敗してくれたのだ。
後ろに落としてしまったパドルに気を取られて、そのまま沈。
パドルを離したまま流されてくるパムさん。
パドルが無くてもパムさんならばハンドロールで起きるのだろうと期待しながら眺めていたらそのまま沈脱。
パムさんもハンドロールで起きようと考えたらしいが、もしも起きたとしてもそのままパドルがないまま下ることになってしまうので、脱艇してパドルを回収することを優先したとのこと。
できればパドル放り上げの瞬間を写したがったが、もっと貴重なパムさんの沈脱シーンを写せたので、それで満足できた。
この直ぐ後に技を繰り出したパムさんだったが
その先から延々と続く岩盤の瀬。
昨日も下っているとは言っても、複雑な流れなので、相変わらずルートの選択が難しい。
昨日よりも変なルートに入ってしまったり、瀬の途中で後ろ向きになったりしたりと、上手く下れない。
腕の力も無くなってきているようで、避けようとした岩にもぶつかってしまう。
これだけ瀬が続いていると瀬にも飽きてくる
漕ぐのはかみさんに任せて、私は遊んでいた
途中の大岩の陰で、最後に全員の写真を撮る。
取り終えた後に、そこのウェーブに入ってみた。
かみさんはバウで一生懸命漕いでいたけれど、スターンは何もしなくてもウェーブの中に留まっていられる。
大型のカナディアンでサーフィンできるようなウェーブはなかなか無い。
パドルを回したり、立てたりと、余裕をもって遊ぶことができた。
そしてその先の岩盤の瀬。
昨日は一気に下ってしまったので、今日こそは途中のエディに入ろうと思っていた。
しかし、そんなエディは見つからず、今日も一気に下ってしまう。
17トンの水量でこれなのだから、放流量がもっと多い時は途中で止まることなどできないだろう。
それは、レスキューもできないと言うことなので、ここで沈したらひたすら流されるしかないのである。
そんなリスクはあっても、もう少し水の多い時にもう一度下ってみたいと思わせる、とても楽しい忠別川である。
下り終える頃には秋を思わせる雲が空にたなびいていた
3時間弱で東橋下流の堰堤に到着。
車を停めてあった河川敷は陽射しを遮るものが何も無く、車の陰にでもいないと暑くて堪らない。
それでも空には、秋を思わせる巻雲がたなびき、そろそろ夏も終わりなのかなと感じさせられる。
そんな夏の終わりに忠別川で楽しい2日間を過ごせたのである。
(当日12:00忠別ダム放水量 17.0トン)