北海道キャンプ場見聞録
タープから人が溢れる例会キャンプ
ひがしかぐら森林公園キャンプ場(8月18日~20日)
カヌークラブの8月忠別川例会のキャンプ地はひがしかぐら森林公園キャンプ場。
夏休み期間中の最後の週末であり、相当混みあうことが予想される。
それで、場所取りを兼ねて前日からキャンプ場入りすることにした。
パン屋「きみかげ」の庭先に置かれていたトラクター
キャンプ場へ向かう途中、当別町のパン屋「きみかげ」でパンを購入。
キャンプ場に着いたら、駐車場の直ぐ近くにビッグタープを設営。
ここまでは去年の8月と全く同じだった。
しかし、違っていたのは天候である。
去年の8月と言えば台風が北海道を連続して襲い、道内各地で川が氾濫し大きな被害が発生していた。
それが今年の8月は、雨が少なくて道内の川は何処も干上がっている有様である。
去年は大雨で例会も中止になり、せっかくの場所取りが無駄に終わってしまった。
今年は天気も良くて、そんなことも無さそうだ。
と思っていたら、ビッグタープを張り終えて暫くすると、ポツポツとタープを叩く雨音が聞こえてきた。
空を見上げると、そこには何時の間にか真っ黒な雲が広がっていた。
大きなタープの下にいれば土砂降りになっても濡れることはないし、逆に川の水が増えるので嬉しいくらいである。
タープが大きすぎて何となく落ち着かない
その雨も直ぐに上がってしまい、そうなると大きなタープの下に二人だけでいるのが何となく落ち着かない。
そこへ釧路のM下さん夫婦がやって来た。
これで何とかビッグタープの格好が付いた。
人が増えるとタープの中も少し賑やかになった
M下さんの奥さんは、後少しでヨセミテに旅立つらしい。
そしてヨセミテでは、千メートルの岩壁を途中テントで3泊しながら登るとのこと。
それもツアーとかではなく、女性3人で登るというのだから凄いチャレンジである。
奥さんはそんなクライマーなのに、旦那さんはクライミングは一切しないみたいだ。
それでも、カヌーだけは一緒というのが面白い。
そんな話しをしていると、午後9時頃になって熊五郎さんも到着。
それからまた飲み始めて、結局この日は早く寝ようと思っていたのに、テントに入る頃には午後11時を大きく過ぎていたのである。
翌日は早朝には霧がかかっていたけれど、その霧が晴れると上空には青空が広がっていた。
気温も上がってきて、絶好の川下り日和になりそうだ。
この日下るのは忠別川。
集合場所である東川町の道の駅を目指して、午前8時頃にキャンプ場を出発する。
タープの下でまったり
そして、川下りを終えて午後3時過ぎにキャンプ場へ戻ってくる。
相当混んでいるだろうと覚悟していたら、ビッグタープの周りはガラ空きで拍子抜けしてしまう。
賢いキャンパーならば、こんなタープが張られているのを見れば、敢えてその近くは避けるものである。
他のメンバーが忙しく荷物を運んだりテントを張ったりするのを横目で見ながら、この日の川下りには参加せず先にキャンプ場に着いていたガンちゃんとビールで乾杯。
私達がビールを飲んでいる間に、タープの周りにはあっと言う間にテント村が出来上がっていた。
そのテント村のテントが全て、一人用か二人用の小さなテントというのが何とも面白い。
タープの周りにはソロテント村が出来上がった
川下りで疲れているとビールの酔いが回るのも早い気がする。
このキャンプ場は温泉施設が徒歩圏内にあるのも魅力なのだが、そこまで行くのも面倒になって管理棟のシャワーで済ませてしまう。
日が西の空に傾きかける頃には温泉に入っていた人達も戻ってきて、あちらこちらで調理の煙や湯気が上がり始める。
それにしても凄い人数である。
数えてはいないけれど、最終的には24名になったはずである。
5m×5mのビッグタープの中には収まりきらない。
タープの下に収まりきらないけれど、タープがタープがあれば人が集まる
雨が降っていないので、タープの下に入る必要もないのだが、何となくタープの下に入ると落ち着ける気がする。
これだけの大人数が一体感を保ってキャンプを楽しめるのは、タープの不思議な力のおかげなのだろう。
最近、クラブのキャンプでは、それぞれが小さなスキレットを持つのがちょっとしたブームになっている。
何故か、自分で料理しない人までスキレットを持っていたりするのだ。
よしひろさんが何か作っていたけれど・・・
そのブームに乗るかのように、今回はパムさんまでスキレットを持ってきていた。
しかし、何時も皆の期待を一身に浴びている料理人パムさんだけあって、大型のスキレットだったのが嬉しかった。
これでパムさんの作った料理が無事に皆に行き渡るのである。
あちこちから料理が回ってくるので、それを食べているだけで腹一杯になってしまう。
よしひろさんが自分のスキレットで、鶏肉やタマネギ、ホールトマトを使って何かを作っていた。
特に決まったレシピがあるわけではなく適当に作っているみたいだ。
そこにI山さんが「これを使ってみたら」と言って、タイのカレーペーストみたいなものを出してきた。
辛いのかと思って最初は恐る恐る入れていたが、実際はそんなに辛くないと分かるとそれも全部投入。
あっと言う間に完食、最後にバケットを投入
他にも色々と入って、次第に闇鍋的な料理になってきた。
よしひろさんは自分のスキレットで作ることに拘っていたが、中身が溢れ出したので、パムさんのスキレットに全部移し替える。
そこで味見をすると、しょっぱいだけでコクが何も無いとの評価。
そこで、クラブの総料理長と崇められているかみさんが登場し、白ワインやミニトマト、チーズなどを次々と投入し味を調える。
そうして出来上がった無国籍闇鍋料理はとても美味しかったのだが、最初にこの料理を手がけたよしひろさんは、最後には味も鍋も全く別のものに変わってしまい、複雑な表情でこの料理を食べていたのである。
皆のお腹も膨らんだところで、私が持ってきた薪で焚き火を始める。
炎が上がるとその周りには自然と人が集まってくる。
焚き火はやっぱり人を引き寄せる
空を見上げると星空が広がっていた。
こうなるとI山さんの出番である。
I山さんが星の解説を始めると、その周りには自然と女子が集まってくる。
女子と言っても人妻が多いが、今の本当の奥さんもこうして引っかけたらしい。
スーツ姿で登場して場を盛り上げるO橋さん
そんなところへ、スーツ姿にビジネスバッグをぶら下げ頭にヘッドランプを輝かせたO橋さんが到着した。
今日は札幌で学会か何かが有ったらしく、キャンプから参加することになっていたのだ。
しかし、到着が遅くて、その間に皆は酔っ払って大盛り上がり。
「この雰囲気に途中から入ってくるのは大変だね」と話していたのだが、暗闇の中から忽然と現れたその姿に皆は大笑い。
あっと言う間にO橋ペースに巻き込んでしまうのは、さすがとしか言いようがない。
そこから宴会は仕切り直しとなり、私は途中でリタイアしたけれど、宴会は12時頃まで延々と続いたのである。
翌朝も霧の朝となった。
この日は石狩川を下る予定なので集合場所は上川町。
午前8時頃にはキャンプ場を出なければならない。
霧の朝を迎えた
朝食を済ませ、7時頃までダラダラとした後に片付け開始。
雑然としていたタープの中もあっと言う間に片付き、私が自分のテントを畳んでいる間に、皆で手分けしてタープまで撤収してくれていた。
その手際の良さには、私も驚いてしまう。
そうして午前8時前には予定通り上川町へ向かって出発したのだが、石狩川の水不足により再び東川町まで戻って来て、もう一度忠別川を下ることになるとは、誰も思っていなかったのである。